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コロポックルちゃんは竜玉を探しています3

 ドワーフの国ゴルドベッドは一人の王が治めている

名をアガロンといい、非常に温厚な老人だが、賢明で実はそれなりに強い

かつては一人で坑道に大量発生した魔物の群れを殲滅したこともあるほど


「アズ~、熱いよぉ~」


「我慢してよリンナ、わっちだって溶けそうだよ」


ゴルドベッドは鉱山であり、火山地帯でもある

そのため気温が高い

洞窟内やいえに入れば空冷の魔法がかかったマジックアイテムがあるためさほどでもないが

外はとにかく熱い

年間通しての気温は45~50度

そのため雪国出身のアズにとっては暑くてたまらない


「げんか~い、アズ~、冷気おねが~い」


「う、うん、わかった」

「氷雪纏い!」


体に氷雪を吹き付け、定着させる


「はぁ~涼しい」

「ありがと~」


このスキルは火山など熱波がある場所で使うもの

適材適所のスキルだった


 岩の壁や洞窟に居住を構えているドワーフたち

露店には武器、防具、マジックアイテムが並び

そのどれもがドワーフの技術によって作られたもの

どれもこれも魔法効果がついており、値段もそれなり

しかし他国で売られているものよりは安い


「ここでわっちらの武器を新調しようと思うんだけど」

「問題はお金なんだよね」

「だからさ、ここでまずギルドの依頼を受けてお金を稼ごうと思うのよ」

「どう?」


「いいと思うよ~、さんせ~い」


「俺も、いいと思う」


「だな、決まりだ」

「ギルド行こうぜ」


ギルドにはかなりの数の冒険者がいた

ボードが見えないほどに

しかしアズが隙間を縫ってボードから何かをとって来た


「依頼数も半端ないね」

「とりあえずすぐに稼げそうな討伐依頼を持ってきたよ」


それはこの辺りに出没するファイアウルフの群れの討伐依頼

危険度ランクはDなのでそこまで強い相手ではなかった


「火を纏うらしいからわっちが氷雪スキルで援護するね」

「とどめはハイリー、頼むよ」

「ジャノとリンナは私と一緒に動いて援護ね」


「オッケ~了解」


「わかった」


ジャノもうなずく


「決まりね、じゃぁこれ受けてくるね」


またジャノの肩に乗ると受付へと向かった

アズは小さすぎるため受付に届かない

ジャノはそんなアズを方に乗せるのが好きだ

アズもジャノの肩は居心地がいいらしい


依頼を受注すると、アズたちは来るときに通った街道へと戻った

この街道から少しそれた道を登り、火山坑道へと向かう道の途中

そこに件のファイアウルフが出る

坑道へ向かおうとするドワーフに危害を加えるので出された討伐依頼

報酬は金貨3枚となかなかによかった(それだけあれば全員分の武器は新調できる)

どうやら坑道はドワーフの富豪が持っているらしい

このままだと商売が回らないと書いてあった


山道は街道より少し狭く、坑道まで一直線だ


「この辺りって聞いたけど」

「リンナ、何か見える?」


「ん~...」

「あ、あそこ!」

「こっちを見てるよ」

「てか囲まれてる!」


慌てて武器を構える(アズは武器を持っていない)

ジャノが持つのは長槍、ハイリーは幅広の大剣、リンナは大杖だ

狼の数は30体ほど


「くるさね!戦闘開始!」

「クラウドサモン!」

ウェザーソーサリアでもあるアズの天候魔法、雲の召喚だ

「いっけー!サンダー!!」

蜘蛛からゴロゴロと音が鳴り、雷が周囲に落ちた

自然発生した雷より威力はかなり落ちるが、足止め用としては申し分ない

その雷のうち数発が狼に当たり、しびれさせる


「よっしゃ!いくぜ!」

痺れた狼をその大剣で薙ぎ払う

一撃で真っ二つ


「そら!」

ジャノの長槍は狼の素早い動きを確実にとらえ貫いた


「ハートブレイク!」

リンナの特殊職業のスキルが狼の心を破壊し、そのまま眠るように死んでいく

心を壊し、生きる気力を完全に奪うためそのまま死んでしまう、という理屈らしいが

どういった原理なのかはこの職業を持つものが世界にリンナ含めて3人しかいないのでわからない


「ブリザード!!」

凍える吹雪によって狼たちは動きが鈍る

そこをハイリーとジャノがとどめを刺し、リンナの魔法で砕いていく


狼たちはあっという間に全滅し、驚くほどあっさり依頼は完了した


「ふぅ~、意外と簡単だったね」


「うん、後は牙を持って帰って報告だね」


すでにジャノとハイリーは討伐証拠となる狼たちの牙を回収していた


「あ、もうやってくれてるのね」

「さすが、早いね」


「あぁ、もう終わる」


全ての狼から牙を回収し終えるとギルドへ報告に戻った

報酬の金貨を受け取り、そのまま露店に向かう


それぞれお目当ての装備に新調する3人

アズは装備を新調しようとしたがサイズがなかったため作ってくれるとのこと

次の日に取りに行くことになった


「これでみんなパワーアップだね」


「うんうん」

「やっぱこう、新しいものっていいよね~」


「そうだな」

「この剣、俺の手にしっくりなじんでるぜ」


リンナは赤色宝珠の大杖、火の耐性と火の魔法効果をあげてくれるもの

ジャノは精霊の槍、素早さをあげ、精霊魔法の威力を少し上げてくれる

ハイリーは鬼の大剣、腕力をあげてくれる効果があり、鬼人族が作ったものだ

そしてアズ、彼女は雪精霊の鎧で、氷雪系魔法やスキルの威力と耐性をあげる


これで4人はこの国での目的を果たせた


コロポックルコロポックル

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