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11 妖精王オベロン2

 しばらく街道を進むと巨石がゴロゴロ落ちている場所へたどり着いた

越えるべき山の入口に着いたのだ


 この山を越えればまもなくファーリーン

シェイナは自分以外の妖精に会うのが少し楽しみだった

一応魔王国にも妖精はいたものの、どこにでもいる一般的なピクシーやドクシー

自分の召喚する妖精たちもドクシーから進化していたが、パックという少しは見かける妖精

まぁシェイナの妖精は彼女の影響を受けているため少し特殊で、シャイニーパックという

化粧品のような名前になっているが

見た目も他のパックと違い、通常のパックがエルフの姿に近い(体長は小さい)のに対し

シャイニーパック達は人間種の子供位の大きさがある

ちなみにどの娘もシェイナにべったり甘えてくる


 山に入って少しすると、早速魔物が襲ってきた

いきなりのAランク、ダムドキマイラというキマイラの亜種だった

キマイラ自体はBランクだが、亜種となると一段階危険性が上がる


「ほー、大きいですね」

「まぁ問題なく殲滅できます」

「マスターたちは見ていてください」


マーキナは腕のレーザーブレードを構えると一気に踏み込み、キマイラを一瞬のうちに細切れにした


「う、うわぁ、すごいね、マーキナさん」


ミュー他二名が少し引いていた

シェイナも心なしか顔が引きつっている


「どうですマスター?」

「頑張りました。ほめてください」


頭をなでると嬉しそうな顔でうっとりと目を閉じた

ミューが羨ましそうな顔をする


巨石群ではAランクの魔物がキマイラを含め3体、Bランクが5体出てきた

キマイラ以外のAランクはワイバーンロード、フェニキリア(怪鳥)

これらはミュー、マーキナ、リモットの連携により討ち取る

マーキナが捕捉し、腕のレーザーを射出、レーザーを避けようと動いたのをリモットが狙い撃ち

落ちたものをミューがとどめを刺す

マーキナとともに戦うのは初めてのはずなのに見事な連携が取れていたのは

シェイナの司令塔スキルと女王職のおかげだろう

的確な指示が三人に出されていた


さすがにAランクは強く、リモットが怪我をする場面もあったがハノラの回復魔法によって問題なく傷も癒える


Bランク5体はチェイサースネークという巨大な蛇

傷を負うと自分を傷つけた相手をどこまでも執念深く追うのだが

シェイナが妖精魔法フレイムで消し飛ばしてしまった

辺り一帯も赤く焼け溶けた巨石がその威力を語る


「意外と弱かったですね」

「昔に比べると魔物は遥かに弱いようですよ」


「そうなの?」


「はい、かつては私のような兵器を有したアンドロイドもたくさんいたのですが」

「それらがかなわないような魔物もたくさんいました」


マーキナの言葉に絶句する4人

恐らくそれらの魔物は神話クラス

とても個人がかなうようなものではない

今ここでそれが出れば、全滅もありうるような魔物


気を取り直して山を登り始める

意外と緩やかな山道で、そこそこ登りやすいのだが

いきなり切り立った崖があったり大型の魔物がポンポン出てきたりと

なかなかにハードな道だった


しかしそのおかげかリモットとハノラも大幅に強くなることができた

リモットの弓はさらに鋭く速く

ハノラの回復魔法はより強力に


それから歩き続け、山の頂上付近にて一泊

次の日の夕方にはファーリーンの前に着くことができた


シェイナの姿を確認した妖精たちは一斉に取り囲み

敬愛と尊敬の目で見つめた


群がる小さな妖精たちをかき分けかき分けなんとか宿にまでたどり着いた

宿の外には様々な妖精が張り付き窓から覗いている


「とりあえず宿は取れたけど、なんかゆっくり休めそうにないね」


苦笑いするシェイナ

宿の外どころか宿の中にいる妖精、それどころか働いている妖精までもが群がるのだからしょうがない


この日はかなり疲れたのもあったので部屋に鍵をかけて寝た

鍵をかけた理由はもちろん妖精たちが入らないようにするため


オベロンから翌朝使者が送られ、城というには自然を利用しすぎている感も否めない場所に呼ばれた


オベロン王はその中心にある王座に威風堂々座していた


オベロンについて詳しくはシェイクスピアの「夏の夜の夢」を読んでください

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