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狂乱葬送 裂葬のクイニー

 魔族たちが住まう国は魔王のいる異界とは別の場所にある

魔王の土地はかつてモルガナが作り出したもの

もともと魔族は獣人国ガルードラから二つほど山を越えた土地に住んでいた

それが、はるか昔、伝説に語られる時代に魔王が世界に戦争を仕掛け、勇者に負けたため

生き残った魔族にとって生きにくい世界になってしまった


 その土地にいまだ残る種族は実はいくつかある

クイニーたちヴァンパイアもそうだった

彼らは地を必要とするが、家畜や動物の血で十分生きていける

しかしそれは通常のヴァンパイアならの話

彼女は先祖返りの真祖だった

真祖は人、ヒュームやエルフといった人族の血を求める

もともとドラゴンの眷属であるヴァンパイアたちは人族の血が好物で

その呪われた血統が真祖にはあった

それが代を重ねるごとにようやく薄まっていき、家畜などの血でも問題ない体になった


 しかし先祖返りのクイニーは家畜の血ではその衝動を抑えきれない

とうとう人を襲ってしまい、ヴァンパイアたちに処刑されることとなった

めちゃくちゃに殴られ、石でうたれ、磔刑され、雨にさらされ、そのまま衰弱して死ぬ


自分で抑えることができなかった

抑えようとすればするほど衝動は強くなっていった

クイニーが悪いわけではない

たまたま先祖返りをしたゆえの悲劇


薄れゆく意識の中、まるで天から遣わされた天使のような男が見えた

男はクイニーの手足に穿たれた杭を抜くと、そっと地面におろし、自らの血を与えた


「抑える必要なんてない」

「すべて受け入れて身を任せなさい」


男の言葉に救われた気がした


もう衝動は抑えない

刺して千切って引き裂いて

飲み下そう

彼のために尽くそう


そうしてクイニーはセプテリルの部下になった


ヴァンパイアはドラゴンの眷属です

ドラクリアってのはそっからくる名前です

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