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【白銀甲虫】シルバービート〜装殻系短編集〜  作者: 凡仙狼のpeco
コラボ:白銀の甲士~悪の大幹部VS黒の伍号~
3/12

第3節:お互いの内心

 危ないとこだった、と。


 ジンは内心冷や汗を掻いていた。

 まさかあれほど早く臨戦態勢で銀次が出張ってくるとは、彼は思っていなかった。


 なんとか余裕の外面を保ち、予定を繰り上げて銀次を嵌める事は出来たが、もう少し疑いを持たれていては危なかっただろう。


「『バース』の人材も豊富だねぇ……アタマも食えないし、やっぱ誰か一緒に来てもらった方が良かったかな」


 しかし結果オーライ。

 銀次が聞いた通りの性格なら、ああいう脅しは通じるはずだ。 


「次代もマジで一人二人引き抜いたいレベルだったしな。でもまぁ……上手く行ったし、後はしくじらんように気を付けなきゃな」


 情報戦は得意ではないように見えたが、あの行動選択の直感力は天性だろう。

 本人は気付いていないようだが、彼はジンにとって一番嫌なタイミングで現れたのだ。


「仕上げでミスったら、元も子もないしな」


 気合いを入れ直して、ジンは商店街を後にした。


※※※


 本部への報告をどうするか迷った銀次は、自分に対する脅しは伏せて、彼の動きだけを報告した。


 街に流通しているドラッグの事を調べていたらしい。

 その為、学園の目立つ生徒に声をかけていたようだ、と。

 それに対する本部からの返答は意外なものだった。


 ―――始末しろ、方法は任せる。


 そう言われて、銀次は嫌な感覚を覚える。


 いきなり本部が始末を命じるほどの何かを、ジンがしていたようには見えない。


 本当に『バース』とドラッグに関わりがあるのか、と銀次は疑ったが。

 外部から調査が入るほど大規模な事を『バース』が神山市で行なっていて、それを大幹部である銀次が知らないのもおかしな話だった。


 しかし、好都合だ、と銀次は考えた。


 ジンは言った。

 もし一人で来なければ、クラスメイトたちを害する、と。


 それは銀次にとって、何よりも許しがたい事だった。


 

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