〜ハートレスラブ無しコメディ〜 【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】
【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】 #7 しゃべれない小児科医
【苦見、ビビったところは見せないゼ〜、なるべく‥‥‥】
前回までのあらすじ
佐乃の勤務する小児科に初出勤した新米看護士の苦見は、
佐乃の外見にも人間性にもビビってしまったことに屈辱を
感じていた。
診察室。
女の子の患者を佐乃が診ている。
その傍らで苦見は悶々とした気持ちを抱えていた。
「くそ〜、いくら先生が怖い人だからってもう驚かないゾ。
いつまでも弱みは見せられないんだから」
女の子と向き合っていた佐乃はいきなり苦見をキッと見つめ、
「咳が止まらない時、キミならどおする?」
「えぇ?」
突然の問いに苦見は一瞬言葉が出なかった。
「やっぱり、のど温めたり胸に薬効つけたり、ですか」
ふぅん、と気の抜けた声を漏らすと再び、
「吐き気が止まらない症状が続いた時、キミならどお処置する?
そんな経験はある?」
「い、以前実習で診た患者さんがそおだったんですがーー」
苦見は気負されつつ内心グチっていた。
「くそーーーっ、なんでそんなことワザワザあたしに聞く?
もしかして、あたしが看護士としてマトモかワザと試してる?
キィーー悔しい〜、けど負けないゾ」
そんな苦見の思惑など無関係に佐乃は質問と対処法を聴き続けた。
女の子の目は見ずにほったらかし気味に。
実は、子供と話をするのが凄くニガテな佐乃であった。
「はあ、担当の看護士がついてくれた助かった‥‥‥」
患者としゃべれよっつ!