プロローグ
「やあ、こんにちは。突然だけど、僕が今見下ろしている地球はね、僕が作った空間の一つなんだよ。僕はずーっと一人だし、生き物のように死ぬことはないからね。だから僕は、たくさんの空間を作ったんだ。そう....退屈しのぎ。力を持て余した神様の暇つぶしってとこかな。それでさ、気づいたら地球という空間に生き物が生まれててさ、人間が生まれてたんだ。驚いたし、とても嬉しかったよ。僕の退屈な時間が少しはましになることに期待した。そして、人間...僕の愛し子たちは僕の期待通りの出来事をたくさん起こしてくれたんだ。そこで僕は思いついたんだよ。〝こんな空間をもっともっと創れば、もっともっと面白いものがみれるんじゃないのかな”って....でも、そんな上手くいくはずがなかった。空間を創りすぎて、結びつかないはずの空間同士が結びついちゃったり....不気味な生き物らしきものまで生まれちゃったり....それが原因で空間にはひびがはいっちゃったり...ね。僕は、創りだすのは得意だけど、壊すのは苦手でさ、空間が自然に消滅するのを待つしかないし。僕がみてるこの世界も実は崖っぷちにあってさあ。いろんな空間と交わりすぎて、ひびがとっても大きくなっているんだ。この世界だけは僕、なくしたくないからねー。
だから、ほんの少しだけひびを修復することにしたんだ。その結果、どんな影響が出るかはわかんないけど....でも、まあ....僕の愛し子たちをなくしてしまうのは本当に嫌だからね。しょうがないよね。あ....今ちょっと空間のひびが広がった、みたい。でも、ふーーん....なんだか、面白いことが始まったみたいだよ。ま、僕の愛し子たちに尽かぬ幸せあれ、なんてねっ。」
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