表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コードLP  作者: ノーリターン新
コードLP・第一章
25/76

心のシールド

今朝、このミドルシップに星間タキオン宅配便が届いた。


「まいど~」


「ご苦労さまです」



マザー・レインからの物だった。

同梱されているチップとともに。紙の封筒が同封されていた。

紙の便せんに印刷文字で長い手紙が書かれていた。



判明した事がいっぱいあった。

まず、私たちの行動や情報が漏れている事。

マザー・レインの名前とアドレスを使ってニセのメールが送られてくる事。

マルさんの偽物、透明部長1号の陰謀により。

私たち擬人の生命線である、シールドを無効化された事で。

惑星カニメシで保証を使って修繕するのも危険だという事。

トリンホトニクスもヤミに狙われている。

当然、あの会社の人達の生命も危険。



「うわああ・・・何これ?」

「こんな長い手紙読んだの産まれて初めて」


シャムロッドとサクラは驚いてるけど、ケイトには良く判らないみたい。

透明部長1号にも、ハニカミシステムが組み込まれている筈だから・・・

マザー・レインの居る、母星チーズへ帰りなさい。ですって。

イタチゴッコに成らないように、全てを入れ替えるみたいね。

同梱のチップは、暗号解読チップ「ワニグマ」

シップのフロアパネル・カード・スロットにブっ挿した。



「シスター・トリン」


「うわ、マザー・レイン」


「いいですか?これは過去の記録です」

「リアル生交信ではありません」

「しかしリアルな生交信にすり替わる場合もあります」


「はい、マザー」


「今すぐ惑星チーズへ戻って来なさい」

「あなた達には、ヤミの勢力に打ち勝つ装備が必要です」


「でもベースが・・・」


「大丈夫、新しく完成していますよ、何処かに」


「・・・・」


「長い交信は危険です」

「今すぐ切断しなさい、シスター・トリン」


「はいマザー」


ブツン・・・


「あ、あれ?」


「向こうから切ったわよ?おねーさま」


「うーん、やっぱマザーだけあるわね」

「私たちよりも未来に居るわ」




結局、母星チーズへ向かうことになった。


「うわあ、惑星チーズへ行けるんだ!」

「あたしも社会勉強が出来るわ」


「やっぱ女子高生ね、タダで修学旅行する気ね?」


「違います!チーズはあたしの星系じゃ有名なんですよ?」

「コードLPシリーズ発祥の地だから」


「え、そうなの?」


「トリンさま宇宙一の有名シスター・・・」


ポッ・・・



母星チーズの星系を離れて別の外縁星系にまで来てしまったから。

ジャンプを駆使しても、戻るには何十年もかかる。

トラブルを避ける為に、

コールドスリープ・マシン「冷凍冬眠装置」で寝るんですって。

仮死状態になるけど、人間のケイトには必要な事。

ケイトが可愛そうだから、みんなで寝るんですって。


ジャンプを繰り返して、タキオンの旅になる・・・




「いい?一回死ぬのよ?」

「仮死状態だから生き還れるけど」

「電子マニュアルには『蘇生時に感涙がある』・・ですって」


「艦長殿」

「自分は全身麻酔の経験があるから大丈夫であります」


「ケイトちゃん、手術でもした事あるの?」


「はい、大手術でした」

「小さな子供の頃でしたが・・・」

「だからいまだにうちは貧乏なんです」

「高額医療費を払うために家を売ったくらいですから」


「・・・女子高生も苦労してるのね、苦学生」


「ケイトちゃん、私たちを家族だと思ってね?」


「・・・照れくさいですよ、艦長殿」


「ケイトちゃん、あなたは少し年を取るだけだけど」

「あなたの家族に二度と会えなくなるのよ?」


「家出する時に覚悟は決めました」

「言いっこなしですよ・・・艦長殿」


「ケイトちゃん・・・」


「おねーさま、スリープの時間よ!」




私たちは死ぬ。

自らの意志で。

この宇宙は壮大で雄大で、全てを包み込む。

宇宙は海。

海へ帰る。

流星の私たちは、止まる事が出来ない。

光が失われることはない。

自らが輝き続けるから・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ