第30話 道標
ネアには当分、恋心は芽生えませんので悪しからず(悪い顔。しかも望まなくても狙われないとは言っていない)。
それと第28話で盛大にやらかしていました。次回予告で「銀髪少女出現⁉︎」を仄めかしていたにも関わらず、吸血姫・ルーディアの髪の描写が思いっきり金髪という………。申し訳ありません。修正しておきました。
では、どうぞ。
■魔界、吸血姫の古城・客室。
あの後も結構話し込んでしまった為、気がつけば紅い月が山の影に隠れて本格的に暗くなり始めていた。《暗視》の魔法は使えるので帰る分には問題なかったが、ルーディアがここで一泊するように薦めてくれた為それに甘えることにした。
高級そうな調度品の数々が備え付けられた一室に案内してもらった際、案内した老執事の態度が若干不自然だったのが気になる。おそらく俺がルーディアに対してこの城から出ようと言ったのが気に障ったのかもしれない。
(………………スルト)
光源が完全に消え去った深夜、俺は身体が沈み込んでしまうほど柔らかいベッドの上で座禅を組み、精神を集中させていた。
思い描くのは一本の長剣。今回は目の前に似た形状の人工聖剣が置いてあるため、剣の形を描くことは容易い。
身体中の魔力を左腕に注ぎ込む。相棒とのリンクが繋がるまで、あの剣の姿を頭の中でひたすら思い浮かべる。
契約を結んでいる魔人・スルトの本質は、実体化の可能な魔力の塊だ。その為自在に形状を変えることができ、遠く離れた場所にいたとしても問題なく呼び寄せて召喚することが出来る。しかし、今回のように人間界から魔界という異世界を跨ぐ召喚は初めてだ。絶対とは言い切れない。
「……………っ!」
時間の感覚が狂った頃、突然頭の中で閃光が弾けた。思わず仰け反ってしまいながらも、閃光の中に見える燃えるような紅い刀身をしっかりと掴み取った。
「………半日振りね。スルト」
『無事で何よりだ。マスター』
まだ別れてから半日しか経ってはいない。しかし、込み上げてくる懐かしさから、夜の寒さから守るようにして暖かく光る剣を抱いた。
■
『マスター、そろそろ良いか? 状況を把握したい。ここは魔界の何処かであり、何処かにある城の一室で相違ないか?』
空気を読んで黙っていたスルトだが、少し痺れを切らしたのか催促するようにして確認を取ってきた。
「合ってる。ここは吸血姫の城の一室で、境界門から最短で二週間ほど離れた場所にあるわ」
『そうか。まさか魔界まで飛ばされるとはな。お陰でマスターが呼び出さなければ境界を越えることすら叶わなかった』
スルトがどんな遠い場所にあったとしても、契約さえしていればいつでも呼び出せるものだとばかり思っていたのだが、意外な制約があったようだ。
「結構魔力を消費しちゃったけどね。………あっ! アレン達と連絡取れる⁉︎」
スルトを呼び出した目的の一つ、アレン達に無事であることを伝える事が出来るかどうかをスルトに詰め寄って確認する。
『アレンの腕にリンクを貼っておいた。我がこちらにいる間は、我とアレンの紋章を介して交信は可能だ』
「じゃあ早速お願い!」
今あちらがどのような状況になっているのか、アレンやサーシャ、ヴィヴィアが無事な声を届けてくれるのかとても気になる。というか怪我してないか心配だ。
『ーーーうむ。繋げたぞ。いつでも構わない』
「じゃあ、………アレン、アーレーンー、アレン、聞こえる? 私だけど」
取り敢えず繋がっているはずの相手の名前を連呼する。話す度に魔力が使われているが、これ位なら暫く話せるだろう。
『ーーーネア、なのか?』
「アレン!」
つい最近まで隣にいた、聖剣使いの仲間の声が聞こえる。柄にもなく喜んでしまったが、存外魔界まで独りで来てしまって寂しかったのかもしれない。
『ネア!』
『ネア、無事なのかぴょん⁉︎』
『聞こえていますか、ネアさん‼︎』
アレン、ヴィヴィア、サーシャと次々仲間の声が聞こえてくる。皆が集まっている丁度良いタイミングだったようだ。
「聞こえてるよ。私は大丈夫。………そっち、トリアスタは守れたの?」
声が震えそうになるのを必死に堪える。これ以上心配させたって良いことは何もないしな。
『勿論、魔物達は全部倒したさ。それでネアは何処にいるんだ? 今すぐ助けに行く!』
「あー、うん。その事も含めて話しましょう。時間も限られてるしね」
いくら膨大な魔力を体内に保有しているとはいえ、有限のものだ。できるだけ早く情報とこれからの事を共有しておきたい。
「まず私がいる場所は魔界。魔界についての詳しい事は後でフィアナに聞いて。
端的に言うと人間界と魔界を繋げているのはシル王国の境界門唯一つ。今は魔王軍によって占領されているから近づくのは困難でしょうね」
例外的にベクトレーメスみたいなやつもいたが、既に亡くなられているので考えても仕方ないだろう。
「けど、私の方から向かうなら大丈夫なはずよ。フィアナのところからくすねた薬のお陰で種族を誤魔化せてるから」
ルーディアには既にばれてる事は言わないでおこう。
『だがそっちは一人なんだろ? 魔界がどういう場所なのか分からないが、危険なのは変わりないだろ』
「それについては問題ないわ。連れが、一人出来る予定だもの」
出来るというか、作るというか。
『連れ? それってーーー
「ごめん。そろそろこっちの魔力が切れそうだから。重要そうな事だけ言っていくわ」
アレンの言葉を遮る。人間界との通信は想像以上に燃費が悪いようで、魔力残量が2割を切っている。気怠げな気分をなんとか振り払いつつ、出来るだけ真剣な声でアレンや他の二人にも語りかける。
『………わかった』
「なら、万が一こちらに向かうというのなら、境界門を利用する以外には手は無いと思って。それ以外の方法を探すとなると境界門を使うよりも何倍も時間が掛かるはずだから。
それと、境界門に居座る魔王軍の状況については、シル王国付近に布陣している王侯会議の偉い人を頼りなさい。フィアナかゼオラントお爺様の言伝があれば色々と情報を教えてくれるはずだから。そして最後に」
一度言葉を区切り、目を閉じる。暗号並みのややこしい座標情報を思い出す為だ。
「本当の最終手段を伝えるから、今あなた達三人以外に誰も聞いていないか確認して」
『………フィアナさんとゼオラントさんがこの部屋にいるんだが』
なんと、二人もいたのか。あれ、まさか薬の件も聞かれてた?
「そ、それじゃあ二人には部屋から離れてもらって。一応まだ国の役職に就ている二人にも聞かれたくない情報だから」
『わかった。………フィアナさん、ゼオラントさん。すいませんが一度ーーー』
アレンが勇者パーティーの二人を説得しているのが聞こえる。ゼオラントは俺や勇者に隠していることは沢山あると言っていたが、こちらだって教えていないことの一つや二つ持っている。その秘密も最近次々と流出している気もしない訳ではないが。
ほとんど待つ事なくフィアナの凜とした声が聞こえてきた。
『そうね。レイが私たちにすら秘密にする事なのだから、余程重要でかつ国を巻き込むレベルの案件なのでしょう。………だから通信を切る前にこれだけ言わせて。ーーー生きてこっちに帰ってきて』
青い帽子を被った、黒髪エルフの少女が涙を流す光景を見た気がした。恐らくはシル王国が滅びた時から心配させてしまっていたのかもしれない。帰ったら埋め合わせをしておかないといけないかもな。
「わかった。必ず帰ってくるさ」
あちらには見えないだろうが、笑って頷くと涙ぐむような音と共に扉の開閉音が聞こえた。って、ゼオラント翁は何も言う事が無いのかよ。それはそれで寂しいんだけど。
「それじゃ、誰もいないか確認してくれ。アレンは《マップ》で人やら何やらがいる事を確認できるでしょ? 念の為ウィアの耳で周辺警戒も」
念には念を入れて警戒してもらう。国にバレたら、特にラスマール皇国に知られるとまた面倒臭い騒動が起きかねない。
『大丈夫だ。声の届く範囲には誰もいない』
『大丈夫だぴょん』
「それじゃ、書き留めないでしっかり暗記してね。まずカナエリア王国の王都、ペネンバームの第2街31区域にある『ヘブラストリードの地図屋』に行きなさい。そこに入ったら受付で寝たふりをしているドワーフの店主に『ヘブラストリード自慢のピザを頼む』って言えば、特別な地図をくれるからーー……
立て板に水のように行き方を教えると、突然の暗記物に三人が慌てる仕草と念仏のようにボソボソと唱える声が聞こえる。一度しか言わないなど意地の悪い事はせず、しっかりと覚えるまで確認はしておく。
『そ、それで。こんなご大層で複雑な方法で行く事の出来る場所には何があるんだ?』
珍しく気疲れした風のアレンの声に満足しつつ、声を抑えて答える。
「私の親友がいるわ。アレン、あなたにとっては同郷の人、いえ、魂が同郷なのかな?」
『………っ! それはつまり』
「あなたが思い至った通りのはずよ。しっかり説得出来れば、今代の魔王が何人いても勝る戦力になるでしょうね」
文字通り最終戦力。この場合、人族の最終戦力ではないのが重要な事であったりする。つまり知り合いなら誰でも手助けしてしまったりするため、この情報を知っているのは、決まった拠点を持たず、組織に所属していない傭兵である俺しかいなかった。
『……ああ。いざとなったら頼らせてもらうよ』
心なしか、アレンの声が少し低く聞こえる。なんというか、イラッとした雰囲気を感じ取ったのだが……
「? 私、なにか変な事言った?」
『なんでもない!』
何故だろう。アレンがいつになく不機嫌だ。何か気に障ることでも言ったかな?
「私がそっちの境界門に辿り着くのは早くて2週間ね。どっちが早く着くか競走でも、す…る?」
少し眩暈がする。そろそろ魔力が無くなったか。
『おい。ネア? 大丈夫か?』
今のちょっとした言葉の途切れだけで異常を察知したらしい。本当に無茶苦茶なやつだ。
「………大丈夫。そろそろ魔力が無くなるから、リンクを切るね。あ、スルトを返すには、魔力が足りないからまた後で返す、ね」
『いや、ネアの相棒なんだから返さなくて良いから。そっちの方が危険だろ⁉︎』
「こっちは人工聖剣借りてるから……。あ、こいつの名前、考えといてね? ……じゃあ、おやすみ」
『ネア! 絶対こっちから会いに行くからな‼︎ 一回くらい叩かせろ!』
「………ん」
最後に返事を返せたか分からないが、あの三人なら大丈夫か。アレンは出鱈目だしヴィヴィアも底知れない実力を持っているし、サーシャも十分以上に強くなっている。それこそ英雄と呼ばれる者か、万を超える軍隊が相手でなければ負けることもまずない。
(………私もとっとと邪神を倒してアレンたちに会いに行かないとね。………くぅ…)
魔力を使い切った時の心地良い浮遊感を感じながら、意識を手放した。
■魔界。???、 10年前。
激しく燃え盛る集落。それを蹂躙する巨大な影は、邪神の僕である《九首の怪物》。人族、魔族関係なく圧倒し、皆殺しにするその姿はまさしく怪物だった。
まだ年端もいかなかった私は、突然炎に包まれた家から命からがら逃げ出していた。お母様やお姉さま達の安否を確認する余裕など、どこにもなかった。
集落の魔女が放った稲妻や火槍が一斉におぞましい蛇の怪物へと直撃しました。けれど、幾つかの首を焼き焦がした後は、すぐさま蛇の首は再生し、代償と言わんばかりに仲の良かった近所のお姉さんを喰い殺した。
「……あ、あ………」
その光景を目の前で見せられて、私はその場にへたり込んでしまった。だって、九つの首の一つが幼い私に畏怖というものを教えるかのごとく睨んでいたのだから。
『SHAAAAaaaaAAAA!!』
身体が吹き飛ぶかのような咆哮とともに大口を開けて蛇の頭が迫ってくる。けれど、最近魔法が使えるようになったばかりの私に何か出来るはずもなく、目を塞いでその直後の来るであろう激痛を覚悟した。
お母様の悲鳴が遠くに聞こえます。どうか私が食べられている間に、無事に逃げてください。きっと家族の皆ならば逃げ切れるはずです。
そんな覚悟とは裏腹に、
『SHAAAAaaaaAAA!⁉︎』
いつまで経っても身体に襲い掛かる痛みは有りません。私は一瞬、痛みを感じる間もなく即死したのかと思った。目の前の餌を前に、《九首の怪物》が食事を止めるはずがないのだから。
「ったく。人間だけじゃなく魔族も襲うとか、ほんと邪神の僕ってやつは分からねぇな」
「………え?」
突然、目の前から声が聞こえた。誰もいなかったはずなのに。わざわざヒュドラの目の前に身体を晒す愚か者などいる筈が無いのに。
「おい、怪我は無いか? 可愛い子」
幻聴なんかではなかった。低めの、しかし間違いなく若い男の人の声がすぐ側から聞こえ、頭に手が載せられる感触がした。目を開けたら再び恐ろしい光景が見えるのではないかという恐怖もあったが、どうしても目の前の人のことが気になり、私は薄っすらと目を開いた。
「………………あ」
斬り落とした首を背後にして、悠然と立つ白髪の男の人を見て、私は直感的に理解しました。目の前の白髪で■色の瞳の男性が蛇の首を斬り落とし、私を助けたのだと。そして、
「おう。無事みたいだな。俺らが来たからには、もう大丈夫だ」
この人に恋をしてしまったことを。
■ラーズガーブ、傭兵ギルド。
「え? 依頼を受ける人が出たんですか?」
「ええ………。つい先ほど黒虎族の方が依頼をお受けになりましたよ」
邪竜をボコる為の準備と荷物の配達依頼を完了したことを報告するべく、俺は一旦ラーズガーブに戻ってきていた。ギルド内で真昼間から酒盛りしている傭兵たちを背に、《猫妖精》の受付嬢に報告をしていたのだが、なんと竜の山脈を抜ける護衛依頼を受けてしまった者がいるらしい。
(邪竜を倒したらそのまま境界門に向かうから、取り消すつもりだったんだけどなぁ………)
これは困った。既に受注された依頼を取り消すには手数料が幾らか掛かる。払えない訳ではないが、勿体無い。
どうしようか悩んで狼耳をひょこひょこと揺らしながら悩む。人狼族の姿に戻ったのは、依頼を受けた傭兵の種族が変わっていて怪しまれない為だ。
「まあ、あの依頼を受けるってことは相当自信があるんだろうし、話してからでもいっか。その依頼を受けた人って何処にいます?」
「ええっとですね………。あ、いました! ガウディさーん。依頼人さんが来ましたよ〜」
受付嬢が酒場スペースの奥に向かって声を掛けると、急所にだけ革防具を宛てがった大男が立ち上がった。
「おう、やっと来たか。………って、あん時のワーウルフの嬢ちゃんか。依頼ってこれの事だったのか」
「あれ。あなたは確か、門番やってた黒虎族のおじさんですよね?」
やって来た男は見覚えがあった。黒い毛皮に金の縦縞模様が入った黒虎族の男は、実力はある筈なのに門番なんかやっていたので印象に残っていた。
「おじさんじゃない。お兄さんだけどな。黒虎族の一族、ガウディ・アムールだ。今回はよろしくな」
俺の二倍以上の体格で見下ろすガウディは、俺の若干失礼な発言をしっかり訂正しつつ、毛むくじゃらの手を差し出してくる。その手を爪が若干長くなった小さな手で握り返す。
「ネアよ。姓は捨てたから今はないね。………それで早速依頼の話をしたいから、そこの席にでもどう?」
「ああ、構わないぜ。おい、麦酒持ってきてくれ!」
真昼間から酒ですか。流石は魔界、依頼人との面談でも大雑把な対応だな。
大ジョッキに並々と注がれた麦酒を一気飲みしたガウディは美味そうに息を吸った後、こちらに視線を向けた。どうでも良いが、勇者曰く一気飲みは危険らしいぞ? 大ジョッキごと飲み込む酒豪だっているのに勇者はたまに変な事を言う。
「それで、ワーウルフの嬢ちゃんの依頼はベルグリーヴまでの護衛だが、竜の山脈は必ず通らないといけないか?」
「そういう訳じゃないです。ただ出来るだけ早くベルグリーヴに辿り着きたいので、竜の山脈を通るルートを指定してます」
ああ、丁寧語は喋りにくい。サーシャはよく自然に話せるなほんと。
「なら早くベルグリーヴに辿り着けるなら竜の山脈を通る必要はないんだよな?」
成程、おそらくガウディはギルドや他の傭兵が知らないルートを知っているらしい。初日だったらそれでも良かったのだが、今はちょっと他の人には話せない事情がある。
「その事なんだけど、ちょっとした野暮用が出来ちゃったから3日ほど待ってくれますか? 急に延期にしてしまって申し訳ないですが」
初日で邪竜を探し出し、2日かけて邪竜を討伐し、3日目は休息。うん。我ながら珍しく綿密な計画を立てたものだ。
「あん? なんか急な用でもあんのか?」
2杯目の麦酒を呷ったガウディは訝しげに柳眉を顰める。街道が封鎖されて立ち往生した場合などは待たされる事もないわけではないが、この辺りではそんな話は出てきていない。南の森がスライムの被害を受けているが、今回の旅路とは全く関係ない方角だ。
「ちょっと吸血姫のお城に行かないといけなくて。それまで待ってくれたりしますか?」
「あの古城にか。そりやあまたどうして?」
「もしかしたら、連れを迎える必要があるかもしれないから」
詳しくは言わないが、ルーディアをあの場所から連れ出すことはほぼ確定している。その後邪竜から逃げきるために、直接山脈を越えるつもりだったので依頼を取り消そうと考えていたのだが。
「なんだ。それならそう言ってくれ。寄り道くらい別に構わねえよ」
ガウディは機嫌良く笑って立ち上がる。既に交渉成立したような雰囲気になってしまっている。
「え、あ、いや。そういう訳じゃ無くて………わっ⁉︎」
盛大に誤解したガウディを騙したままにする訳にもいかないが、反論する間も無く頭をガシガシと荒っぽく撫でられる。
「安心しろって。どんな強ぇやつが来てもお前さんを守るぐらいなら余裕で出来る。ドラゴンだって撃退してやるよ」
ドラゴンはドラゴンでも、上級種に位置する邪竜なんだけどなぁ………。しかもあの黒竜と同じランクだし。
まあランクは同じでも強さが同一であるとは限らないのだけれど。
それに邪竜から身を隠して逃げるなら兎も角、ガチで殴り合うのは金貨5枚じゃ絶対に割に合ってないと思う。
「おし、それじゃあ準備が出来たら早速あの古城に向かうか! 1日くらいなら泊めてもらえるらしいからな!」
(……………南無)
陽気に笑って傭兵ギルドを出るガウディの背中に、密かに合掌しておいた。
レイのやっていた傭兵と魔界の傭兵は別物です。どちらかというと人間界の冒険者と魔界の傭兵が役割が同じとなっております。
なぜわざわざややこしい真似をしたかというと、魔界なら冒険者より傭兵の方が荒っぽさが分かりやすくて良いかなという完全に自分の偏見ですね。(´д`;)
回想部分でレイの瞳の色の描写が■でぼかされていますが、特に重要な意味がある訳では有りません。レイの瞳の描写はもっと重要な場面で披露する予定なので………。
え? なら回想は後回しにしとけば良いんじゃないかって?
………確かにそうでしたね。(●ω●)
・次回予告
出会ってすぐ別れるって………。