interlude 2
さて、少年Aが供述したという殺害方法及び死因には大きな疑問があ
る。少年Aは5月24日土曜日の13時30分くらいに児童をタンク山
に誘い出し、そのままそこで、児童を殺害し、遺体をそこに遺棄した
という供述をしている。このとき、児童と激しく格闘しながら殺害に
至ったと述べているが、供述通りだとすれば、殺害に至るまでおおよ
そ1時間程はかかったであろう。
土曜日の昼間、タンク山付近は散策する大人や遊ぶ子供が大勢いた
はずであり、そのような子どもたちの格闘、死に至るまでの格闘を目
撃した人間はまったくいない。これだけ大きな事件で、覚えている人
間がいるはずなのに、そういった目撃証言は一つも報告されていない。
さらに解剖所見によれば、児童の死亡推定時刻は13時40分ごろ
と見られており、格闘する暇もなく、児童は殺されたことになる。胃
の解剖をして、消化物の具合から推定された時刻であり、まず大きな
間違いはないと考えられている。児童が家を出てからすぐに殺された
と客観事実が判明しているのである。
また、少年は自身の靴ひもで少年を殺したと供述している。さらに
遺体の切断は2日後のタンク山のテレビアンテナ基地で行われたと述
べている。切断に使われた凶器は、7月6日に発見された金ノコとさ
れており、金ノコで時間をかけて切断されたと供述した。以下の解剖
所見の一部を読めば、少年の供述はまったくのデタラメと納得するこ
とだろう。
(監察医の解剖所見の一部の引用)
被害児童の首は、鋭利な刃物で切断されており、その切断面は、と
てもナイフや包丁でできたようなものではない。切り口はのど下から
第2頸椎に向かって非常に鋭利に切断されており、ためらいなく切断
するのは非常に難しい。医者などの解剖に慣れている人間ですら難し
い切断である。
切断面の組織は血管、骨、筋肉繊維、神経線維ともに鋭利に切断さ
れており、素人がこのような解体を行うのはまずもって不可能である。
また、このような切断を生身の状態でするのは、線維組織が複雑に
通っている首では難しいと考えられる。冷凍された状態で切断された
のが正しい所見と考える。少年の頬が紅く染まっていたこと、また、
髪の毛がビッショリと濡れていたという状況証拠と考え合わせると、
冷凍された状態で頭部切断が行われた可能性が高い。
頸部には、幅2mm程の策状痕が見られ、死因は細いひも状のもので
絞殺されたものと見られる(以下略)。
警察及び検察は、こんなデタラメな供述で彼が犯人だと思ったのだ
ろうか。監察医の所見がまったくのデタラメだったとでも言うのであ
ろうか。今後の審理における決着を待つばかりである。
(97/8/6[週刊文鎮]から引用)




