プロローグ
作者は一切の党派・団体とは関与していません。つけ狙わないでください。よろしくお願いします。
「14歳の少年 逮捕」
この特ダネが耳に入ったとき、藤田和之は心臓
が飛び出しそうだった。
何やて?少年が逮捕?
事件記者として生え抜きだった藤田は、懐に温めていた上ネタを
トンビにかっさらわれた気がした。この3週間の取材はすべて反故
(ほご)になった。聞き込みによってあぶり出された犯人像からは、
14歳の少年の影など微塵も感じなかった。
何かの間違いじゃないのか?
藤田の取材では、少年の目撃例など一つもなかった。スクープを
とりたい強欲な記者のガセネタではないのか。聞き込みの調査では、
むしろ、ある怪しい男の影が被害者児童の周りをちらついていた。
いつ、どこで、どのようにして状況が変わったのか。
とにかく、これが本ネタだとすれば、今までの取材は投げ打ち、
少年の取材を開始しなければならない。社に戻って、少年逮捕の
真偽を確かめなければ。けたたましく地面をけって、藤田は駆けだ
した。
もともとこの事件は、平和なこの国では、稀にみる過激な事件だ
った。犯人は中学校の校門前に被害者の生首を置き、それが存在証
明かのように、警察や新聞社にかなりアジテーショナルな挑戦状を
叩きつけた。
犯人は、まるで殺人を楽しんでいるかのように宣言した。
「さあ、ゲームの始まりです」




