表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編

利己的衝動

作者: RK

 怒り、悲しみ、喜び。


 私の内から湧き上がる衝動。


 心の底にあるものがそれらを突き動かす。


 それは全て自分のための思い。


 自分が幸せになるために、自分が喜ぶために溢れ出る衝動。


 その獣のごとき暴れる衝動をなんと形容すればいいのか。


 身体を折って胸を抱えるほどの熱い思いを何と呼ぶのか。


 この身を焼き焦がし、溢れ出る衝動をどれほど募らせればあなたを手に入れられるのだろうか?


 狂おしく乱れて。


 見るだけでは満たされない。


 触れていたい。


 思うたびに身体は熱を帯びる。


 この衝動はあなたという存在を軸に、あなたという存在を考慮しないもの。


 未完成の、なにとも言えない衝動。


 心の底に眠る獣の衝動が暴れる。


 いつまでも血を流し続けるこの思いが報われぬものだとしても。


 奥底に飲み干して目を閉じる。


 乾き苦しみ喉を掻く。その爪が剥がれ落ちようとも。


 この利己的衝動を抑え込む。


 それは交わらぬ平行に寄り添う螺旋の渦が刻む原始の衝動。


 人はそれを愛と呼ぶのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ