利己的衝動
怒り、悲しみ、喜び。
私の内から湧き上がる衝動。
心の底にあるものがそれらを突き動かす。
それは全て自分のための思い。
自分が幸せになるために、自分が喜ぶために溢れ出る衝動。
その獣のごとき暴れる衝動をなんと形容すればいいのか。
身体を折って胸を抱えるほどの熱い思いを何と呼ぶのか。
この身を焼き焦がし、溢れ出る衝動をどれほど募らせればあなたを手に入れられるのだろうか?
狂おしく乱れて。
見るだけでは満たされない。
触れていたい。
思うたびに身体は熱を帯びる。
この衝動はあなたという存在を軸に、あなたという存在を考慮しないもの。
未完成の、なにとも言えない衝動。
心の底に眠る獣の衝動が暴れる。
いつまでも血を流し続けるこの思いが報われぬものだとしても。
奥底に飲み干して目を閉じる。
乾き苦しみ喉を掻く。その爪が剥がれ落ちようとも。
この利己的衝動を抑え込む。
それは交わらぬ平行に寄り添う螺旋の渦が刻む原始の衝動。
人はそれを愛と呼ぶのかもしれない。