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3-6「悲劇を知りそして選ぶ答え」

灰色の村の出来事を知り、フレイとエイドの立場を理解したクレージュ。

そしてこの悲劇を知った上でクレージュはひとつの答えを出そうとしている。

夜明け前の空は、

 まだ色を決めきれずにいた。


 


 灰色の村を離れて、

 一行は森の中で足を止めていた。


 



 


 焚き火は小さくもえていた。


 誰も、よく眠れてはいない。


 クレージュは、少し離れた場所で一人、立っていた。


(……同じなんだ)


 フレイの話。


 そして――

 まだ会っていない男、

 エイドの選択。


 どちらも、

 “灰色の村”を起点にしている。


(守りたかった)


(二度と、同じことを起こしたくなかった)


 理由は同じだ。


 ただ、

 選んだ道は違うだけ。


 


 背後で、

 足音がした。


「……眠れないか」


 フレイだった。


「はい」


 クレージュは、正直に答える。


「なんか色々考えてしまって」


 フレイは、隣に立ち、同じ空を見る。


「……あいつのことを、考えてるのか?」


「いえ、エイドのことです」


 フレイは、小さく息を吐いた。


「そうか」


「……間違ってないと、思うんです」


 クレージュは、

 言葉を選びながら続ける。


「エイドのやり方は、冷たいかもしれない」


「でも、世界を守るためのひとつの選択です…よね」


「……そうだな」


 フレイは、否定しなかった。


「俺も、そう思ってる」


 クレージュは、少し驚いたようにフレイを見る。


「だが」


「俺はそれを選べなかった」


「……どうしてですか」


「管理すれば、被害は減る」


「力を制限すれば、安心できる」


「それでも――なぜ?」


 フレイは、

 少し考えてから答えた。


「……信じたかった」


「力と一緒に生きれることを」


「管理されなくても」


「縛られなくても」


「力と共に生きることのできる人間が、いるってことを」


 


 クレージュの胸が、

 静かに熱くなる。


「……俺は」


 言葉が、自然と溢れた。


「どちらにも、なりたくないです」


 フレイは、

 黙って聞く。


「管理されるのも、誰かを管理するのも」


「……怖い」


「でも」


 クレージュは、拳を握る。


「放置して、何かを失うのは」


「もっと、嫌です」


 フレイは、

 ゆっくりと頷いた。


 「……それが、お前の答えか」


「まだ、答えじゃありません」


 クレージュは、首を振る。


「でも」


「逃げない、ってことだけは」


「決めました」


 


 森の向こうで、

 鳥が鳴いた。


 


 夜が、

 明け始めている。


 


「……いい顔だ」


 フレイは、そう言って微笑んだ。


「昔の俺には、できなかった」


 その言葉に、クレージュは

 何も返さなかった。


 だが――胸の奥で、

 何かが定まりつつある。


(同じ力)


(同じ悲劇)


(それでも、違う答え)


 



 


 朝日が、

 森を照らし始める。


 


 灰色ではない光が、

 静かに広がっていく。


 


──二つの正義を知った少年は、

 どちらにも立たないことを選んだ。


 


──だがそれは、

 無責任ではない。


 


──“自分の答えを持つ”ための、

 第一歩だっ

お読みいただきありがとうございます。

次回はクレージュの内面と能力との距離を描きます。

お楽しみに。

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