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2-7

昨日投稿できなかったので今日は夜にも投稿します。

クレージュに迫る何かとの出会い。

これからどうしていくのか…

その違和感は、

 朝から消えなかった。


 



 


 ギルドの掲示板を前にしても、

 クレージュの意識は外に向いている。


(……視線がある)


 誰かに見られている。

 だが、姿はない。


 



 


「……ねえ」


 アーニャが、

 小さく声を落とす。


 


「今日は、

 少し様子がおかしい」


 


「……俺も、

 そう感じてます」


 



 


 周囲の冒険者たちは、

 いつも通りだ。


 笑い声。

 依頼の話。

 昨日と何も変わらない。


 


 ――それが、逆に不自然だった。


 



 


「外に出よう」


 


 アーニャの判断は早かった。


 


「人が多い場所は、

 隠れられる」


 



 


 二人は、

 街の外れへ向かう。


 


 石壁を抜け、

 草原へ続く小道。


 



 


 そこで――

 気配が、はっきりと形を持った。


 



 


「……止まれ」


 


 低く、

 抑えた声。


 



 


 道の先に、

 二人の人影が立っていた。


 


 黒衣。

 軽装だが、隙がない。


 



 


「通行止めか?」


 


 アーニャが、

 短く言う。


 



 


「いいや」


 


 男は、

 淡々と答えた。


 


「君たちに、

 用がある」


 



 


 クレージュの胸が、

 強く鳴った。


 


(……この感じ)


 


 六彩が、

 微かにざわめく。


 



 


「名乗れ」


 


 アーニャの声が、

 低くなる。


 



 


「――名は必要ない」


 


 男は、

 一歩前に出た。


 


「我々は、

 “回収者”だ」


 



 


 その言葉は、

 静かに告げられた。


 


 だが――

 空気が、凍る。


 



 


「対象は――」


 


 男の視線が、

 クレージュに向く。


 


「君だ」


 



 


 アーニャが、

 即座に前に出た。


 


「理由は?」


 



 


「君は、

 危険だ」


 


 即答だった。


 



 


「魔力が不安定」


 


「属性反応が異常」


 


「そして――」


 



 


 男は、

 言葉を区切る。


 


「制御されていない」


 



 


 クレージュは、

 歯を食いしばった。


 


「……俺は、

 何も壊していない」


 



 


「今はな」


 


 男の声は、

 感情を含まない。


 


「だが、

 過去の事例では――」


 



 


 そこで、

 アーニャが割って入る。


 


「“過去”で、

 未来を決めるの?」


 



 


 一瞬。


 男の視線が、

 彼女に向いた。


 



 


「それが、

 最も犠牲が少ない」


 



 


 クレージュは、

 一歩前に出た。


 


「……連れていくなら、

 理由を全部話してからにしてください」


 



 


 男は、

 少しだけ考える。


 



 


「――君は、

 六彩だ」


 



 


 その言葉は、

 静かだった。


 


 だが、

 クレージュの世界を揺らすには、

 十分だった。


 



 


「六つの属性を持つ存在は、

 世界に歪みを生む」


 


「管理されなければ、

 災厄になる」


 



 


 クレージュは、

 拳を握る。


 


「……だから、

 閉じ込めるんですか」


 



 


「保護だ」


 


 訂正するように、

 男は言った。


 


「君のためでもある」


 



 


 沈黙。


 



 


 アーニャが、

 低く言った。


 


「……クレージュ」


 



 


 彼は、

 ゆっくりと首を振る。


 


「……行きません」


 



 


 即答だった。


 



 


「俺は、

 選びます」


 


「壊さない方法も、

 守る方法も」


 



 


 男は、

 静かに息を吐いた。


 


「……そうか」


 



 


「では――」


 



 


 男の手が、

 腰の装置に伸びる。


 



 


「次は、

 “強制措置”だ」


 



 


 回収者たちは、

 それ以上踏み込まなかった。


 


 だが――

 はっきりと分かった。


 



 


 もう、逃げられない。


 



 


 二人は、

 しばらく黙って立っていた。


 



 


「……狙われる理由、

 分かりましたか?」


 


 アーニャが、

 小さく尋ねる。


 



 


「……はい」


 


 クレージュは、

 空を見上げる。


 


「でも――」


 



 


 視線を戻す。


 


「だからって、

 選択を奪われる理由にはならない」


 



 


 アーニャは、

 何も言わなかった。


 


 ただ――

 短剣を、

 静かに握り直した。


 


──六彩の少年は、

 ついに“管理される存在”として

 世界に認識された。


 


──だが、

 彼はまだ――

 選択を、手放していない。

お読みいただきありがとうございます。

今年もあと1日です。

今月より始まったこの物語ももう1ヶ月になろうとしています。

来年も応援よろしくお願いいたします。

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