ガードレール
掲載日:2025/10/27
弱いことは悪いのだと
固く信じた春がある
疾しい心は病んでいると
騙されかけた春がある
そこにはじぶんなんて
これっぽっちもいなくて
そうやってじぶんを騙してゆくことが
世界の空気に溺れないための方法論だった
その中で崩れ落ちるまっすぐな正義とか
片腹痛い優しさぶった白い安心とか
ガードレールをおもいっきり蹴飛ばして
あいたたたたた、とか
ホントは涙を止めたくてやってんのに
ガードレールに逆に泣かされてんでやんの
信じられるひとに裏切られた夜だけは
ガードレールを蹴飛ばしてもいいんだよ?
そのかわりはげしく泣くことになるけどね
だれも知らない痛みを味わって、さ
ぶっ壊れた悲しみを計る心より
ともに生きてゆこうと云ってくれた愛が好き
騙されるって言葉、知らない
知りたくないし、ただ愛が好き
砂漠の夢なんて、知らない
みたこともないし、みたくもない
じぶんの悪を認めるのも嫌だし
それはただ嫌だから嫌なだけだとしても
それを嫌だと想うかぎり私はたぶん
悪には染まり切らずに生きていられるだろう
騙されるって言葉、知らない
知りたくないし、ただ愛が好き




