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教会へ
「ミカエラ!」
バタバタと足音が聞こえた瞬間お父様とお母様が部屋に飛び込んできた。
「ああミカエラ、なんてことでしょう。まさかあなたが聖女候補になってしまうなんて」
「私の力も教会には及ばない、すまないミカエラ」
両親からどうしようもないと言われ、自分が聖女候補になってしまったのだということが現実味を帯びてきた。
「ごめんなさい、少し一人にしてほしいわ」
何も考えられずベッドに倒れ込む。
誰も知り合いのいない教会でやっていけるだろうか。
慣れ親しんだこの部屋ともお別れだ。
それから出発までの三週間、家族と別れを惜しんだ
そして出立の朝が来た。
「体に気をつけるのよ」
「家のことは心配せず、いつでも帰ってきなさい」
「はいそれでは、お父様お母様行ってまいります」
馬車が動き始める。ここから王都まで長い道のりだ。