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落語・与太郎の引き揚げ屋

作者: 福地 正実
掲載日:2023/09/02

SF好きなので、全てSFのつもりです。「センス・オブ・ワンダー』が合言葉!

センチメンタルでロマンチックで綺麗なSF小説を目指している。

と思って書いていたが、これはSFじゃねえなと小松左京先生の番組を見て思ったのでこれから自作の小説を『SF』と名乗るをやめることした。


自分が好きなことを、時間も、場所も、設定も、全て無視して書いてゆこう。と思う。


僕たちは恋愛と女性が大好きだから。

そして自分のアイデンティティである沖縄をベースにしたものを描き続けたい。あ、それ以外もあるか。

これは失礼。

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え〜毎度馬鹿馬鹿しいお話をするのが商売となっております。

噺家は口先一つで商売し。などと言われますが、世の中商売は様々あるようでして。通称引き上げ屋、サルベージという商売がございます。遠い昔まだ人間が地球という星に住んでいた頃は、そこにあった海という、大きな水たまりから船。といっても昨今の船ではございませんよ。海の上をぷかぷか浮かんでよその土地へ行くという大変のんびりした移動手段でございます。

まあ、その船が海に沈むことがあったようですな。昨今の船が違う方向へワープする、あるいは座標を間違えて違う場所に激突したり、墜落したりするようなものですな。

その沈んだ船を海から引き揚げるのがサルベージ屋。と言われていたそうです。昨今は異なりますな。これは今でも立派に商売として成り立っております。

先ほど申しました通り、着陸に失敗した船の残骸を回収したり、あるいはお宝を探したりする。まあ、一攫千金も夢ではない商売でございます。


しかし、まあ、我々の話に出てくる、ちょいとばかり頭のネジが緩んだやつでございます。

「おーい。与太、与太郎はどこだ」

「ああ、与太郎なら表でうちの坊と遊んでいるよ」

「まったく、良い歳だっていうのに、うちの坊はまだ三つじゃねえか。おい、与太!与太郎!」

「へ〜〜い。おじさん、なんか用か」

「おれはお前の友達か、お前が遊んでいるっていうから、お前のおっかさんに頼まれておいてやっているんだ。なんだ、お前は。普通は『居候、三杯目はそっと出し』って言って少しは遠慮するもんだ。バカみたいに食いやがって」

「おじさんも、おばさんもオイラのことバカっていうじゃないか、だから食っているんだ。なんだ、飯食うなってか?5杯から下にはまけられなねえ」

「飯の話をしてるじゃねえ。お前、商売をやらねえか」

「めんどくせえのは嫌だな」

「めんどくせえとはなんだ。おじさんの仲間で引き上げ屋をやっている奴がいるんだ。そいつは日頃、チンケな商売をやっていたんだが、この間小惑星帯で1980年代に発射されたロケットの残骸を見つけたんだ」

「なんだ、結局クズ屋と一緒じゃねえな」

「だから、お前がバカだって言われるんだ!それはよ、貴重な歴史遺産としてお上が何十万円で買い上げてくれたそうだ」

「クズ鉄、何トンだ?」

「聞いて驚くな、トンじゃねえぞ。二百グラムだ」

「ええ、すげ〜〜なあ〜、やる、やる。すぐにその小惑星とやらに行こう」

「おお、山っ気はあるんだな。わかった、じゃあ、おじさんが借りてきた星間ロケットがある」

「俺一人で行くのか」

「そうだ。俺も一緒に行ってもいいがそうしたら、半分は俺のだぞ、いや、ロケットも借りたから七三だな」

「七は俺か」

「お前は三の方だ」

「じゃあ、一人で行く!」

そんなわけで与太郎はここガニメデから小惑星を目指しますが、あっちよりこっちより結局、土星軌道まで迷い込んだ挙句半年がかりで小惑星帯に到着します。

その中の一つに着陸した与太郎。まあ、噂を呼んで小惑星は大勢の引き上げ屋で賑わっておりました。一周して15分もかからない小さな星に何百人という人がやってきております。中には地面に足が付かず、そのまま宇宙空間へ投げ出されるものもいる始末。

「なんだかすげー人手だな。みんな一生懸命掘ってやがる」

与太郎は一人、その光景を見ていましたが、やがて。

「おお、おいらも掘らなきゃいけねえんだ。またおじさんにドヤされる」

何も知らない与太郎、そのまま自分が立っていたあたりを掘り始めます。

「おいおい。おめえ、どこ掘ってやがるんでい」

「お宝掘っているんだ」

「なんだあ〜、おめえ。トーシローだな。新入りは端っこ掘りな。ここは俺のショバだ」

「良いじゃあねえか。だいたい端っこたってここは星だぜ、どこが端だかわからなねえ」

「うだうだ、言ってねえでどきな!ここはこのおあ兄さんのシマなんだよ」

とゲンコツを作って見せます。

「わかったよ。おあにいさんさん。橋に行けば良いんだろう」

そう言いながら与太郎。トボトボ歩き始めますが、どこへ行っても誰かがほっております。10分も経たないうちに元の場所へ戻ってきました。

「おあにいさん。また会ったな」

「おお、おめえ、一周してきたのか。どこも空いてなかったか。しょうがねえな。そこんところなら掘っても良いぜ、まあ、そこは昨日他のやつが掘っていたがな」

「おあ兄さんさん。ありがとう。これでおじさんにどやされないで済むよ。一応掘ってみるよ、掘らないで帰るとほら吹きって言われる」

与太郎、持っていたつるはしで掘り始めますが掘っても持っても金目のものは出てきません。

あたりには掘り返した土砂でできた小さな山ができております。

「あ〜〜〜。くたびれた。掘るだけ掘ったからおじさんちへ帰っても怒られないだろう」

そう言いながらその山に座ります。座った尻になにか固いものが当たっております。

「座りにくいな」

座ったあたりを手でかき分けると中から小さなおもちゃの自動車のようなものが出てきました。

「お、誰かが捨てたおもちゃだな。銀色で綺麗だ。お、一丁前にアンテナもついてやがる。さてはラジコンカーってやつだな。ちょうど良いや。これを坊のお土産にして帰ろう」

それをポケットに入れると、さっきのおあにいさんへ挨拶に行きます。

「おあにいさんさん。おいらはつかれたからおじさんちに帰るな。色々ありがとう」

「バカだと思ったが挨拶はできるんだな。ああ、あばよ。所詮素人には無理な商売よ」

腹が減った与太郎。帰りはすんなりと周回軌道にのっておじさんの家へ帰り着きます。

「ただいま」

「おお。与太、けえったか。どうだ収穫はあったか」

「人ばかりで掘るところもなかった」

「そうか。まあ、良い。半年間少しは苦労したか」

「腹が減った。あ、坊のお土産は持ってきた」

与太郎。懐から例のラジコンを出します。

「なんだ。土産?そんなものも売ってたのか」

「いや、拾った。ほら」

「お、見せてみろ、なんだ、ミニカーか、なんか書いてあるぞ。こりゃローマ字ってやつだな。N、A、S、A」

おじさんは笑います。

「こりゃ、お前のことだ。これをただのおもちゃだと思っている、おめえがNASAけねえな〜」


お後がよろしいようで。この後は真打の登場でございます。

いかがでしょうか。面白くても面白くなくても評価いただければと思います。

誹謗、中傷、なんでも来い!なんてね。

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