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最強のおっさん魔術師、自分探しの旅をする  作者: 陽山純樹
第二章

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包囲戦

 俺の放った火球に対し、魔物の軍勢はすかさず反応した……のだが、それは魔法が現れた方向を向き直り警戒した程度。数は多いし厄介この上ないわけだが、個々の能力は決して高いとは言えない……そして魔法が直撃する。炎が弾け拡散し、魔物の体を一気に焼いていく。


 俺はその光景を見て、ルードへ魔物の能力について連絡をする。結論から言えば、騎士でも連携さえできれば戦える……そういう意味合いのことを伝えた直後、どこからか笛の音が聞こえてきた。


「始まるな」


 横にいるニックからコメント。その言葉の直後、ドドドド……という重い音が。それは騎馬隊が魔物の軍勢へ突っ込んでいく音だ。


「俺達も続いた方がよさそうだけど……」


 魔法は直撃したのだが、雑木林にいる俺達の所まで魔物は来ない。そればかりか、こちらを警戒する個体はいるのだが、それ以上のことはしてこない。

 むしろ向かってくることを想定して騎士とか随伴しているんだけど……あくまで優先すべきなのは移動、ということだろうか。


 なら俺達は……と、考えていた時、とうとう騎馬隊が魔物の軍勢と接触した。派手な音が聞こえ、魔物達もようやくそこで応戦を始める。多数のオークやゴブリンが応じようとするが、さすがに騎馬隊の突撃には負け、跳ね飛ばされる個体まで出ていた。

 そこで、どうやら方針が転換したらしく――俺達のいる雑木林を注視していた個体が、こちらへ向かってきた。


「中軍にいる魔族が命令の全てを握っているみたいだな」


 俺は結論を述べた後、杖を構えながら雑木林を出た。仲間や騎士達もそれに続き――魔物側で先陣を切ったのはゴブリン。俺はそれに雷撃を放ち……見事撃ち抜いて滅することに成功する。


「どうする? 魔法で迎撃してもいいが」


 と、仲間に問い掛けるとニックが俺よりも前に出た。


「いや、ここは任せっぱなしは悪い……というわけで、戦うぞ!」


 ニックは自身の仲間に号令を掛けると、突撃を開始した。それに応じるように魔物も突撃を敢行する……その時、ニックの体に変化が。武装している剣だけではなく、全身から魔力を発してその気配が濃密となった。


 ――次の瞬間、ニックは豪快に剣を振りかぶり、一閃した。全身から発した魔力が刀身へ乗ると、斬撃が魔力の刃となって剣先から離れ、飛び道具となって魔物へ直撃する。その威力は最前線にいた魔物を両断するばかりでなく、奥にいる個体をも巻き込み……いや、列を成し密集しているところまで到達して魔物を一気に滅ぼした。


「相変わらずだな、ニック」

「まあな」


 大味な戦いぶりに俺はコメントしたのだが、彼はニヤリと笑うだけ。


「ダンジョンではもうちょっと気を遣うぞ? さすがに、大暴れしてダンジョンが壊れたら洒落にならないからな」


 彼が応じる間にも、彼の仲間が魔法などによって魔物を倒していく。その動きは派手さはないにしろ、的確でニックの援護をしている、という印象を与えてくる。

 うん、ニック達の心配はいらない……と、俺がさらなる魔法を発動するより先にアルザが動いた。目前にまで迫っていたオーク相手に剣を振り、敵を剣ごと両断することに成功する。


「ディアス、武器は魔力だね」


 と、アルザがコメント。うん、そこは俺も気付いていた……魔物の装備は実物ではなく魔力で作られたものだ。魔物の魔力ではなく、ダンジョンに隠れていたのなら、そのダンジョンの魔力を利用して用意された物だろう。

 となれば、やはり相当な時間を掛けて準備をしていたのだと想像できる。魔王の配下ではなく魔族の誰か……魔王が滅んだことに乗じて動き出したか、あるいは復讐のために動いているのか。


 魔物の軍勢へ向け、四方から騎馬隊が続々と突撃していく。俺はここで遠視の魔法を使い戦場を観察する。魔物達は迎撃を開始しようと動いていたが、騎士達の突撃は相当威力が高く、敵側は圧倒されている状況だ。この調子なら、一気に勝利できそうではあるが……と、ここで魔物達の動きに変化が。突如密集を始め、なおかつ円形に固まり始める。

 どうやら命令をする魔族を中心に、守りを固める様子。進軍は一旦中断して、攻め寄せてくる騎士達を始末しようという算段のようだ。


 味方側はその動きに対し一度馬を止めた。魔物達が密になり突破が難しいとなると、騎馬の動きが止まるってしまう可能性もある。よって無理な突撃は控え、槍などによる攻撃に切り替えた。

 敵の動きは止めることができたので、後は徐々に包囲を狭めつつ魔法などで攻撃すればいい……というわけで俺は雷撃を放った。それは密集する魔物に直撃すると結構内側にまで魔法が届き……多くの魔物が死滅する。


 固まれば当然、魔法による攻撃が有効になる。魔族側としては戦術的に劣勢であることは間違いない。できれば相手が右往左往している間に決着をつけたいところだが……さすがにそれは難しいようで、魔物は再び動きを変化させた。


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