表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強のおっさん魔術師、自分探しの旅をする  作者: 陽山純樹
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/487

深層へ

 翌朝、俺達は日の出直後に起床して支度をした。そしてダンジョン入口へ向かうと、丁度入ろうとしているニックの姿があった。


「お、そっちも準備万端か」


 彼は俺達のことを見てニヤリとなる。俺達が本格的に攻略を開始しようとしているのを理解しているようだ。


「ま、頑張ろうぜ」

「……確認だが、ニック」

「ああ、どうした?」

「今日で勝負を決めるつもりか?」


 昨日と同じように問い掛ける。それに対しニックは笑みを浮かべ、


「第八層からは魔物も多い。さすがにこれまでのように順調にはいかないだろ」


 ……その言葉はどうやら本音らしい。とはいえ、顔には自信が満ちあふれている。

 俺達が本格的に攻略を開始する……こちらがどういう情報を得たのか知らないにしても、俺が動き出すということでニックは相応に警戒しているようだった。なら、多少無茶をしても……そんな予感がひしひしとする。


 俺達はダンジョンへと入り転移ゲートで移動する。向こうは攻略済みの一番進んでいる場所だろうけど、俺達が赴くのは第四層にある森だ。

 俺達はそこから少し急ぎ足で魔族レーテの下へと向かう。程なくして合流した俺達は、すぐさまどう立ち回るのかを説明する。


「このままレーテを連れて行動する場合、他の冒険者と遭遇するのは面倒なことになりかねない。だから、隠し通路を経由して一気に下まで移動する」

「ここでレーテの通路を発見できる能力が役に立つと」


 アルザの言葉に俺は「そうだ」と頷き、


「第八層……第九層……と移動できたら最下層までもうすぐだ。問題はその道中にいる魔物。俺達は勝負をしているわけだし、勝つために多少リスクをとっても最下層へ向かうが……危なければ隠し通路へ逃れて一時避難をする」


 俺の言葉に一同頷く。


「それじゃあ早速行動を開始しよう。レーテ、ここからは一番近い隠し通路は?」

「こっち」


 レーテは指を差しながら俺達を案内する。かくして、ダンジョン攻略が始まった。






 俺達はそこから隠し通路を経由して、どんどん下層へと下りていく。通路は比較的簡単に見つかり、なおかつ同業者と遭遇することもなく……あっさりと第八層まで到達した。

 そこは第一層と同じように神殿造りの場所。ただ迷路のようになっているらしく、天井はやや低く通路も狭め。複雑な経路により侵入者を混乱させるのが目的だろうか。


 ちなみに第九層についてレーテへ尋ねると、


「下の階層も同じような見た目と構造をしているけど……」

「この状況で異界化が進めば、誰もわからない迷路になってしまうな」


 レーテの言葉に俺はそう呟きつつ、先へ進むよう仲間へ促す。

 その直後だった――俺達の目の前に魔物が出現する。見た目としては剣と盾を持った狼男のような出で立ち……なんだか弱そうにも見えるのだが、体の内に秘める魔力は、ずいぶんと大きい。


 即座に戦闘態勢に入った俺達へ向け、狼男は迷わず突き進んできた。同時、後続から同様の姿をした魔物が現れて襲い掛かってくる……それに応戦したのは、アルザだった。

 彼女が抜き放った剣と狼男の剣が激突した。ギィン! と甲高い音を上げた両者の剣だったが、退魔の力を持つアルザが勝った――狼男の剣は、容易く砕かれた。


 だが、魔物は破壊された剣でなおアルザへ突撃しようとする……が、そこへ俺の雷撃が放たれた。それは狼男の胸部へ突き刺さり――倒れ伏し、消滅する。

 そこへ二体目が突撃してくる。俺は即座に魔法を放とうとしたのだが、それよりも先にアルザが前に出た。相手の斬撃が来るよりも先に懐へ入り込み、退魔の一撃が、魔物の体を抉った。


 それが決定打となり、二体目の魔物も見事消滅する……なかなかの力を持つ魔物ではあったが、俺達を苦戦させるほどでないのは間違いなさそうだ。


「ミリア、レーテの護衛を頼む」

「わかったけれど……ディアスはいいの?」

「リスクはあるけど、さすがに彼女と俺、どちらを守るかと言ったら当然レーテだろう」

「ごめんなさい……」


 足手まといであるのを理解し、謝罪するが……俺は首を左右に振る。


「このくらい問題ないさ。よし、アルザ。先へ進むぞ」

「方向とかはどうするの?」

「とりあえず第九層へ繋がる道を探す。道中の魔物については全部倒すけど――」


 その時、遠くで爆発音が聞こえた。この階層で戦っている人間がいる。


「たぶんニックだな……第九層への道を探しているところかな」


 魔法による轟音が幾度となく響く。かなり派手にやっているようだな。


「うん、勢いに任せて第九層へ踏み込む気だな、あれ」

「なら、急がないと」

「そうだな……アルザ、退魔の力……その能力が疲労などで使いにくくなったらすぐに言ってくれ」

「わかった……とにかく通路を見つけないといけないけど――」

「レーテ、近しい隠し通路はわかるか?」

「おぼろげに方向だけは」

「距離があるってことか。よし、とにかく急ぐとしようか」


 その言葉と共に、俺達は第八層のダンジョン内を歩き始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ