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最強のおっさん魔術師、自分探しの旅をする  作者: 陽山純樹
第二章

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探索方法

 テントはあっさりと見つかり、必要経費ということで購入する。そして俺とアルザは慣れた手つきで組み立て、眠れる場所ができた。


「手際がいいわね」

「野営するのには慣れているしな」

「色々な戦いで、手伝わされたよね」


 国と共に戦う場合、野営の際に手伝わされることも多かった。人手不足とか、あるいは一緒に戦っているんだからとか色々な理由をつけて。国側としては結構高い報酬を支払っているのだから、少しは手伝ってくれ……みたいな感じだったと思う。

 それに何か思わないことはなかったけど、一緒に戦う者達同士、友好を深めるという意味合いでも手伝いはした。結果、なんだか色々とスキルを得た。


 で、俺達は天幕の中で囲むようにして座り話を始める。


「さて、ミリア、アルザ。ダンジョンの状況とかはおおよそ理解した上で攻略する場合、どうするか……何か案はあるか?」

「ちなみにディアスはあるの?」


 アルザが疑問をぶつけてきた。


「ああ、もちろん。この中だとダンジョン攻略、という観点から言えば俺が一番だけど……ミリアは魔族でダンジョンの主だった経験もあるし、アルザは踏破したことがないにしても、何か気付いたことがあるかもしれない。よって、意見を突き合わせて決めたい」

「そっか。といっても私の方は特にないかなあ」

「ならミリアは?」

「……迷宮の主だと言っても、あの迷宮は再利用しただけだから、十年経過したダンジョンなんてものは想像がつかないわね」

「……現時点で得られた情報の中で、気になることとかは?」

「今のところは何も。けれど同じ魔族だからこそ、迷宮内で何か気付けるかもしれない」

「ならそこに期待だな……で、だ。俺としては一層目から見て回りたいと思っているんだが、どうだ?」

「……何で?」


 アルザが首を傾げながら問い返してきた。


「ダンジョンは五層目まで攻略したと言っていたけど……」

「ああ。でも上層の方に下層攻略の鍵とか眠っているかもしれない。ほら、魔族がいるという話もあるだろ? そういう存在を見つけて話を聞くことができれば、下層の情報を得た上で攻略できる可能性もある」

「……ニックとの勝負はいいの?」

「ダンジョンの難易度から考えて、さすがに一日二日でニックが攻略するとは考えにくい。それに彼だって数日くらいはダンジョン内の状況を探るくらいに留めるだろうし」


 ……その辺り、俺はよく知っていた。なぜなら魔族と戦うなどの際に顔を合わせると、雑談で彼はダンジョン攻略のことについて話をすることがあったためだ。


「向こうだって、俺達がいきなり下層を目指して猪突猛進するとは思っていないさ……だからまずは情報を得るためにダンジョンを探索する。現地へ赴かないとわからない事実とかがあるため、実際に歩いて調べるわけだ。ニックの場合は未踏破の場所を慎重に、かつゆっくりと調べるはず」

「それに対しディアスは、上層からの攻略をすると」

「その通り。多少なりとも時間は掛かるかもしれないが……競争とはいえ、無茶はできない。相手はダンジョン……しかも、かなり手強いダンジョンだからな」


 アルザとミリアはゴクリと唾を飲み込みつつ、俺の話を聞く。


「初日、二日目くらいは魔力に余裕があっても少し疲労したら戻るくらいの心づもりでいこう。場合によっては瘴気などが広がっているケースもある。ダンジョン内の空気感になれるということも必要だ」

「ずいぶんと足場を固めるね」


 アルザが感想を述べると、俺は彼女と視線を合わせ、


「そういうことがダンジョン攻略では重要だからな。当たり前のことを積み重ね、無理はしない……まあ今回は競争という要素がある以上、体を慣らし終わったら気合いを入れ直して動くからな」

「わかったわ」

「了解」


 ミリアとアルザは同意し、話は終了。そんな折、アルザはあることを尋ねてきた。


「ディアスはニックと親交深かったっけ?」

「深い、と断言できるかどうかは微妙だなあ……魔物や魔族を倒す戦士団とは違って、ニックは割と自由に動き回っていたからな……そういう立ち位置を面白そうだなと思ったことはあるけど」

「そっか」

「アルザはどうだ?」

「あんまり印象はないかなあ」

「一匹狼と冒険者じゃあ、さすがに接点は生まれないか」

「そうだね……なら、魔王との戦いではどんな感じだった?」


 それはたぶん世間話くらいのつもりだったのだろう。あるいはアルザなりに、競争相手であるニックのことを知りたかったのかもしれない。

 俺としては……まあ喋ってもいいか、と思いあるエピソードを語ることにした。


「なら、魔王との戦いの前……その小話を一つ」

「お、話して話して」


 興味津々のアルザ。ミリアもまたこちらへ視線を向けてくるため、俺は二人へ言い聞かせるように、


「といっても、ニックと俺だけじゃなくて、他の英傑もいたんだけど……あれはそう、魔王との決戦、その前日のことだった――」


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