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最強のおっさん魔術師、自分探しの旅をする  作者: 陽山純樹
第六章

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大会について

 ――食事の後、俺達は宿へ戻り一日が終了。翌日はミリアが早速カトレアの所へ向かい、アルザも早々に宿を出たため俺はどうしようか悩んでいた。


「ギルドで情報収集でもするかなあ」


 アルザが戦う相手について調べるとして……調査ができるのは当然冒険者ギルドだろう。


 予選まで残り数日しかないのだが、出場者の募集なんかはまだ締め切られていないというのを考えると、まだまだマークしておくべき人間は増えそうな気配だけど……というか、予選の方法はどんなものだ? ギリギリまで募集するということは、トーナメント表を作成して勝ち残った人間というわけではないだろう。


「その辺りも調べてみるかあ」


 というわけで、俺は大会についてまず調べることに。ただ道中、幾度か声を掛けられる。


「よおディアスじゃないか。久しぶりだな」


 そんなお決まりのセリフと共に近寄ってきて会話をする……大体が観客としてやってきたみたいだが、中には予選に出るという人もいる。


「予選というのはどういう形式なんだ?」


 俺がそうした一人へ問い掛けると男性は、


「予選は一次予選と二次予選に分けられる。一次では国が作成した使い魔……というか騎士を模した存在と戦う」

「へえ、そんなのがあるのか」

「たぶん魔法で作成したゴーレムとかだな。毎回敵の種類は変わるから対策は難しく、情報公開もされない」


 なるほど、まずは国側が敵を作って足切りをするわけか。


「で、二次予選では本格的に参加者同士が戦う……どういう方式なのかは一次予選を勝ち上がった人数によって決まるから今はどうとも言えないな。ただ、あまり強者同士は予選で当たらないようになっているという噂がある」

「強い者達は本戦にまでいってもらわないと……ってことか?」

「強者同士のぶつかり合いは本戦でやってもらわないと、観客としても満足できないだろうからな」


 なるほど……確かに「予選で戦った二人が無茶苦茶強くて事実上の決勝戦でした」みたいなのはしらける要因にもなるよな。


「で、それを突破することで晴れて本戦に出場するわけだが……冒険者ギルドなどの推薦によって、予選をパスする人間もいる」

「……ヴィルマーなんかはその例かな?」


 なんとなく疑問を告げると、男性は首を左右に振った。


「実力というわけじゃなくて、単純に国など公的な機関のお抱え戦士とかだな。そういう枠を作っておかないと、納得いかない輩とかがいるらしいな」

「面倒だな……」


 国も何かしらしがらみがあるってことなのかな?


「それなりに功績のある人間同士は基本予選とかでは当たらないし、ディアスが出場する場合は本戦までいけるだろ」

「俺は出場するつもりはないぞ」


 ――そんなやりとりをしつつ情報を得ていく。思えば闘技大会には出るにしても俺達は情報がなさすぎたな。これがダンジョン攻略とかだったら、危ないことになっていた。

 そして俺は主立った出場者について調べることにしたのだが……ギルドで調べるだけでも、結構名が知られている人物がいた。


「ヴィルマー以外にも強敵揃いだな」


 とはいえ、果たしてどれだけの人間が予選から勝ち上がるのか……で、知り得た戦士の名前だけでも調べるとしたら無茶苦茶大変だな、これは。

 それに、対策云々を見つけ出したとしてもいちいち戦い方を習得するのは無理だろう。うん、さすがに全員を調べ上げても意味はなさそうだし、特に注意すべきと思った人物だけをピックアップしていこう。


 そんなことを考えつつ調べものに没頭していると……視線に気付いた。誰だろう、と思ってそちらを見てみると、


「やあ」


 エリオットであった。そしてこちらが何を言いたいのか理解したらしく彼は苦笑し、


「ここは冒険者ギルドだろう? 僕がいるのは当然じゃないか?」

「……ああ、そうだな」


 ちょっと神経過敏になっていたかもしれない……と思っていたら、


「ただここに来たのはディアスがいると知っていたから、という意味合いはある」

「……なぜ知ったんだ?」

「人に話し掛けられているだろ? 動向を探るくらいはそんなに難しくないさ」


 そう言われると、そうか……と理解しつつも、ではなぜ俺の所に来たのかという疑問がつきまとうのだが、


「話をした後、少しばかりディアスの旅について調べたんだけどね……戦士団を脱けてまで色々動いているとは思わなかったし、なおかつアルザといった元英傑まで仲間に引き入れているとはね」


 ……別に隠し立てしているわけじゃないし、色んな所から人が集まっているから知ることは可能か。さて、俺達のことを知ってエリオットはどう出るのか。これまた面倒そうだなと思いつつ彼のことを注視していると、相手はさらに話を続けた。


「ああ心配しないでくれ。ディアスが考えはわかっているし戦士団に勧誘するつもりはない……が、ちょっとばかり取引をしないか?」

「取引?」


 聞き返す俺にエリオットは「そうだ」と返事をして、話を進めた。



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