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妖神学園  作者: 織優幸灔
一年生
17/201

17 新学期

「さて、新学期もスタートした一日目の初日ですけど」

「先生日本語が変です」


 そこは新学期のスタート初日、新学期の一日目でいいはずだ。

 そんなに組み合わせる必要はない。


 右腕を首から吊るした月火と玄智、松葉杖の炎夏、額に包帯を巻いた火光、唯一まともな結月ゆづき


「そんなことはどうでもいいんだけど。先に何があったか結月に説明しようか」

「あの、そのことに関しては情報部の係長さん? から聞きました。まだ日の浅い私が近くにいなかったって泣かれて……」

「あーうん、波賀なみがはすぐ泣くからね。鬱陶しいよ」


 火光の罵倒に結月が顔を引きつらせていると晦が顔を出した。


「火光先生、火音先生は?」

「知らないけど」

「なんか休むって連絡きたよ」

「珍しい」


 理由を知っている月火が黙っていると炎夏に肩を叩かれた。


「知ってるだろ」

「火音先生の名誉のために黙っておきます」


 精神的な事情で休むとなれば確実に火光のからかいの餌食となるだろう。さすがに可哀想なので黙っておく。


 最近、共鳴の影響か知らないが火音の思考が伝わってくることがある。

 逆に月火の思考が伝わることもあるようで鬱陶しいと言われた。その返事に火光を使ったら今日の結果に至ったと言うだけだ。

 名前だけなのに凄い効果だと実感した。


「大丈夫かしら……」

「晦って下の名前なんていう?」

「え!? 知らなかったんですか!?」


 火光が学生の頃から担任をしていたのに知らなかったというのか。

 晦が破顔すると火光は平然と頷いた。


「ち、知紗(ちさ)ですけど……」

「やっぱり? へぇ」

「え!? 何ですか!?」


 嫌な笑みを浮かべる火光は笑って誤魔化すと遠い目をした。

 月火は晦の手を引くと耳元で何かを囁いた。


 晦は顔を赤くしながら全力で否定し、逃げるように教室を去って行った。


 火光は月火を見下ろす。


「何言ったの?」

「なんでもありませんよ」


 まったく、罪な男だ。


 月火は何度も聞いてくる火光をしつこいと一蹴するとけらけらと笑った。

Happy birthday 火音・月火・緋紗寧

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