身分差ラブストーリー
「ジリジリジリジリー!」
携帯のアラームがうるさい。俺は寝ぼけながらもスヌーズにする。
「ふぁぁっ…!んーんっ…!まだ眠いけど起きねーと…」いつものように眼鏡をかけ、ベットから降りそうとするが
何かいつもと違う。ずっしりとした腹の上に違和感がある。
俺は今この現状を一生懸命理解しようとする。
俺の腹の上に女の子が寝ている。
なぜ?分からない。
昨日あったことを思い出そうと記憶のロープをたぐってみるが、何も思い出せない。
「マジでなんでいんの…!?」
「スースー」と気持ちよさそうな寝息を立て眠っている。俺は首を起こす。改めて俺は驚いた。
来ている服が、現代のものでは無いからだ。
「十二単…!?十二単なんで着てるか分からないけど明らかにタイムスリップしてきてるよね…?」
馬鹿な俺でもわかった。現代にこんな豪華な十二単着てる人いないし。
俺は日本史ならそれなりに得意なので昔の装束とかには興味がある。
「颯馬ー?起きなさーい!」下から母の声が聞こえる。「う…うん!」母に聞こえるように返事をしたつもりだったが、聞こえていなかったのか、「颯馬ー?まだ寝てるの〜?遅刻するわよー?」とさっきより少し大きな声で言ってくる。「分かってるってー!」
と大きな声で俺も返す。今度は俺の声が聞こえたのか、何も言わなくなった。
学校も大事だが、まずこの現状をどうにか理解しようとする。
「誰だよ…この子…それに、なんで俺の腹の上で寝てんの…」俺は腹の上で寝ているこの子をそっと見つめるしかなかった。
いつ起きるのかも分からない。ただ、ただ見つめるしか無かった。起きて欲しいような起きて欲しくないような、複雑な感情に駆られていた。