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第67話 誘拐

「お帰り。あれ?リコさんは?」

「攫われた」

「え…どういうことにゃ…攫われたってどういうことにゃ!」


フユが俺の胸グラを掴み揺さぶる。


「フユさん、落ちいついて。1番落ち込んでるのはリュー自身だから」

「俺は…なんのために稽古を受けてたんだよ…クソが!」


あんな場所でゆっくりせず帰ってきていれば、俺がもっと警戒していれば…今考えても仕方ない。

俺は今までの出来事を話した。


「急に襲って来たんですか?」

「ああ、俺が気配を感じた頃には目視出来る程度には近づかれてた」

「気配遮断系の魔法だね。夜ならリコさんの索敵に引っかかってるはずだけど昼間だからね仕方ないよ」

「これからどうするにゃ?」

「助けに行くに決まってるだろ」

「どうやって行くんですか?攫われた場所は分かるんですか?」

「それは…!」


天井から降って来たナイフ。何度か見たことあるナイフには紙は巻き付けられていた。


『リコ様は王都に』


そう書かれた紙が降って来た。


「まあ、当然だよね」

「1領主の娘を連れ出すわけだから護衛くらい普通にゃ」

「気配は消せてもその魔力でバレてしまいますからね」


場所がわかればあとは簡単だ。


「それでリューどうする…っていないにゃ」

「僕たちも追いかけようか。まあ、リューのもう一つの能力があれば単騎突破は簡単だと思うけどね」

「急ぎましょう!ご主人様に追いつけなくなっちゃいますよ!」


「なに騒いでんだ」

「実は…」


「ほう、面白いことになってんな」

「ナイト様。人の不幸で喜ばないでください」

「別に喜んでないが…まあ王都でなにか起こってるのは確実だ。魔力の反応がおかしい」

「王都でなにが起こってるんでしょう…」



「貴方達は…一体誰なんですか」


怖い気持ちを押し殺して精一杯に睨む。腕には金属の封魔具がつけられて身動きが取れない。


「貴様には関係ない。貴様はただ触媒として働いて貰えばあの男のもとへ帰してやる」

「金の兄貴も結構キツイっすねー。触媒なんかに使ったら魔力が暴走して終わった時には廃人っすよ」


金色の人に対して灰色の髪の人が茶々を入れる。

魔力が暴走するほどの魔法なんて聞いたことない。ナイト・コアが使う魔法なら有り得るかもしれない。

けどそれを使った所でなにも得るものはない。

その魔法が使えるわけでも、強くなるわけじゃない。


ならどうして。


「そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫っすよ」

「…触らないで」

「うわぁ…つれないな…彼には顔赤くして乙女の顔してたのに…」


それはリューさんだからであって、今日最悪の出会い方をした人にそんな顔するわけないじゃないですか。

……リューさん…来てくれるでしょうか…


「灰色、構ってないで仕事をしろ」

「えーせっかく若い子連れて来たんすから話ぐらいさせて…おっと危ない」

「灰色…?若い子だから話すの?なに?あたしじゃ不満なの?」

「いや、そんなことないっすよ?赤のねぇさんはその…色っぽいから!美人系ですから!」


灰色の人からすれば私は可愛い系らしい。変な人に言われてもまったく嬉しくない。


「そもそも、僕の仕事はもう終わってるんすよ。あとはこの子を使って魔法陣を起動するだけっす」

「お願いします。助けてください」

「こんな可愛い子に言われるなら悪い気はしないっすね」


この人なら籠絡できる気がする。


「ダメだよ灰色さん。その子の言葉に耳を貸しちゃ」

「白色の兄貴、でもこの子可愛くないっすか?」

「たしかに美形ではある。けどその子は()()から攫ってきた子だろう?」


龍輝…たしかリューさんの本名…なんでこの人はリューさんの名前を知ってるの?

なんで親しそうに名前を呼ぶの?

貴方はリューさんのなんなの?


「不思議そうな顔してるね。簡単な話さ。ぼくと龍輝は生まれた世界が一緒なだけ」

「つまり…」

「そうだからね?」


バンッ!という破裂音がしたかと思えば私の髪の先端を焦がした。


「こういうこの世界にはない武器も持っている。そしてそれを量産できる。この世界に来て貰った能力さ」

「白色、あまり触媒にペラペラと喋るな」

「貴方達はその武器で戦争でもする気なの?」

「戦争?はっ!戦争にはならない。我々の圧勝で終わる!この兵器を前に戦える兵などいない!」


勝てるわけがないと思う。けど、勝てそうな人は私は1人知っている。

リューさんという私の騎士(ナイト)ならできる気がする。


「灰色、最終準備だ。結界を発動する」

「了解っす。赤の姉さんもいいっすね」

「ええ、いいわよ」


「それじゃあ…『多重結界、神格、魔力、魔剣の使用を禁ず』っと。これで王都内で魔法を使うことは出来ないっすよ」

「王城へと侵攻する!」

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