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第38話 旅の準備だ!

最強の剣士、ナイト・コア

その強さは異常の一言に尽きる。

魔法を使えば、街一つを消しとばし、本気で殺そうとすれば、国一つは一晩で滅ぶという。


「聞けば聞くほど滅茶苦茶だな」

「それほど強者ということだよ。それでも挑むのかい?」

「ああ、最強というものを知っておきたい」


しかし、会える可能性があるのはコロシアムという場所だという。

トーナメント戦で勝ち抜きで上がっていく。

運が悪ければ初戦敗退。

運が良ければ決勝までトントン拍子でいける。


敗退=死亡

それがコロシアムでのルール。

勝者が絶対に弱肉強食だそうだ。


「あのご主人様?そんなににやけてどうしたんですか?」

「今から楽しみだ。殺す殺されるのコロシアム…へへへ」

「リコ、メイ。こいつはこういう世界で生きてきた人間にゃ。そう簡単に信じちゃだめにゃ」

「あははは…」


同じ仲間だというのに酷い言いようである。


ドラゴンの住処から宝を掃除してギルドに届けた。


「これどうしたんですか?まさか盗んで…」

「盗んだわけじゃないって」

「ではどこから…失礼しました。冒険者の方にそういった狩場の情報を聞き出すのは野暮でしたね」

「大丈夫だ。ドラゴンの住処から持ってきただけだから」

「え…あ、そうですか。わかりました」


受付の人は考えるのを止めたようだ。

ドラゴンと喋ってること自体、親しみがないから仕方ないな。

無駄にデカくて態度もでかいくらいで害はないのに。


「あの、ドラゴンの巣から物を持ってきても問題ってないんですか?」

「基本的には問題ないですね。もし人の物だとしてもその人はもう亡くなっているでしょうから問題はありませんよ」

「なにをそんなに気にしてるんだよ」

「そのまだ日本にいた頃の感覚が残ってまして…」

「そんなもんとっとと…」

「その感覚は大事にゃ。この無感情男みたいになっちゃだめにゃ」


この猫娘め…猫じゃらしで大喜びするくせに。

そういう可愛いところもあるんだから厄介である。


ギルドで換金してもらい、全部で金貨30枚。

価値が不明な物や、その場での判断が難しい物を除いた結果この金額だそうだ。

不明な物は後日、使い魔で金額を知らせた後王都に来た時に受け取ることができるという。


「馬車の仕様は完全に任せるがいいか?」

「はい。お任せください」


馬車などを扱う店に来たが俺にはさっぱりだし俺は最悪移動出来ればいい。

馬車に屋根があろうが、なかろうがどっちでも良い。


「天幕はあった方が良いんですかね?」

「うーん。あった方がいいとは思うけど布を被せる分人を乗せる台は狭いね」

「それでも雨の時でも動けるからあった方がいいにゃ。ヴァイスとかシルフィードは海沿いで雨が多いから」

「天幕があったらご主人様が飛び出せないんじゃ…」

「リューにはちゃんと出口から出て貰えばいいいにゃ。そもそも、天幕がないからって飛び出すのは馬鹿にゃ」


ははは。

俺の悪口が聞こえた気がするが気のせいだろう。

あの猫娘はあとで尻尾掴んでやろう。


悩みに悩んだ結果、天幕有の馬車にしたようだった。

金額は金貨20枚。


「私ってこの馬車と同じだけのお金がかかってるんですよね…」

「ああ、まあそうだな」

「それなのに役立たずでごめんなさい…」

「謝ることはない。何度も言うが、俺が欲しくてパーティに入れたんだ」


俺は自由主義者だからな。

パーティを抜けたいというなら好きにすればいいし、敵になるというなら容赦はしない。

俺が自由であるならばその自由はメンバーにも当てはまることだ。


「で、出発はいつだ?」

「今から行っても途中の村に着くかどうかだから、明日出発にゃ」

「んじゃ、それまで自由行動としますか。あ、メイはギルドで登録するから付いて来い」

「リュー?奴隷にギルド登録させるという意味が分かっているのかい?」

「?さあ?」

「人権を与えるってことだよ。それ即ち、裏切っても逃げても構いませんよという証になるんだよ。主人を殺したからって奴隷用の法が適応するわけじゃなくなるけどいいのかい?」

「構わん。俺は元々、メイは1人の人間として見てる。リコとフユは分かるだろ?」

「はい」「まあ」

「どういうことだい?」

「メイさんの肌をオルディンで見ましたが、奴隷紋がどこにもなかったんです」

「それはまた…珍しいことを」

「だから止めなかったにゃ。奴隷紋がなければギルドへの加盟は可能にゃ」


それに加え、メイの強さも知っておきたい。

それによってまた適正が変わってくるかもしれないからな。


各自自由行動となり、俺とメイはギルドへ向かう。


「あのご主人様?なんで私にその奴隷紋?という物をしなかったのですか?」

「しなかったんじゃなくて外したんだ」

「尚更分かりません。あった方が色々と便利じゃないですか?」


奴隷紋とは奴隷につける紋章のことで、主の言うことに逆らえなくなるという制限をつけるのと居場所確認が出来たり、状態を視覚情報として見ることが出来る紋章のことらしい。


「そもそも奴隷紋てな、魔力がないと使えないらしいんだ。だから俺には必要ない」

「そういうことですか…」


そういうことだ。


「こんにちは。本日はどの様なご用件でしょうか?」

「ギルドカードの発行をしたい」

「はい。ではこちらにお名前をご記入ください」


メイはペンを受け取ると名前の欄にメイと書いた。


「漢字じゃ書かないのか?」

「はい。折角ご主人様から頂いた権利ですから」


そういうとメイは優しそうに笑った。


「お、おう。まあ好きにすればいい」

「では能力検査を行いますのでこちらへ。こちらにお手を置いてください。しばらくしますとメイ様の能力が出ますので合図までお手はそのままでお願いします」

「は、はい!」


名前:メイ

職種:弓兵

筋力:D

耐久:F

俊敏:B

魔力:F

幸運:A

知力:B


「どうだ結果は?」

相変わらず俺が読むことが出来ない。

「えっと…多分悪いです」

「俺のここの枠とメイのここの枠が同じ文字だな」

「ご主人様…戦闘に特化しすぎてませんか?筋力とか俊敏が高い代わりに幸運とか知力が私より低いなんて…」

「強ければいいんだよ、俺は。俺より高いもので俺を支えてくれ」

「仕方のないご主人様ですね」

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