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第31話 火山攻略して孤児院に連れてかれた

ミノタロスの死体をアレンのアイテムボックスにしまって火山をどんどん進んでいく。


「モンスターが少ないな」

「この暑さだからね…モンスターも住みにくいのさ…」


「なんだ、もう全員へばったのか」


俺以外の全員が暑さでへばっていた。


「アレンは上半身裸になれば解決することだろ」

「僕にだって羞恥心くらいあるんだよ?そんなリューみたいに簡単には脱げないよ…」

「これでも魔力で暑さ軽減してるはずなんですけどね…」


これくらいの暑さで動けなくなるなんて情けない。


「なんでご主人様は…平気なんですか」

「俺の時代の東京はこれぐらいの暑さだぞ。所々燃えてるし放射線のせいで防護服着なきゃいけなかったからな」

「この暑さは…いくら亜人でもキツイにゃ…」


この調子じゃリザードマンとの戦いは俺1人だけで戦うことになりそうだな。

っと噂をしていると奥からぞろぞろとお客さんがやってきた。


森で見たリザードマンとは違う色のリザードマンが出てきた。

赤いってことはその土地で変わるのか。


「さっさと倒して帰るぞ」

「ああ、頼んだよ…」


数は3体。一掃も可能な数だ。

そう思って俺は強く踏み込んで一気に距離を詰めた。

しかし、それがいけなかった。


「あちちちち!あっつい!」


真っ正面から突っ込んだせいでリザードマンの吐いた火を直で受けてしまった。

いくら暑さには慣れているとはいえ火を浴びればそりゃ熱い。


「なんだこいつら火吹くぞ!」

「言い忘れてたよ…」

「大事なこと言い忘れるなよ…危うく死ぬところだったぞ」


だがまあ、一回動作を見ていれば大したことない攻撃だ。

幸い、この辺りは暑いだけで溶岩があるわけじゃない。

これなら自由にうごけるし背後も取れる。


「っしゃ!行くぞ!」


火が効かないと勘違いしたリザードマンは普通に迎撃してきた。

だが、普通の盾で俺の刀が防げるわけはない。

盾ごと斬って一体は討伐完了。

あと2体。


2体がかりなら勝てると勘違いしたらしい。

リザードマンはそこそこに馬鹿らしい。

真っ直ぐ向かってくるなんて格好のマトだろ。


すれ違いざまに首を斬り落として完全討伐完了。


他の面子がもう限界が近そうだったからリコは俺が抱えてメイはフユが抱えて急いで降りてきた。

アレン?ああ、男なら自力で帰って来なきゃな。


「はふ〜生き返ります」

「死ぬかと思いました…」

「僕は…死んだのかな…」

「お疲れさん」


ギルドに報告してこの日は自由行動となった。

流石に2回連続で火山内部に行く気は起きなかったみたいだ。


さあて、暇となったわけだが久々の暇が出来たな。

1人で仕事を受けてもいいが、1人だと面倒くさいモンスターがいるから出来るだけ単独行動は控えたいんだよなぁ…本当にどうしようか。


その場でじっとしてても分からないからオルディンの街を歩くとしよう。


この街は火山の麓に位置していて麓にもかかわらずすこし気温が高かったり温泉の影響で湿度が高かったりする。

温泉が主な収入源でそれぞれ効能などがあるらしい。

中には魔法で効能を追加した冒険者向けのものや、肩凝り腰痛などといった日常での利用が目的とされたものもあるらしい。

当然、これらの情報はリコから事前にもらっていた情報です。


ぶらぶら歩いていると案の定、道に迷った。

王都でも若干迷ったからな。


「どこだここ…」


同じような建物があるせいで右も左も分からなくなる。


「ちょ!やめて!触らないで!」


路地を一本抜けると女の怒鳴り声が響いた。

男2人が女を壁際に追い込んで迫っているようだ。


「なあ、ギルドってどっちだ?」

「ああ、邪魔すんじゃね!」

「それともなにか?変な正義感に駆られたか?」


男の方は俺より身長もでかく筋肉もそれなりにある。

腕相撲なら確実に負ける。

だがこっちには刀という個人的最強の武器がある。

負けることはない。

だが、


「いや、ギルドの方向を知りたいんだ」

「ここを真っ直ぐだ絶対に曲がるな」

「お、ありがと」


わざわざ邪魔することもない。

人の趣向はそれぞれだし、俺が口出しすることでもない。

あとは存分にお楽しみくださいな。


「ちょっと!あんたね!か弱い女の子が困ってるんだから助けなさいよ!」

「か弱い?服の下に暗器仕込んでるのに?殺す気満々なやつがか弱い?」

「な!なんでそれを…」

「ああ、お前ら気をつけろ?その女に手を出そうものなら四肢がばらばらになるぞ?」


腹の辺りに刃物が2本と腕にそれぞれ1本ずつ。

足に至ってはスカートの裏に数えるのも大変なくらい仕込んでる。

そして靴にも刃物が仕込まれている。


「そんなに長さないってことは、毒でも仕込んでるのか?」

「ええ、そうよ。私みたいな細くて弱そうな女はこうして襲われ易いからスコルピオンの毒を仕込んでるの」

「で、どうする?これでもまだ襲うのか?」

「なんだよこの女…」「絶対にヒステリックだ…」

「別にヒステリックって言われたことはないけどね」


男達は走り去っていった。

そりゃ、毒は怖いよな。


「あーあ。もう少しでお金が手に入るはずだったのに…」

「結構野蛮な集め方だな」

「仕方ないじゃない。この都市じゃろくに稼げないんだから」

「仕事をすればいいんじゃないか」

「子供達を置いてどうやって?」

「子供達?」

「そ、話すより見てもらった方が早いわ。付いてきて」


言われるがままに女のあとに着いていった。

ギルドとは反対のすこしひらけた場所。

緑に囲まれて硫黄の臭いもなく暑さも少し和らいでいる。


「なんだここ」

「入って」

「説明を…」


「アキ姉おかえり!」「いい子で待ってたよ!」


家の中から数人子供が飛び出してきて女に抱きついた。


「お金が必要なのはこのため。私、孤児院を経営してるから」

「だからってあれは危ないんじゃないか?」

「あれしか方法がないのよ。魔力もそこそこだし、武器なんて振ったことないしモンスターだって見たことないわけじゃないけどこの火山にいるモンスターは私より確実に格上。今私がいなくなったらこの子達は路頭に迷っちゃうからね」


「お兄ちゃんだーれ?」「怖い人?」「その武器見せて」

「こんなのの面倒見てんのかよ…」

「ええ、でも2日程度一緒に居たら可愛く見えてくるわ」

「末期だな」


子供達に完全包囲されそのまま家の中にひきずり込まれた。

俺、今からなにされるの?俺、お金持ってないぞ。

全部リコ任せだから。ああ、昼代は貰ってる。銀貨5枚程度。

銀貨5枚ってのは一般の家庭の子供のお小遣い程度らしい。


「自己紹介がまだだったわね、私はアキ。ここの孤児院を経営してるわ」

「俺はリュー。冒険者をしてる」

「へーそんななりで冒険者か…」


まあ、さっきの男達みたいに筋肉ムキムキってわけじゃないからそう思われても仕方ないのかもしれないけどさ。

さっきからチビ達がうるさいです助けてください。

騒ぐな刀に触れるな、俺の膝に乗っかろうとするな。


「ここには何人くらいいる」

「全員で15人程度。今上級生は働きに出てるから夜になるともっと増えるよ」

「これを1人でか…俺なら絶対に無理だな」

「無理でもやるしかないの。この子達を死なせるわけにはいかないから」


その根性はどこから来るんだ。

見ず知らずの他人の子供捨てたところで誰も責める人間もいなきゃ資格もない。

めんどくさいことをする奴だ。


「なあ、お前…あっぶね!」

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