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第21話 適材適所って知ってるか?

「貴様、先程ドラゴンを操っていた者だな」

「操ってなんかないぞ」

「ではなぜドラゴンと共に王都へとやって来たのだ」

「ドラゴンの洞窟に行ったら仲良くなった」

「.....ふざけているのか」

「事実だって」

「証拠はあるのか?」

「少し剣だの槍だのを引いてもらえれば」

「変な真似はするなよ」


騎士隊長らしき男の指示である程度身動きが聞くようになった。

俺は腰に付けているアイテムボックスかは鱗を1枚取り出した。


「こいつはさっきのドラゴンの鱗だ。嘘だと思うなら見てみるといい」

「確かにドラゴンの鱗だ。だがこれでは貴様がドラゴンで国を滅ぼそうとしているという疑いが深まったに過ぎない」


こういう権力こそ正義だと思ってるやつが1番面倒臭いんだ。

変に上から目線で行ってくる割には上のやつにはペコペコ頭を下げる。

詰まらない。


「さぁ。そのドラゴンの鱗は没収だ。罪人になりたくなければな」

「最初からそれが狙いか」

「なんの事だ。この人数、貴様じゃ相手に出来ないだろう?」


たしかに、もう日は落ちて頼りになるのは街の街灯のみ。

その街灯も辺りを申し訳程度照らすくらいで役にたたない。

俺は魔力がないから視力強化なるものも出来ない。


「断る。そっちが買い取るならその話乗ろう」

「貴様...自分の立場が分かっているのか。今すぐに渡せ。これ以上の拒否は得にならないと知れ」

「だから、断るって言ってんだろうが。話通じねぇのかよ」

「仕方ない。...やれ」


騎士隊長らしき男の指示により今度は剣や槍の刃が俺目掛けて飛んできた。

しかし、見えている刃を避けるのは実に簡単なことだ。

腐っても王都の治安を守る兵士そう簡単には逃がしてくれない。

だが俊敏Aの実力をなめないでほしい。


1対多数なら散々師匠に仕込まれたよ。


「ふべ!」「ぐへぇ!」「ぐえ!」

「何をしている!」

「いくら魔力で視力強化出来たとしても、速さに追いつけなかったら意味が無いとは思わないか?」

「罪人の分際で...!」


『一刀流多段技...』

「リューさん!止まってください!」

「だからなんで雷なんだよ!」


兵士連中を一掃しようとした所、頭上から雷が俺だけに落ちてきた。


「もうちょいいい止め方あっただろ」

「夜だったので魔法を使った方が早くてですね...」

「だからって毎度毎度雷を落とされるこっちの身にもなれ」

「あぅぅ...」


「貴方がリコの言っていたリュー?」

「お前誰だ」

ゴン!

「杖で殴るなよ。痛てぇ」

「リューさん?敬語はどうしました?」

「敬語、難しい、分からない」

「なら喋らないでください」


えー最初に喋りかけてきたのあっちなのに...理不尽


「ごめんね。メア。この人ちょっと常識なくて」

「ちょっと所じゃないでしょうよ。リコの恋人じゃなかったら打首にしてたわよ」

「恋人じゃないですって!」

「じゃあ打首にするから連れていきましょ」

「ああ!この人私の恋人です!」

「いっそ打首にして貰えばいいにゃ」


こんのゴリラ系女子が...切り刻んだろかい

そう思って鍔に指をかけた瞬間思い切っりリコに手を捕まれ目で脅されました。

うちの魔法使いが最強なんだなって再確認。


「リューはなぜドラゴンに乗って王都までやってきたの?」

「……」

「なんか喋りなさいよ」

(リコのせいで喋れないってのにこのアホは…)

「アホ…」

「リューさん?」


喋ることを禁止されいる俺が全力で首を横に振った。


「メアは人の心を読むことが出来るんです。だから心の中でアホだとかバカなどという暴言を吐くとわかるんですよ。それを踏まえてリューさん言いましたか?」

コクン


返事代わりの頷きを返した。


「次粗相をしたら…わかってますよね」


誰しもが共感できるであろう言葉。

「わかってるよね」

という無言の圧力。直接口には出さなくても雰囲気で威圧をしてくる。

なんとも恐ろしい手口である。


「こほん…では改めて聞くけど何故ドラゴンで王都まで?」

(奴隷を買おうとしたけど、金がなかっただから仕事としてドラゴンの巣の調査を受けた、それから仲良くなって送ってもらった)

「ではその証拠として出した鱗を出して貰える?」


俺は一度出した鱗をもう一度出した。


「これがドラゴンの鱗…フユ、ドラゴンの鱗ってなにが作られるの?」

「基本的には防具が多いにゃ。でも中には剣の素材として使う人もいるにゃ。」

「相場はどれくらい?」

「そんなのわからないにゃ。ドラゴンの鱗なんて滅多にお目にかかれない代物にゃ。加工の仕方だって特殊にゃ」

「そうよね…」

(相談中ところなんなんだがギルドに行かせてくれ。ギルドで換金して仲間のところに行かなきゃいけないんだ。)

「ああ、そうなの?そうね…リコに鱗を預けて貰えるかしらそれ以外はギルドで換金してもらって構わないわ」


女王陛下からの許可も降りたことだし急ぎますかね。



リューが去ってから随分と時間が経ったが未だにリューは帰ってこない。


「なあ、お前の相方ってどんなやつだ?

話しかけてきたのは獅子の亜人の女の子レオナちゃんだった。

「気になるかい?」

「いや、暇だから。それにオレが一番選ばれない可能性が高いからな」

「どうしてだい?」

「いや、だっていきなり悪態ついた奴隷なんて使いにくくて買わないだろ」

「決めるのは僕じゃないからハッキリしたことは言えないけど可能性だけで言うならここにいいる5人全員買う可能性だってあるからね」

「あ、あの。でも遠距離攻撃役はそんなに必要ないんじゃ…」

「どうだろうね。彼の考えることは僕にもわからないから。なんだったらどこの出身か幼少期はどこで過ごしたのか、そういうことは何一つ知らないからね」」

「大丈夫なのかよそれ…」

「もし彼がなにかの罪人ならギルドカードは発行出来ないからその点はしんぱいいらないけどね」


思えば、よくそんな身元不明な人と旅出来たなーと思う。

普通なら疑ってかかるべきなのに彼を前にするとそういう気は全く起きない。

まあ、彼の知能がそこまでではないというのが一番大きいかもしれないけどね。


「あの!相方さんが持ってた武器についてなにか聞いていますか?」

「『刀』という名前で鋭利ってことくらいかな」

「刀…!ではお名前に苗字は入ってませんか⁉︎」

「うーんどうだろう…僕はわからないけど彼女ならなにかわかるかもしれない。というよりそろそろ戻ってくるから本人に聞いた方がいいんじゃないかい?」

「いえ…あの目を見るとすごく怖くて…」


あーなんとなくわかるね。

本人は全くの無意識で自然体なんだろうけどその自然体がものすごく怖いんだ。

メイちゃんみたいなあがり症の子が話をするには死ぬ気で行かないと無理だろうね…。


ギルドで換金を済まして奴隷商へと戻るとアレンが奴隷達とイチャコラしていた。


「なにしてんだよ」

「すこし話を聞いてもらっていただけさ」」

「そうか。奴隷商のおっさんはどこだ」

「お帰りですか。もうどの子をお買い上げになるか決められているので?」

「ああ。決まってる。メイであってるのか?その子で頼む」

「そうですか。かしこまりまりました」


俺の言葉を聞いて一番驚いていたのは紛れもなくメイ本人だった。


「あの…なぜ私なのでしょうか…」

「俺と同じ黒髪だから」

「それだけ…ですか?」

「ああ、それだけ」


正直この5人なら遠距離攻撃の性能は互角だろう。

だったら希望があるメイにしたんだ。

黒髪で黒目。この世界じゃ珍しい容姿を持った女の子に。

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