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第11話 鍛冶師と料理人がパーティに加わった!

「フユが作ったって言うから簡単に勝てると思ったのにな…」

「相変わらず失礼な奴にゃ。これでも人気鍛冶師の1人にゃ!」

「防具に限っての話だろうが」

「それは...そうにゃけど…」

「防具を作ってもらう側からすればフユの弱点は弱点じゃなくなる。むしろ他の店と戦う武器になる」

「フユの弱点は小さい頃からですよね」

「その頃から変わらないのか」


「あの...フユさんの弱点ってなんでしょう?」


自分でフユ作の武具を使っておいて分からないやつが居るとは…相当感覚が麻痺してやがる。


「お前だって盾が重いのが不便だーとか言ってたろ」

「でもそれは僕の筋力不足という...」

「ちげーよ。違う鍛冶師に同じ材料で頼めばもっと盾は軽い」

「???」


ここまで言って分からないのか。


「武具の性能が逆になるってことだ」


例を上げるなら目の前の棍棒、一見普通の棍棒で鈍器である。

しかし、実際は…


「肉が切れる棍棒とか聞いたことないぞ。逆に切れない剣はただの棒切れでしかない」

「アレンの武具全てフユが作ったものだろ」

「よくわかったね。そうだよ!皮装備だけど鋼鉄並みの強度...もしかしてこれも?」


その通り。

性能が逆。ということは、武器だけじゃなく防具にも影響する。


アレンが言ったように皮装備が鋼鉄並みの強度になったりする。

そのため、安価で高品質な防具を提供できる。

だから、フユの鍛冶屋はやってこれた。


「防具がダメとなったら鍛冶師は諦めた方がいい」

「確かに。正直...防具だけの収入じゃキツいにゃ」

「だろうな。いくらワーキャットで身体能力に補正がかかるとしてもその体で鍛冶だけやって筋力SSは考えにくい。注文がない時はギルドからの仕事を受けてたんだろ」


フユの体躯は普通より多分小さい。

そんな体躯で筋力が俺よりもあるというのは不自然すぎる。


「今日1日でそこまで考えたにゃ?」

「いんや。街で色々聞いてきただけだ。俺が考えたことなんて何も無い」

「フユさんの防具は有名だからね。勿論、この盾に文句はないよ」


さっき重いのなんのって言ってたの誰だよ。

その盾、俺でも持ちあげられないからな。アレンの筋力は俺より低いから動けなくなっても仕方ない。


「ものは相談なんだが、俺と旅をしないか?」

「いきなりにゃね」

「今考えた。弱点あり。ではあるが鍛冶師ってことに変わりはない。リコの装備の調整なんかを頼みたい」

「どうしようかにゃー人をゴリラとか言う奴のパーティなんかに...」

「無理にとは言わない。嫌ならリコと2人で続ける」

「行かないとは言ってないにゃ」

「つまり?」

「性格悪いにゃ…」


今更だろ。

初対面相手にゴリラ呼ばわりする男だぞ?

性格がいい訳ないだろ?


「リコと旅をするにゃ。リューはおまけにゃ」

「それでも結構」


リコのパーティに鍛冶師が加わった。

これで俺が戦っている時のリコの心配は必要無くなったな。

昼間は魔法の威力が激減するリコは攻撃が出来ない。

下手に攻撃して標的にされたら対処出来ないからだ。

領主の娘を攫っておいてその上殺したとなれば指名手配待ったナシだろうし少なくとも2つの領地が敵となる。


それはそれで楽しそうだが今は安全に平和に旅をしたい。


「ちょっと待ってよ!」

パーティメンバーが増えて安心していたのにそれに水を差すとは無粋な真似を...

「どうした?」


「フユさんがこの街を離れるの!?」

「旅ってことはそうなるだろうな」

「それはちょっとやだなー!」

「黙れ変態。仕方ないことだ」

「あ!僕も旅について行けば...」

「動けない盾使いが役に立つのか?」

「あ...えっと...よく喋る!」

「うるさいだけだろ」

「えっと...えっと...」


常識的に考えて男のメンバーって要らないと思うんだ。

即戦力になるような奴ならまだしも動けない盾使いとなると...他に特技はないのか?


「だいたい俺だけの意思じゃ...」

「料理ができる」

「採用だ」

「「え...」」


旅をしていて美味い料理が食べられるんだ。

生焼け肉とかを食べる必要もなくなるんだ。


「生焼けのお肉から卒業出来るんですね!」

「リュー?フユは嫌にゃ。こんな変な奴」

「変な奴...」

「こいつが居なきゃ特に料理もなしに旅をすることになるぞ?」

「それでも!」

「あぁ。分かった。場合によっては殺してもいいことにしよう。それなら変な真似はしないだろ」

「そんな!それはいくらなんでも酷くないかい!?」

「変なことしなきゃいいだけの話だろうが。それとも既に企みがあるのか?」


その時は俺が直々に首を飛ばすぞ?

リコの第1護衛だからな。


「ま、まさかー!そんなことないよ。アハハ...」


その後アレンが全力土下座しているのを2人して汚物を見る目で見下ろしていた。


パーティに鍛冶師と料理人が加わった。

あと必要なのは...支援役と昼に動ける遠距離役と情報収集役か。...多いな。

まあ、これでリコの護衛役が増え、安全に旅ができる。


しかし...


コンコン。

「フユ様、ご領主様がお呼びです。直ちに屋敷へとお戻りください」


一領主の娘を連れ出すのはやはりと言うべきかそう簡単ではなかった。

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