魔法のランプと子ども
書いといてなんですけど後味はあまりよくないかもしれないです
古い汚れたランプをみつけたらランプをこすってごらん
それが魔法のランプなら、ランプからモクモク煙があがり魔神があらわれるだろう
魔神はあなたの願いを3つだけ叶えてくれる
叶え終えた魔神はランプに戻って、また古い汚れたランプになる
そんな魔法のランプがどこかにあるという話さ
◇ ◇ ◇ ◇
それは物置の隅にありました。
古い汚れたランプでした。
表面が汚れて元の金色がところどころ見えている程度。
置いたまま忘れられたのでしょうか、埃も被っていました。
そんなランプが物置の隅に、誰にも気付かれずあったのを子どもの奴隷が見つけました。
子どもはランプが汚れていたので拭こうとしました。
新品のようにピカピカに出来たら主人に褒めてもらえるかもしれないと思いながら。
子どもが少し拭いた瞬間、ランプからモクモクと煙があがりました。
子どもが驚いてそれを見ていると、煙は天井までのび段々人の形に近づいてきました。
気がつけば煙には顔があり、服も着ています。
見た目も人と変わらなくなっていました。
「私を呼び出したご主人様、このランプの魔神が願いを3つだけ叶えましょう
さぁあなたの願いはなんですか」
現れたのは魔神。
ランプは魔法のランプだったのです。
子どもは驚き過ぎて腰を抜かしてしまいました。
突然煙が上がったと思ったら魔神があらわれたのです。
どれだけびっくりすることでしょう。
「これほど幼いご主人様はいつぶりでしょうか
私を呼び出した小さなご主人様、私はあなたの忠実なしもべ
怖れる必要はないのです
あなたはただ、願いを3つ言えばいいだけなのです」
魔神は自身の役目を子どもに説明します。
子どもが目をパチパチさせてようやく言っている事を理解すると少し考えて質問をしました。
「どんなことでもかなえてくれるの?」
◇ ◇ ◇ ◇
魔神に願い、奴隷ではなくなった子どもは、一生暮らしに困らないようにもなりました。
これで願ったのは2つ。最後の1つをどうしようかと子どもは思いました。
◇ ◇ ◇ ◇
「ねぇまじん
ずっとかんがえてたんだ
ねがいをかなえてくれたまじんにどうしたらおれいできるかって
ようやくうかんだよ
ぼくがどれいじゃなくなったように
まじんもランプからかいほうされるといいんじゃないかって
じゆうをきみにもあげる
3つめのおねがいだよ
まじんがランプからかいほうされますように」
子どもがそう願った瞬間、ランプかカタカタと震え大きな光を放ちました。
魔神はその光景を呆然と見ていることしか出来ませんでした。
何故なら魔神は願いを叶えなくてはいけないから。
ランプが割れていくのを見ていることしか出来ないのです。
ついに粉々になり魔法のランプは壊れてしまいました。
子どもは魔神が喜んでいると思って魔神の方を見ました。
しかし魔神の顔に浮かんでいたのは―――怒り
「なんてことをしてくれたんだ!
ランプから解放?馬鹿なこと言うな!
私はランプに囚われていたのではない、ランプによって生かされていたんだ!
自由をあげるだと?
私はランプの中でどこまでも自由だった!
それなのにお前の勝手で私はこうして殺されるのか!」
「そんな…ぼくは…まじんによろこんでもらおうとおもって…!」
「そんなものお前の自己満足じゃないか!
私はランプの魔神として生まれ、そう存在するモノだ!
それをやめるとは死ぬことだ!
呪われろ!呪われてしまえっ!永劫の檻を、永久の柵を―――――………」
魔神はとても恐ろしい形相で、最後の力を振り絞り子どもに呪いをかけながら、消えていきました。
あとに残されたのは呪われた子どもだけ。
◇ ◇ ◇ ◇
昔々、あるところに子どもがいました
子どもはその無邪気さで取り返しのつかないことをしてしまいました
そうして怒った神様に呪いをかけられてしまいました
ずっと奴隷でいるという呪いを
大人にもなれず、何故そうなったのか理解しないまま、
今もまだ子どもは呪われているのだそうです
おしまい
童話テイストを狙ってみましたがどうでしょうか
放置していたのを手直しして投稿してみました
相手が望んでいなかったらやった人の自己満足だよなぁ、というお話でした
ここまで読んでくれてありがとうございました