桜が散った4月のこと。
~4月~
この日がやっときた……。今日は葛城高校の入学式。桜が満開の入学式…
とはいかずきれーいに散ってしまってるが まぁ、よしとしよう。サァァ。風が僕の髪を揺らす。
「ねぇねぇ、あの人カッコよくない。」
「あ、ホントだ。何部はいるかなぁ」
「私達の部活入って欲しいなぁ……。」
コソコソと 先輩らしき女子が囁きあってる。
まぁ、確かに男にみえるかな。髪はショート、キリッとした黒い目。制服は男もの……。女に見える方がおかしいか。
「ゆーうっ!入学おめでとぉー!٩(ˊᗜˋ*)و」
ドフッ。金色の髪をなびかせて 伽弥乃が飛び込んできた。
ギューっと伽弥乃が僕のお腹に巻き付いてくる。
「おいっ。やめろよ。人前だろ。」
みなさん、リア充め…。とでも思ったかな?周りの人の 爆発しろっ!!!!!っていう目。
違う、違う、違うっ。
僕達は付き合ってないし、付き合ってないけどアレだろ、両思いとかいうやつだろ。とかいうのでもない!
僕は女だ!!!
そう心の中で叫んでいる訳だか……。
まぁ、こんな事にはなれた。いつも通り、日常だ。
「次は歓迎会か…。」歓迎会では部活紹介がある。
胸が高鳴る。ついに、ついにあの数学部のみなさんに会えるのか。どんな人だろう。だが、日本でトップ5の頭脳をもつ高校生の5人。すごい人達なんだろうな……。そう思うと緊張してきた。
「ふふっ、良かったね優。数学部に入れる日がきて。」
「あぁ……。でも数学部に入れるだろうか。入部試験が、難しすぎて全く解けないとかないだろうか……。」
「優に限ってないでしょ!!この高校だって優にとって かなり偏差値低いじゃない」
そう、もっと偏差値の高い高校でも余裕で行けたのに 僕は数学部に入るためにランクを下げた。
全ては数学部に入るために……。