プロローグ
「哀れなものですねぇ………この学院のトップでもあろう貴方がこんな汚い地面に這いつくばっているなんて、ねぇ?」
目の前の奴は心底愉快そうに目を細め、口角を吊り上げニタニタと気味の悪い顔で笑っている。俺の姿を見下しながら、目の前の奴は勝手にぺらぺらと聞いてもいない様な事を口にする。どうでもいい、どうでもいいからさっさとこの縄をほどけ、そしてぶん殴らせろ、切実に。
「ふふ……馬鹿なもんですね、あなたの、ルームメイトやクラスメイト、親友でしたっけ?彼らも、こーんな僕の嘘を簡単に信じちゃってさァ、僕が目に涙をためながら先輩に陰湿ないじめをされました~って言っただけで信じちゃうんですよ?そりゃあ最初はあなたのこと疑いもしませんでしたよ、でもどうです?偽の証拠見せてやったらころっ、とあっさり僕に寝返ってくれましたよ?つまりたったそれだけの価値だったってことなんですよね、貴方は。」
黙れ、黙れ黙れ。
俺はそいつに向かって唾を吐きかける。その瞬間あいつの顔が物凄い形相になる。
「あ?何してんだよ、クズが」
ドゴッ、痛い音。
バキッ、何かが折れる音。
ぐさっ
何かが、刺さる音
ことん。
何かが落ちる音