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トーゼア、ホート


北斗がエンリィの元へと来る。

『エンリィ、お肉』

「あら。夕食?」

頷けば、エンリィは立ち上がる。

北斗は見覚えのある少女を見て首を捻る。

「あ。あの方は」

『人間の王の姫?』

「知っているの?」

『記憶にはある。でも思い出せない』

「あ、そういえば貴方占いができんだよね。占ってくれない」

少女の笑みに北斗は頷く。

『夕食の後なら』

「やったー!」

「姫様って占いが好きなんですって」

「そうなの!新聞のよく当たるホートと言う占い師なんて特にファンで」

「あー」

「確かにあの占いはよく当たるよねー」

優男にしか見えない男が笑いながら来る。

北斗の脳裏に過る恐怖という感情に北斗は固まって叫ぶ。

「ぎゃああああああああ!」

数分もたたないうちに月見が現れ、北斗は月見にしがみつく。

「どーしたんだ?」

『あれ怖い!怖い!』

優男を示して、月見は北斗と優男、人間の王を見る。

「何したんですか?人の王」

「娘が好きな占いについて話をしていただけなんだけどな?」

「どうしたんだ?北斗」

『なんか怖い!なんかわかんない、でも怖い』

「ははは」

「もう!せっかく占ってもらえるんだからお父様は黙っててよ」

「はいはい」

『俺の占いは魔力を使うからね。当たらない方が可笑しいんだよ』

「へぇ。そういうものなの」

「魔術師。何かあったのか?」

妖魔の王は不思議そうに来る。

『怖い人』

「いやー。ちょっと話をしていたんだけど、突然叫ばれて」

「声はでないはずなのにどれだけ怖かったんだ?」

よしよしと宥めるように北斗の頭を撫でる月見。

「うーん。君さ。ホートっていう占い師について知っている?」

『え?あ、うん』

「ホートだと!」

妖魔の王が身を乗り出す。

「うーん。じゃあそれって君?」

『うん。そう。そうだよ?ホートは俺のもう一つ名』

「何!」

「やっぱり」

「じゃあ貴方が占い師の!すごい!本物!」

王女の叫びに北斗は不安そうに人間の王の顔色を見る。

『天照が言っていた。俺の名前を知ると悪用するやつが大勢いるから隠しなさいって。新聞での名前ならこっちがいいかなーって』

「お前がトーゼアの子か」

北斗は月見を見ると頷く。

『天照の弟子であり、詞の魔術師、トーゼア、ホート。俺的にはこっちの名前は苦手』

「お前がホートか!」

「あぁ、やっぱり」

妖魔の王が驚く横で人間の王は納得したように頷く。

「おい。現代王何故わかった」

「彼の母親に似ているし面影も」

「そういうものなのか?人はよくわからない」

「妖魔王はどうやって人を区別しているんですか?」

「気配?」

「気配が変わったらわからなくなる前提ですね」

「だからお前にもトーゼアの子達を探してほしいと協力しただろ」

「トーゼア家には守り神が付いていますからね。心配はしていませんよ。大体ホートは天照の加護を受けた子だ。んなもん心配もへったくれもない。大体私が可愛がって来たんだから大抵のことは平気なはずです」

「お前の可愛がるは虐めの域だろ」

「ああ、だから怖がっているのか、どれかな?蛙をお皿の上に置いたこと?それとも髪の毛が伸びる人形を与えて目の前で燃やしたこと?それとも」

「全部だろ。どう見ても」

北斗はイクアを見て、お手を仕込んでいる。

「しょうがないだろ。お前はトーゼア家の忘れ形見の一人だ」

『もう一人いるんだっけ?』

「あぁ。俺と同じ獣がいるのが阿東だ。もう一つ名は知らん」

『へぇ』

「お前は本当に何処まで覚えているんだ?」

『わかったら苦労してない』

「それもそうだな」

『お腹空いた』

かぷりとイクアの頭に噛みつく北斗に月見が拳骨を落とす。

「いで!」

被害を受けたイクアも悲鳴をあげる。

「汚いだろ!飯の用意はもうすぐ整うんだから待ちなさい!」

「はぁ。確かにホートだな」

額を押さえながら妖魔の王は溜め息を吐く。

『今何で納得されたの?』

「あぁ。多分、お前のそういうところが成長してないからだと思う。昔からお前は俺をいじるから」

北斗は問答無用で殴っておく。

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