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魔術師学校開門


北斗は何時でも独りだった。独りの時期が長かった。だからもらった優しさが好きだった。もらった温もりが嫌いになれなかった。

「俺がいない間あいつを手助けてくれないか?」

「私が死んだらあの人をお願いして良い?あぁ見えてさみしがり屋なの」

似た者夫婦だと思ったが、恩を返したいと頷いた。だからいつでも一緒にいる。助けたいと願った。

だけども布団の中で写真を抱えて動かないのは二人ともが望むことではないだろう。あんなに独りでも大丈夫だと言ったくせに。

孫も遠くにいるし、俺が家にいるのに妻の死を嘆き悲しみ、一人であると寝ていた。

半年ぐらいして孫が帰ってくると伝えても死ぬことしか考えていなかった。

殺意すら芽生えた。

なので殺す前に布団をひっぺ剥がし、写真を奪って物置に保管。食事を口に流し込んだりして、体重も戻して、服装も綺麗にした。

それから人がいれば良いのかと間借りができるよう行った。結局月見のことを知った孫二人にやりすぎだと怒られた。

「ん」

目を覚まして手を伸ばして温もりを探す。何時も側にある温もり。

「?」

居ないことに気づき、飛び起きる。

(なんで!なんでぇ!置いていくなんてひどい)

俯いて鞄を探る。

(絶対に見つけてやる!)

取り出したキーホルダーを片手に立ち上がる。チョコを口に入れてからキーホルダーから銀に輝く鍵をはずす。鍵を指の間に回してしっかりと握る頃には子犬程度の大きさに化ける。

(開け!魔術学校への門扉≪ゲート≫!)

鍵を壁に突き刺せば扉が現れ、鍵はドアノブのようになる。そして中へと入る。

(月見どこぉおお)

しかし出たのは空中。

「ぎゃあああああああああ」

ショックに出ないはずの声が出てくる。

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