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戦闘の妖魔
アトロールの部屋は殺風景という言葉が一番似合う。
北斗もまだ私生活で必要な机などや小物があるがアトロールはそれすらないと言ってもいい。
アトロールは家族がいない上に、物を持たない。普通の妖魔とは違った、かなり過酷(本人はいたって気にしていない)な育て方のため物に愛着という愛着はない上に余計な出費を嫌う。
しいていうならプレゼントしてもらったもの以外は置く必要はないとさえ思う。
だからこそ間借りという方法を取っているのも理由の一つ。会社の寮も考えたがそれではある理由のためと戦闘の妖魔という種族であるため普通の暮らしもままならない。
そしてある理由のための情報を入手したいがためにこの家の主人といるのが一番だと考えたからである。
服を着替えて北斗の元に戻れば北斗は愛用の肩掛け鞄を枕にタロットカードを散らかしたまま寝ている。
「全く」
つい、彼の部屋の毛布をかけてやれば北斗が毛布を臭い、面白くなさそうに鼻を鳴らす。
「お前感謝ぐらいしろよ」
そう言いながらテレビを点ける。




