お墓参り
途中でスーパーに寄ることを思いだし、大荷物を医者の元に預ける。
「ここは物置じゃないんだぞ」
医者の小言は無視してスーパーに向かえば北斗は白い犬を発見して頭を撫でる。
「北斗」
月見が声をかけてきて不思議そうに首を捻る。
「墓参りにいこうと思って。行くか?」
その言葉に北斗は頷き、それでも犬とじゃれていればその間にと月見は店の中へと入っていく。
北斗も後ろ髪を引かれる思いで店で買い物をすればすでに月見は居て、白い犬はいない。
声をかければ北斗は微笑み、先を歩いては戻ってくるのを待つ。
月見と墓に来て墓石を綺麗にして回りを掃除。線香を上げて両手を合わせる。
月見が現在のことと今後のことを伝えてから北斗を見れば、北斗は遠目にある石碑を見ている。
「行くか?」
戦闘と魔術師の名前が刻まれた二対の石碑。
北斗の頷きに答えて向かう。
北斗は魔術師と戦闘の妖魔の名前が書かれた二つの石碑を見る。すでに戦闘の妖魔のところに花を置いている男の横で、北斗は二つともに赤い花を置く。
「ん?」
北斗が妖魔のところに花を置けば男、アトロールが顔を上げて北斗を見る。
「とーざん。なにやってんの?あ、月見さん」
「墓参りに来たついでにな」
「あぁ。はいはい。俺は仕事ついでです」
そう言うと遠くを見る。北斗は何かを探すように見回す。
「じゃあ俺これで」
「あぁ、気を付けてな」
「はい」
「がんばれー(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪」
北斗が文字を見せればアトロールは微笑んで頭を撫でる。




