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いちご†盗人  作者: 斉河
<第一部>
9/42

9、Speak of the devil.(b)

 

 こうして訪れたラーメン店の名は“やまだ屋”という。

 昭和の雰囲気をそのまま残した小さなその店は、商店街の脇道を十メートルほど奥へ入ったところにあった。


「監督、いる?」


 肖衛はそんな呼びかけと共にのれんをくぐる。右手でのれんを分け、体をちょっと傾ける動作には慣れた印象を受けた。

 監督って? 疑問には思ったけれど、尋ねる間もなく


「おう、肖衛じゃねえか! どうしたんだ今日は」


 という野太い声が中から返ってきた。

 見れば、五つあるカウンター席の一番奥に、トトロのような生き物――いや、調理服姿の中年男性が座っている。

 目が合うと、彼は手に持っていた競馬新聞を足下にばさっと落とした。


「お、女っ……、肖衛が、女連れ」


 驚かれている。凄く驚かれている。

 私はむしろその驚きように驚いた。


「ああ、うん」


 この子は俺の奥さん、と肖衛は自慢げに私の肩を抱く。奥さん……未だに慣れない呼び名だ。


「奥さんだとッ」

「そう。二ヶ月前に籍を入れたんだよ。ごめんね、伝えるのが遅くなって。あ、でも今は彼女としてデート中なんだけど」

「け――結婚したってのか。おまえが、こんな、かわいい子と」


 毛むくじゃらの太い指にさされて、咄嗟に頭を下げる。と、下げた頭のすぐ上で景気の良い音が連続して響いた。


「おめでとう肖衛! 良かったなあ、おまえにもやっと春が来たか、そうか――」


 彼が、恰幅の良い体を揺らして、肖衛の背をばしばし叩いていたのだ。

 痛いよ、と笑う肖衛はこの上なく幸せそうで、それは伝染するように私の頬をもゆるませる。


「よろしくな、奥さん。俺はここの店主、山田慎五郎やまだ・しんごろうってもんだ」

「あ、せ、芹生です。はじめまして」


 差し出された手を掴んだら、力強く握り返されて体が前のめりになってしまった。

 山田さんは、動物に例えたら熊みたいな人だ。

 温かな手は肉厚で、やさしい。


「しかし奥さん、やけに若いな」


 実年齢を正直に言っていいものか迷っていると、肖衛が「うん、若いよ」と横から答えた。


「彼女、十八なんだよね。でも家事をパーフェクトにこなす、今時珍しい家庭的な子だよ」

「おお、ウチのかみさんと交換してくれ……いや、嘘だけどよ。よし、今日はお祝いだな。ラーメンで良かったら俺がおごってやる」

「うん、ぜひ。味玉つけてくれる?」

「まかせとけ」


 山田さんは自らの胸をどんと叩くと、狭いカウンターの中へ、お腹を引っ込めながら入っていった。満腹になったらつっかえそうだ。

 私達は並んでカウンター席に座った。そこに準備してあったコップに、水差しからお冷やを継ぎ入れる。と、


「セリ、彼はシヴィールのPVを担当してくれてる映像作家でもあるんだよ」


 肖衛がそんなことを言ったから、私は白目を剥くほど驚いた。

 

「え、うそっ。あ、でも言われてみれば名前、聞いたことがあるような」


 確か、CDのブックレットには‘シン☆ゴロー’とかって記されていたような気がする。

 間の星マークから察するに、てっきりもっと若い、しかもラテン系気質の方かと思っていた。


「監督は昔、ミニシアターで自作の映画を流してた、その道では有名な作家さんなんだ。バイト中にそのことを知ったもんだから、一作めからお願いしてる」

「へえ、凄いね」

「だろ。この奥には最新機器もフル装備なんだよ」


 肖衛の親指が店の奥を示す。

 いや、山田さんのことでなくて。私は出掛かった言葉を飲み込む。

 身近な人材をフル活用しているシヴィールが凄い、という意味で言ったのだけれど……。

 でも、そうか。だから『監督』なんだ。


「そうだ肖衛ぃ、新作のPVな、編集終わったぞ。奥にあるから持ってけ」


 中華鍋を豪快に振りながら、監督は言う。香ばしいニンニクと胡椒の匂いが、店内に充満している。

 こんなところで作られていたのか、シヴィールの映像は。

 意外。だけどいいな、と思う。

 業務的じゃなくて、人間臭くていい。そんなところが、彼ららしくていい。

 シヴィールは今や日本を代表するロックバンドと言っても過言ではないけれど、その活動は意外にも派手ではなかったりする。

 大々的なプロモーションなんて、ほとんど行っていないせいかもしれない。

 TVに出たのもまだ数えるほどだし。(この間のCMなんてレアすぎて録画したファンも多かったとか。未知・談)

 けれど、そんな、メディアで顧客を煽動しない姿勢に好感を覚える人間は多い。

 そのぶん――と言っていいのかわからないけれど、ファンとの交流をかかさないところもだ。

 彼らは地道に、着実に、彼らだけの音楽を守り続けている。だからだろうか。素直に応援したいと思えるのは。

 肖衛が店の奥へ消えると、監督が背中を向けたまま私の名を呼んだ。


「芹生ちゃん、つったっけ」

「あ、はい」

「あいつ、ちゃんと生活出来てるか」


 え?

 監督の頭上の棚から、木彫りの福々しい恵比寿像がこちらを見下ろしている。似ている。


「いや、あんたの家事とかあいつの稼ぎとか、そういうことを言ってるわけじゃねえんだ。俺は、俺はだな」

「心配、してくださってるんですね」


 彼は恥ずかしそうに舌打ちで答えた。


「あいつ、自分のことはなんだって二の次だろ。妙に聞き分けがいいっつうか、素直っつうか、我がままを知らねえっつうかさ」

「はい?」


 思わず耳を疑った。肖衛が、我がままを知らない? そんな馬鹿な。


「あの、お言葉ですけど、あの人子供みたいに聞き分けないですよ。我がままだし、意地悪だし、もうめちゃくちゃ強引だし、毎日手に負えないです」


 監督は振り向いて、意外そうに目をしばたたきながら顎をしゃくる。


「肖衛がか? うそだろ。芹生ちゃんにだけ……いや、そうか、そうだよな」


 そうして、前歯をむき出して泣きそうな顔で笑った。


「あいつ、やっと我がままを言える相手に出会ったんだなあ」


 ああよかった、安心した、ありがとう、なんて素直に感謝されたら、何と答えたら良いのかわからなくなる。

 肖衛が我がままを言うのは、私だけ。うそみたいだ。

 知ってよかったような、まだ知りたくなかったような、変な気持ち……。


「あいつと最初に会ったのは十三年前だったかな」


 監督は懐かしそうに言って、味付け卵に包丁を入れる。橙色の黄身がわずかにとろけ出る。


「夏肖がうちでアルバイトを始めて、一週間とたたねえときだ。サボろうとした弟の身代わりとして、あいつ、ここに来たんだよ」

「身代わり……」

「そうだ。わざわざ金髪にして外見をそっくりにしてきてな。しかしなにせ態度が違うから。俺は即刻見破ってやった」


 どこかで聞いたような話だ。金髪で変装って。


「必死で謝る肖衛はそりゃもう、気の毒としか言いようがなかったよ。弟をクビにしないでやってくれ、ってな」

「肖衛が、そんなことを」

「ああ。気弱で人のいい兄貴って感じだったな。ひとまず俺は肖衛を帰して、代わりに夏肖を呼び出したんだ。一発ぶん殴ってやろうと思ってよ」


 監督は呆れた様子で息を吐く。


「しっかし、呼び出してから半日近く経ってようやく顔を見せた夏肖の野郎、もう血だらけでさ」

「血だらけ!? 喧嘩でもしてたってことですか」

「多分な。本人は緊急事態だとか救急車がどうのとか言ってたがな、もう殴る気も失せて追い返したよ」


 そんなことがあったのか。

 弟のために、と一生懸命になれるところ、昔から変わっていないんだ。

 そう感心する一方、嘆息もした。

 夏肖さんの人格って、奔放。というかさほど理性的ではなかったということかな。


「で、次に会ったのが六年前だな。バンドをやるのに金がねえから雇ってくれって言われて、仕方ねえから使ってやったんだが」

「それで肖衛は美味しい炒飯の作り方、知ってたんですね」

「ほお、今でも作れんのか。しっかし今は俺があいつに使われる立場だもんな。えらい出世だぜ」

「ですよね。私、全作観てますよPV。今回も楽しみにしてます」

「ふたりとも、楽しそうに何話してるんだい」


 奥から肖衛が姿を見せる。手には、A4の茶封筒。PVだろうか。

 その後、ラーメンと炒飯を競うようにして平らげた私達は予定通り芋ようかんを購入し、車まで戻ったのだった。

 肖衛の気分は引き続き上々。

 ハンドルを切りながら新曲のサビを歌ってくれた。

 しかし、次の行き先は?と尋ねても、秘密だと言って教えてくれない。

 私は、デート=ミステリーツアーのようなものなのだと理解して、大人しく助手席に座っていた。


「そういえばセリ、ライブのたびに一緒に来てくれてたお友達はどうしたの」


 唐突に肖衛が言った。


「未知のこと? この間も会ったし、昨日電話したばっかりだよ。それがどうかしたの」

「いや、元気なら良いんだけどね。少し前までライブにもサイン会にも欠かさず来てくれてたのに、ここ最近見ないからさ」

「そうなの?」

「うん、董胡もすごく心配してたよ」


 妙だな、と思った。ライブ通いをやめたなんてこと、聞いていない。

 未知は給料のほとんどをシヴィールのためにつぎ込んでいる、自称追っかけ番長だ。

 私が金欠のためにライブ通いを断念したあとも、未知はせっせと出待ちを続け、ついには董胡に名前を覚えてもらったと自慢していたっけ。

 それが、最近見ない? おかしい。


「何かあったのかな」


 そう私が漏らすと同時にハンドバッグの中で携帯電話が鳴った。“GRAVITY”の着メロは――未知だ。

 うわさをすれば影、ってこういうときにも使えることわざかな。

 事の真相を問い正そうと、私は急いで受話ボタンを押す。

 聞こえてきたのはしかし、いつもの彼女の声とはほど遠い、咳き込むような音だった。


「もしもし、未知?」


 呼びかけるも、返答はない。


「未知、どうかしたの?」

「……芹生」


 掠れて潰れたような弱々しい響き。私は思わずスピーカーに強く耳を押し当てた。

 様子がおかしい。

 異変に気付いたのか、肖衛が眉をひそめてこちらに視線を寄越す。


「どうしたの?」

「う、うん、未知が。――ねえ、なにかあったの、今どこにいるの未知」

「……し、ぶや。も、動けなくて……。ごめ、デート中、だったよな」

「そんなのいいから! 渋谷って駅の近く?」

「ん、仕事場、行く途中」

「わかった、今行く。近くに着いたら電話するから、じっとしてて。動いちゃ駄目だよ」

「……悪い、ほんと、ごめんな……」


 電話を切って肖衛を見ると、彼はすでにカーナビで最短距離の検索を終え、方向転換をするところだった。


 ***


 109の前でうずくまっていた未知は、前回会った時より体が一回り縮んでしまったように見えた。

 いつもの気勢も派手さもない。服もぼろぼろで、別人みたいだ。

 肖衛は何も聞かずに彼女を車に乗せると、病院で診察を受けさせ、共に坂口家まで連れて帰ってくれた。

 自宅へ送っていこうか、という提案を、未知が拒否したためだ。

 当然、デートは中止。

 けれど、文句はおろか、嫌な顔ひとつしない肖衛は私よりずっと大人だった。


 何があったのだろう。


 唐突に尋ねるのもためらわれて、私はまずクローゼットに彼女を連れて行き、汚れた服を着替えるように言った。

 そうして一足先にリビングに降り、ミルクたっぷりのカフェオレをつくった。

 優しい味になるように、たっぷりのブラウンシュガーを加えて。

 それを半分ほど飲んで落ち着いたころ、口火を切ったのは未知だった。


「ごめん、……肖衛さんも呼んでもらえる?」

「え?」


 気を遣って席を外していた彼にも、未知は迷惑をかけたから事情を説明したい、という。

 何かと筋を通す真っ直ぐな性格は健在みたいだ。ちょっとだけ、安心した。

 肖衛が二階から姿を現すと、未知はちいさく会釈をしてから口を開いた。


「悪い、迷惑をかけて。実は……付き合ってる男がさ」


 言って袖口を捲り上げる。

 露になった腕には、赤黒い皮下出血のあとが点々と残されていた。


「未知、それ、まさか」


 暴力をふるわれてる、ってこと?

 私は青ざめた。

 半年ほど前から未知が付き合っている彼氏のことなら、何度か話題にのぼったから知っている。

 確か、シヴィールに憧れる二十歳のアマチュアバンドマンで、董胡に似た男前ヴォーカルだとかって。


「そんな、どうして。優しいって、前は」

「……どうしてだろうな。わかんないんだよ、たぶん、あいつにも」


 悟ったような薄い笑みを浮かべ、未知は語り出した。

 実は、卒業と同時に同棲を始めていたこと。

 最初は優しかった彼氏が、ヴォーカルとして人気を獲得していくにつれ、徐々に高圧的な態度を取り始めたこと。


「お前が好きだって言うから付き合ってやってるんだ、ってさ。確かに、告白したのはあたしのほうからだけど」

「なにそれ……」

「理不尽だろ。同棲しようって言ったのはあっちなのにな。でもさ、それでもあたし、支えていきたかったんだ。音楽で成功するんだ、っていうあいつの口癖みたいな夢」


 だけどもうだめ、と未知は言う。

 ここ数日は暴力がエスカレートしたため、仕事にもろくろく行けなかったそうだ。

 そうしてついに本日、実質的な解雇を告げる電話を受けたとのこと。


「仕事がないんじゃ、もうあいつの生活、支えられないしさ」


 肖衛は眉をひそめてアームレストに肘を置く。

 思わず下唇を噛んだ。夕べの電話でなぜ私は、そのことに気付けなかったのだろう。

 そうだよ。よく考えればあの時間、仕事をしているはずの未知が電話に出られるわけ、ないのに。


「もう、恋愛感情なんてないんだ。分かってるんだ。なのに、なんでだろ。……あたし、完全にふっきる勇気もなくて……っ」

「未知」


 震える肩を抱き寄せたら、襟元にも大きな青あざがあることに気付いた。

 どうして相談してくれなかったの、なんて言えない。

 言えるわけがないよ。だって、私、未知に頼りきりだったもの。


「ごめんね、未知」

「どうして芹生が謝るんだよ……」

「ごめん。ごめんね」


 私、親友失格だね。謝りながら、私のほうが先に泣いてしまった。

 痛かった。

 傷を負っているのは未知なのに、私も同じように、全身を痛めつけられているみたいに感じた。


(気付けなくて、ごめん)


 肖衛はその後、仕事があるからと書斎にこもり、夕食まで一度も姿を見せなかった。

 夕食後、私は未知を二階のゲストルームに送っていき、そのまま学生時代のように語らいながら一晩を過ごした。

 ようやく未知が眠ったのは、明るくなってから。時計は見なかったけれど、六時はとうに過ぎていたと思う。

 肖衛は今日もオフの予定だから、お弁当を作る必要はない。

 私は朝食の支度をするまで、一時間くらいの仮眠ならよかろうと、未知の隣で目を閉じた。

 しかし油断したのか、本当に熟睡してしまって――。

 だから耳慣れないノック音が聞こえてきたとき、慌てて飛び起きたのだった。


「ご、ごめん! 朝ご飯、すぐ準備す――」


 けれど部屋のドアを開いた途端、凍り付いた。

 そこに、笑顔の初穂と董胡が立っていたから。


「おはよう芹ちゃん、朝早くから悪ィな」

「へー、芹生は夜はパジャマ派か。裾を引き摺ってるところがまたそそるぜ」

「はっ!?」


 芸能人らしいキラキラした笑顔で私を見下ろす彼らは、お揃いのブラックスーツとグレーのドット柄シャツを身に付けている。

 恐らく、いや、間違いなくステージ衣装だ。

 状況が呑み込めなかった。

 なんでここにふたりが――じゃない。今問題なのはそこじゃない。

 み、未知がいるのに!

 慌てて扉を引き戻そうとするも、遅かった。

 きゃー、だか、うやー、だか、よくわからない奇声を発して、未知がベッドから転げ落ちる。


「とと、と、董胡、初穂! せっ、芹生っ、何、これ、夢ッ!?」


 夢だよ、だから見なかったことにしよう、と言えなかったのは、董胡が彼女に向かって挑発するように両腕を広げ、


「なら、確かめてみるか? 未知」


 などと言ったからだ。

 未知は信じ難いとでも言いたげな顔で数秒ためらったあと、すくっと立ち上がった。

 そうして、董胡の胸に勢いよく飛び込み――本物だとわかると再び奇声を上げたのだった。

 収拾がつかない。どうするの。この状況、どう言い訳するつもりなの。

 最悪の想像をして硬直する私に、初穂はそっと囁く。


「ナツに頼まれたんだよ。芹生と、そこの子を連れてくるようにってさ」

「つ、連れてくる、ってどこに」

「それは行ってのお楽しみ。な、褒めてくれよ。俺、おまえのために早起きしたんだぜ。――って、聞いてる?」


 聞いていられるか。


「肖衛!?」


 呼びながら屋敷内を駆け回ったけれど、彼を見つけることは出来なかった。

 一体どういうこと。

 

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