表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/26

『???』

「ねえ、なんで聖女に魔獣与えてんの」


「ん?人間には絶対服従にさせてあるから危険はないよ。そもそもあの子の魔力を食っていればやがて聖獣へと姿を変えるし」


「そうじゃねぇよ」


睨みつけられて肩をすくめる。


「だって、一人にさせるのは不安で。番犬は必要だろ」


「だとしても、王子は」


「ん?あの子の情操教育には良い相手だろ」


「バカジャネーノ」


バカにした口調ではっきりバカと言われる。お前に言われたくないんだけど。


「なんで」


「誰にも取られたくないんだろ」


「だから、ちゃんと公式に後見人になっただろ。勝手に縁談が決まることもないし、守ってあげられる。いざとなれば最悪、前と違って攫っちゃうし」


「そのまま人を近づけず共依存に持ち込めば良いだろ」


「あー、そういう」


まあ、わかる。


でも。


「人払いは必要ないかな」


「なんで」


「だって、僕はあの子を愛しているしあの子も僕を愛してる。僕があの子を一番に助けた時点で、既に共依存は成立している」


「うわ…そういう…」


「それならばむしろ、あの子の味方は作って情操教育もしておかないと。ただし濃い血縁の者か、同性か、獣だけだけど」


ものすごいジト目を向けられるが、それもこれも彼女のためだもの。今度こそ幸せにしてあげるんだ。


「もう間違えるなよ」


「うん」


「二度と奪われるなよ」


「…うん」


「もう泣かせるなよ」


「………うん」


反省してるし、後悔してる。もう、間違えない。絶対、幸せにするから。


「…じゃあ、おやすみ」


「お疲れ様」


「どっかの誰かのせいでマジ疲れたわ」


眠そうな姿を見て、さすがに労わる。


「誰かさんに染み付いた呪いの解除、少しずつ手伝ってくれてありがとう」


「俺の存在は、あの子以外にはバラすなよな」


「極力気をつけます」


「なあ、なんであんな男の呪いの解除なんてするんだ?」


「一応今回のあの子の父親だしね。早死にされると迷惑なんだよ」


そう言えば、納得したように頷かれた。


「ま、俺はあの子さえ良ければいいからお前に協力はしてやるけど。その分結果は出せよな」


「今度は幸せいっぱいに長生きさせるよ」


「そうしろ」


じゃあ今度こそおやすみー、と消えていく彼。


正直あの子への感情が僕くらい重いので、人型の存在だったら殺してたけど。


今回ばかりは、居てくれてよかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ