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王子の反応

びっくりした。


妹の後見人になった、僕の命の恩人である魔法使い。


彼が、なんと妹の婚約者になった。


後見人兼婚約者なんて前代未聞だろう。


けれど、妹も魔法使いも幸せそうで。


「…祝福すべきなのでしょうね」


僕は命を救われて、母はそれによって気持ちが安定した。


妹も、最近になって知ったが母から相当な扱いを受けていたという。


それに関してはすごく複雑な心境で…母への怒りや失望、それでもなお感じる母の愛と母への愛に悲しくなる。結局母を拒絶も出来なくて…その一方で妹への愛もあるし、妹からの愛も感じる。その度に申し訳なさに押しつぶされそうだが。


だから何故かは知らないけれど全面的に妹の味方である魔法使いが、妹の後見人になってくれたのは心底良かったと思った。


でも、さすがに婚約は…。


「年の差と身分差が気になる…」


本人たちが気にしてない以上、余計なお世話なのだが。


獣人である彼は、一度相手に執着すると他に浮気はしないはず。


その意味では安心して妹を預けられるが…。


「…まあでも、妹が助けてくれた人に恋をした気持ちもわかる」


せめて、妹のこの恋がずっと続いてくれることを祈る。


結婚するまでも、結婚してからも。


ずっと続いてくれたらいい。


そうしたらこれは幸せな婚約のはずだ。


「…うん、どちらにしろ僕は見守るしか出来ない。それにあの魔法使いさんが妹を裏切るとは思えない」


正直、彼はもう今の時点で十分過ぎるほど妹に執着しているように思う。


だから、安心して任せていいはず。


それはそれとしてどうかなと思う部分はあるけど。


「妹の幸せを、心から祈ります」


母の所業を知った今、それでも僕を慕ってくれる妹が天使にすら見える。


妹が、ものが分からないほど子供でもないのは知っている。


その上で僕に何も言わないで慕ってくれるのが、有り難くて申し訳なくて。


なんの贖罪にもならないけど、母に虐げられた分の何倍も幸せになって欲しいと祈る。


祈ることと可愛がることしかしてあげられないのが辛いところだけれど。

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