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パパにおねだり

「それがお前の欲か」


「うん」


「そうか」


王様…パパはそれを聞いて頷いた。


「たしかにお前を冷遇したのは間違いだったな」


「え」


「悪かった」


「魔法使いさんと出会えたから、別にいい」


「…本当にすまなかった。だが」


パパははっきり言う。


「お前が余計な欲を持つなら、俺はお前をいつでも殺せる」


「魔法使いさんとずっと一緒にいたいのは?」


「…その欲は良い」


「じゃあ大丈夫。王位とか押し付けられる方が発狂する」


「そうか」


パパは私を抱える。


「なに?」


「親友に、父親らしいことをしろと言われた」


「結果が高い高い?」


「…おかしいか」


「私もう七歳」


でもまあ、嬉しくないこともないから。


「パパ、もっと寄せて」


「ん?」


「ちゅー」


「!?」


「!??」


近くに控えて、そこから見ていた魔法使いさんが発狂しそうな顔でパパを見ている。


魔法使いさんのその反応が見たかった。


魔法使いさんにヤキモチを妬いてもらうついでに、パパにちょっとのお礼でちゅーしたのだ。ほっぺにだけど。


「回りくどいより、直接の愛情表現」


「そ、そうか」


「パパももっとわかりやすいのがいい」


「さすがにちゅーは無理だ」


「頭ナデナデとか」


私がそう言うとパパは私を下ろして、頭をナデナデする。


「本当に色々悪かった。今後はアルジャン宮をお前にくれてやる。王女らしい生活でもしろ」


「費用は魔法使いさんが出すんでしょ」


「あいつの望んだことだ。が、お前がそんなに欲を出さないなら養育費や生活費は負担してやってもいい」


「要らない。魔法使いさんがいい。そしたら何かあった時、魔法使いさんが私を連れて行ける」


「…そうか?…そうか」


ようは、今払ってる養育費や生活費を合わせて私を買える。


魔法使いさんならいける。


「…お前はそれで幸せなのか?」


「魔法使いさんのそばが私の幸せ。でも、それまではお兄様と仲良くしてたい。パパも仲良くしてくれてもいいよ」


「そうか。ならそうしよう」


パパが魔法使いさんに目を向ける。


「まさか人の娘…それも七つの子供に手を出すわけもないが、見張りは必要だ」


「いくつになったらいいの?」


「せめて十八…待て、意味がわかってるのか」


「結婚ってことじゃないの?」


「………そうだな」


パパについでにおねだりする。


「パパ、私十八歳になったら魔法使いさんと結婚する」


「…マジか」


ちらっと見たら魔法使いさんも目を丸くしていたが、次の瞬間すごく良い笑顔になってたので続ける。


「婚約結んで」


「やめておけ、幼い憧れだ」


「いいの、お願い」


「後悔するぞ」


「しない、してもいい。ねえ、魔法使いさんとずっと一緒にいたい。初めて助けてくれた人なの」


その言葉にパパの肩が跳ねる。


「…どうしてもか」


「うん」


「おい、お前」


パパは魔法使いさんに命令する。


「俺の娘と婚約しろ」


「もちろんよろこんで」


「…ロリコンめ」


「おばあちゃんになっても変わらず愛するよ」


「気持ち悪い奴だ」


ということで、急だけど魔法使いさんと将来を約束出来そう。

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