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海に行く

今日も魔法使いさんとお勉強する。


お勉強は同じ年齢の子たちよりすごく進んでるって、魔法使いさんは褒めてくれる。


魔法使いさんは隠蔽魔法で、勉強の進み具合もカモフラージュしてる。


メイドたちに噂されると面倒だから。


だから、お勉強は年相応の進み具合だと思われている。優秀過ぎず、無能過ぎない程度。ちょうどいい。


「さあ、今日はこのくらいにしておこうか」


「はーい」


「今日の授業も楽しめたかな?」


「今日もたくさん勉強して、すごく楽しかった」


「それは良かった」


魔法使いさんに頭を撫でられて嬉しくなる。


「今日はあとは自由時間だし、何をしようか」


「じゃあ、魔法使いさんとお出かけしたい」


「人がいないところにだったら、いくらでも連れて行ってあげるよ」


「じゃあ、山は行ったから海」


「ああ、この時期は海に来る人も少ないしいいかもね。行こうか」


魔法使いさんと一緒に海に行く。


生まれて初めての海、少し楽しみ。
















「はい、これが海だよ」


「ふーん」


初めてみる海は大きくて広くて、境目がなくて、あとなんか面白い匂いがする。青くてキラキラしてて、とっても綺麗。


「どう?」


「綺麗」


「そっか。お姫様は海が好きだもんね」


「え?」


「ああいや…海は好き?」


聞かれて、考える。


「山も好き。でも海はもっと好き。独特な雰囲気とか、匂いとか」


「そう。そうだろうね」


なんだか勝手に納得している魔法使いさん。


でも、なんでだろう。楽しそうで、懐かしそう。


「夏、泳ぎに来る?」


「…いや、やめておこう。海は怖いからね」


「サメ?」


「うん。他にもクラゲとかね」


「おおう」


そういえば毒を持つ生き物も多いんだった。海水浴場なら平気かと思ったけど、魔法使いさんが言うなら怖いんだろう。


「怖いね」


「怖いね」


「じゃあ…その分、今眺めて散歩しよう」


「ふふ、そうだね」


魔法使いさんと手を繋いで、砂浜を歩いていく。


貝殻を拾ったり、乾涸びたお魚のミイラを見つけてしまったり、綺麗なガラスに見えて手を伸ばしたら毒のある生き物で魔法使いさんに慌てて止められたり。


とっても楽しい一日だった。

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