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聞くべからず

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ゴシップは平穏無事で、退屈な日常の象徴だと思ってますよ。


――あの人、不倫したそうよ。

――あの人ね、干されたそうよ。

――最低ね。

――最低ね。


通りがかりの人が芸能人のゴシップ誌で盛り上がっている。人の悪口を叩き合って、口角がにぃーっと上がって、何方が悪い人だか分からなかった。

「えいっ」

私の視線がその人達に注がれた居たのに気が付いた同居人は、するっと両手で耳を塞ぐ。それから耳朶を軽く揉むと、口元に人差し指を当てた。

「聞いては行けないよ 悪い話は聞くべからず」

そう言って、蠱惑的な半眼のままに緩やかに口角を上げた。

「駄目なの?」

「良くは無いね。だってそう言う話で盛り上がれる人は、人生に退屈している証拠だから」

そう言って、重たい木の扉を開けて、私を世界に招れた。喫茶店だった。

数多の話し声が私達の間を交差する。楽しい話、嫌な話、難しい話、様々だった。そんなのをぼーっと聞き流していると、彼はメニューを渡す。好きなのを頼んで良いと言われた。

「○○、もし、此処が戦火舞い散る地獄だったら? 好きな事にのめり込んでいたら? 人の悪い所を探す余裕が、果たしてあるのだろうか?」

「無いよ」

戦場ならば生き残る事に必死だし、好きな事にのめり込んでいたら、その事で頭が一杯。そんな事に目を向けるよりも、やる事がある。それどころじゃない。

「そうだね。だから、ゴシップって皮肉だけど、平穏無事で、退屈な世界の象徴なんだよ。心にゆとりがあるから、それを埋める為の何かを探し回るんだ。退屈は人を殺すからね」

そう言って、私の顔を見る。

「飲みたいものは決まったかい?」

「珈琲フロート」

「はい」

そうして暫く、私達は他愛のない話をした。最近はずっと珈琲フロートが大好きで、ずっと飲み続けてる事、とある駅の装飾が古びて寂れていたけれど、何だか味があった事。

そつしているうちに、珈琲フロートが届いた。

「○○、美味しいかい?」

「うん」

上に渦を巻いたソフトクリームをスプーンでちみちみやっていると、脳みそが優しく溶けていく感じがする。ストローを突き刺して啜ると、確かな深い甘さの中に、ほろ苦い珈琲が広がる。

そうなると、それだけで一杯になる。何も考えられない。

「悪い事で脳みそ埋め尽くすよりも、こうして小さな幸せが転がってるのにね。愚かだねぇ、人間は」

今まさに戦争をしていたら?

好きな物、人の事で頭が一杯だったら?

ゴシップに興味を持つゆとりなんか無いんだと思います。


皮肉にもそれだけ退屈になるほど、ゴシップが流行る世界は平和という事ですが。


退屈は人を殺します。精神に異常をきたすんですよ。

だから安定を求めて代わりの何かを探すのだと。


神の視点で今の世界を見てみたら、きっとあまりにも平和で退屈なのだろうと思います。

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