時節邸にて
遠出した時の何時もの癖。旅先に着いたら兄貴に電話。そして一日置きに目欲しい風景や、友達と撮った写真を送る。あたしは今、 の同業である色季の家に来ている。初日の連絡は入れた。今日は何を送ってやろうと考え中である。
「凛ー。明日はどうするの」
ここは時節邸。財閥、咲枝家の分家でもある豪邸。表向きでは咲枝の事業を支える重鎮で揃えられているが、その裏では神様の問題事を対処している。
あたしはそこの色季の部屋で枯山水を眺めていた。畳張りの和風な部屋。置いてあるのは長机と箪笥という質素な部屋であるが、忙しい彼女のこと、これくらいが良いのだろう。部屋の中は簡素なイメージを持つが、枯山水には手を掛けている。激務を癒すために美しい枯山水を作ったとも考えられる。
「んー。後はあんたの案内でお土産買いたい。兄貴と飛梅様、あと三狐神様と.......」
「ブラコン.......」
「あ?」
指折りで後日の予定を立てるあたしに対し、彼女は罰が悪そうに目を逸らした。見てはいけない物を見たような反応に、思わず口調が荒くなる。
確かに兄貴とは仲が良いが、別にブラコンって程でもない。精々、毎日髪を梳かして欲しくて髪を伸ばしてるくらいで.......。
「ま、慧さんには、あたしもお世話になってるからね。ちゃんとした物を送りたいよ」
女性らしいヒラヒラしたスカートを翻し、彼女は明日着る服を選んでいる。式である銀庭によると、君が来たから羽目を外すかも知れない。とのこと。ま、最近男装も辞めた見たいだし、可愛い格好に心血注ぎたいんだろ。
そう思って微笑ましい姿を眺めていると、ふと脳裏に声が聞こえた。声の主に覚えがある。
色季も凛もおかえりーって感じです。
for色季
四季神以来だね。色季。
最近姿が見えないから心配したよ。
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