迎撃準備
翌日、境内の中で飛梅様と三狐神様に跪き、頭を垂れていた。二神から授かっているのは霊気。あの腐った空気に対抗する為には、それなりの力が必要だ。
二神の力が巡る。血管を通して体温が上がる。指の先、爪の先、髪の先に至るまで。二神の力が巡り終わった後、立ち上がり、また一礼をした。
「有難う御座います」
二神は「気にするな」という様に得意げに笑うと、そっと矢を渡した。見ただけで分かる。御二方の力が込められた矢。破魔の矢。体を巡る霊気と呼応して、仄かに光る。
「力の巡りは大丈夫だとして、はいこれ。矢ね。今回も君に相応しい特注品だ。ま、撃たないけど」
「地に突き刺したら回収してくれ。抜かれる前提だから、霊力注いだら用済み。結界として機能すると思う」
僕は三狐神様に戴いたものを矢筒に詰めながら頷いた。この矢は五芒星を描くように地に突き刺して、結界としての役割を果たす。この間行った盛り塩の強化版。まずは敵を封じるところから。結界内に閉じ込める事から。
「派手にやるんだ。人目もある。夜の方が良い」
昼間のうちは人通りが多い。派手な行動を起こしたら間違いなく通報沙汰だ。そしたら堕神討伐所ではない。夜になると彼奴らも力を増すが、背に腹はかえられない。だから昼間にも儀式を行って戴いた。
「それでは、行って参ります」
「あぁ。信じてるよ。私達二神、君のこと」
二神から別れた後、向かったのは学校。 二神に言わせると、ここから祟り神の気配がするとの事。なるほど、確かに僅かに気配がする。濁った水のようなあの神社の気配。気配だけあの社から飛ばしたのか.......? まだ誰も死んで居ないと良いが。
そんな思い持ち、学校の外周を回る。まずは校舎の裏側から。矢を突き刺した後は、誰にも悪さをされないように、さっさと引き抜く。それを時計周りに行い、結界を張っていく。二人の念が込められた結界だ。例え相手の瘴気が強くても、今晩までは持つはず。
また正面に戻り、様子を確認した。常人には何の変哲もない校舎。白く、光が多く取り込まれるように設計された学び舎。それを瘴気で穢すなんて.......。
憤りを感じながら、僕は一礼をした。どうか、今夜に至るまで、何事も起きませんように。神の御加護が届きますように。
読者様 ちなみに妹が弓を使うとどうなるの?
作者 暴発します。
※上手く言えませんが、矢が飛ばずに弦が切れます。
初めては驚きますよ。




