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期待

「今日も来てくれたんだね」

社の中から胡座をかいて、参拝者を見下ろしていると、長髪の少女が現れた。特段美人という訳でもない。体付きも抜きん出て特徴がある訳でもない。しかし誰よりも愛情深く、私達の事を考えてくれる、優しい子。何時もは晴れやかで楽しげな空気を纏って此処まで来るのだが、今日はなんだか様子が違った。走ってきた事もあるが、随分と焦っているようだった。

彼女は最初の参拝も忘れ、社務所で何やら話している。気になって、対応している巫女の後ろから様子を見る。

「以前、御朱印帳を戴いたのですけど、その事で.......」

戸惑っている。悪夢を見ることは無くなったようだが、日々御朱印が血のような赤に変色している。その事をこの娘に伝えて良いかどうか。切実な心の声が聞こえてくる。

それを聞いた途端、私は顔を歪ませた。呪詛は慧が吸い取ったようだが、一度呼ばれた身。縁が結ばれてしまったのだろう。そして悪夢から彼女の体を衰弱させにいった。取り込もうと.......されている。

この事は慧に黙っておこう。そもそも私の可愛い参拝者が吸い寄せられる事自体想定外だ。彼女が堕神に目を付けられたと知ったら、彼は傷付くだろう。完全に守れなかった.......と。

分かってはいたが、妹がいなくて精神的にやや不安定なのだ。だが“堕神を祓う”以上の不安を煽るような真似はしたくない。この巫女にも、慧を求めて現れたという事は消しておこう。いつも通り、少女は神社巡りを行っていた。そこで他愛のない話をした。という事にしておこう。

そっと後ろから巫女の目元を覆うと、ゆっくりと(まじな)いをかけた。無闇に人の気持ちに干渉するのは好きでは無いが、自体の悪化を未然に防ぐため。少し、お許しいただきたい。

「ごめんね。今は少しでも危険分子は排除しておきたいんだ」

口にも表にも出さないが、慧は妹に対して劣等感のようなものを抱いている。直属の娘である凛と、その子孫である慧。霊圧の力量差があるのは否めない。しかし彼の真骨頂はそこでは無い。もっと別のところにある。彼は気づいているかな? それとも気づいていながらも、自分の力ではないと否定するかな? そう思って、私は口元を綻ばせた。妹同様、お前も強いよ。だから劣等感を承知でお前だけに任せたんだ。

短編ではなんでもないように振舞っていましたが、あまり表立って出すことはありません。

あくまでも冷静に振舞ってます。

でも次回出す小説の序盤は気にしているシーンがあります。

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