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「あの子、また来てくれたみたいだね」

彼女と別れた後、僕は境内の掃除に勤しんでいた。今日は飛梅様もいらっしゃる。埃が被ると大変宜しくないので、出来れば神域に戻って戴きたいのだが。彼はそんな気持ちを知ってから知らずか上機嫌だ。

「ええ。やはりとてもいい子でしたよ」

「私が顔をはっきりと見えるような子なんて、そうそう居ないよ」

神様達にとって人間とは皆同じに見えるらしい。しかし何度も自分の事を思い、考えてくれる人間の識別は出来るようで、馴染みの参拝者の顔は覚えている。今日もそんな彼女が来てくれたせいか、何時もよりも肌艶が良い。彼女の思いが霊力にも及んでいる証拠だ。

「あの子、ここの空気が大変好きみたいでね。よく顔中の穴という穴を開けて参拝するんだ。中々一生懸命で可愛いよ」

醸される空気がキラキラしている。でも飛梅様、女の子に向かってそんな事を言っては行けませんよ。彼は困り顔の僕を微笑みながら眺める。脳内では最愛の奥方や参拝者の顔を思い浮かべている事だろう。

「でも悪夢に魘されているようだったので、御朱印帳お渡ししときました」

「そうだね。並のお守りよりもきっと助けになる。あまり私の思念を舐めないで欲しい」

神は人々の念よって力を増す。念と言っても「ああなって下さい」、「こうなって下さい」と言う欲の塊ではない。毎日の感謝の気持ち、何かをしていただいて有難うという気持ちが大切なのだ。

以前は人だったから、人の気持ちが痛い程分かるお方だと思います。

そして大きな感情の持ち主故に、懐に入れた子には何処までも尽くしてしまう人だとも思います。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者が楽しんで書かれているのが、よく伝わります。 [気になる点] 名前と登場人物が、たまに上手く結びつかないことが有るような気が。
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