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転生令嬢の愛され生活  作者: ぱんだ
第一章 エマ=ホール
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4.この国について

今回は情報量が多いです(笑)

騎士団の本部に着いてから団長のクロスさんと副団長のウォーカーさんが応接間らしき部屋に案内してくれた。部屋に向かっている間クロスさん達と話していくうちにクロスさんの口調が敬語ではなくなった。(親しくなったと思ってもいいのかな)話している間、実際二人が並ぶと若干ウォーカーさんの方が大柄だったが、他の騎士さんにどちらのほうが強いのか聞くと、クロスさんの方が圧倒的に強いと答えていた。そんなイケメンで、強いクロスさんが何も知らない私にこの国について教えてくれた。


「まず、この国はグラド王国というところで、現国王のヘンリー=ウィリアム殿下が治めている。陛下には二人の王子がいる。そして、私達騎士の集まりの王国騎士団と魔術師の集まりの魔術師団の二つがこの国を守っていて、騎士団の団長はこの私で、魔術師団長はまあ、少し変なやつだがたぶん明日会うことになると思う」


「ふむふむ、なるほど。あの、魔術師団があるということはこの国には魔法があるんですか?」


「ああ、そうだよ。火属性、水属性、風属性、土属性、光属性、闇属性のいずれかをこの世界の全員が持っていて、ほとんどの人は属性は一つぐらいだな」 


「ちなみにクロスさんは何の属性を持っているんですか?」


「私は水属性と風属性だから水属性魔法と風属性魔法の二つを扱うことができる」


「二つの属性を持っているなんてクロスさんは凄いんですね」


「いやいや、そんなことは―」


「そうなんですよ!団長はとにかく凄い人なんです!」


急に、さっきまで静かだったウォーカーさんが物凄い勢いでクロスさんのことを語り始めた。


「団長はこの世界でも珍しい二属性持ちで、あの魔術師団長も絶賛するほどの魔法の使い手なんです!それにこのあまりにも整った顔!さらに―」


「バルデ!恥ずかしいからやめてくれっ」


「そんな!せっかくエマちゃんに団長の素晴らしさを伝えようと思ったのに……(団長のためでもあるんですよ)」


「(どいうことだ)」


「(いや、だから、団長がエマちゃんのことを珍しく気に入っているのでこの際二人の関係を縮めようと)」


「(はぁー、そう思っていることはありがたいんだが褒められすぎるのは恥ずかしい、もうやめろよ)」


「(団長がそう言うなら…)」


さっきから二人が何やらコソコソと話している。


「あの、何を話しておられるのですか?」


「ああ、いや、なにもないよ」


「そうですか、ところでさっきの話の続きなのですが、クロスさんが二属性持ちならそれ以上の人はいるんですか?」


「ああ、いるよ。最も属性が多いのは四属性持ちの、魔術師団長だ」


「ええっ!四つも!他に四属性の人はいるんですか?」


「いや、あいつだけだな。この国で初めての四属性持ちなんだ」


「へえ~…クロスさん、私にも何か属性があると思いますか」


「あるよ。エマはこの世界の者なんだから」


「(やったー)ちなみに何の属性があるか分かりますか?」


「それは鑑定しないと分からないな」


「……もし可能なら私も鑑定を受けてみたいんですが…」


「安心して、エマは明日鑑定を受ける予定だから」


「そうなんですか!やったー!楽しみ〜」


「嬉しそうだな。ちなみに明日は魔術師団本部に行って鑑定の他にも色々調べるつもりだから疲れるぞ」


「魔術師団本部はここに似たようなところなんですか?」


「いや、こことは全然違って、剣や盾などの武器はないが魔術についての本がたくさんあるぞ。魔術師団は私達のように武器は使わず魔法や魔術を使って私達のサポートなどをしてくれる。だからどちらか一方が欠けてしまうと大変なんだ。」


「へえ~、じゃあクロスさんと師団長さんは仲がいいんですか?」


「……まあ、仲が悪いわけではないな」


いや、この微妙な反応は仲が悪いな。けどまあ、


「明日その師団長さんに会うのが楽しみです!」


「そうか」


私が笑うとクロスさんも嬉しそうに微笑んでくれた。


「……ところで馬に乗っている時、私の髪の色について気になったのですが…」


そう言うとクロスさんは真剣な面持ちになり


「…そのことについてなんだが…、白金(プラチナ)の髪はこのグラド王国の王族特有のものなんだ。実は王族の方達は全員生まれた時は白磁(はくじ)色のような白色に近い髪色なんだが、生まれてすぐに“白の森”というエマがさっきまでいた森に行き“白の聖獣”というお方に預けられるんだ。そしてその“白の聖獣”が、生まれたばかりの王族の方達をこの世界を創造したとされる神がいる場所へ連れて行くんだ」


あれ?何かその場所を知っているような……


「そこで王族の方達はその神に名前をつけられるんだ。王族の方達全員の髪が白金(プラチナ)なのは、その場所に行くことによって何かしらの影響を受けるからなんだ。……つまり、エマの髪の色が白金(プラチナ)ということはその場所に行ったことがあるという証明なんだ。それに、エマが『わんちゃん』と言っていたお方こそが“白の聖獣”なんだ」


「えっ!あのわんちゃんが“白の聖獣”!」


「ああ、周りの騎士たちがエマを気にしていたのはエマをこのグラド王国の王族の一人ではないかと思っているからなんだ。だから明日エマのことについて色々調べなければならないんだ。もしかすると陛下にも会わなければならないと思う」


「だからエマちゃんはこのあと夕食をしっかりとって明日のためにちゃんと寝るんだよ」


「分かりました、ウォーカーさん」


クロスさん達と話してとても混乱したが、ウォーカーさんの言う通り、明日のために私は、騎士団本部の料理人さんが作ってくれた『お子様ランチ』ならぬ『お子様ディナー』というものを食べて眠りについた。












次回の登場人物が大変なことになりそう

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