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転生令嬢の愛され生活  作者: ぱんだ
第一章 エマ=ホール
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2.王国騎士団団長 オリバー=クロスside

王国騎士団団長オリバー=クロス視点です!

王国騎士団団長オリバー=クロスが謎の少女を発見する約30分前、団長である彼は騎士団本部にある彼専用の執務室で前回討伐した魔獣の報告書を書いていた。彼は、ここ、グラド王国のクロス公爵家の現当主で、クロス公爵家は代々王国騎士団団長を輩出してきた名家中の名家である。だが、今年で25歳になるというのに彼には未だ婚約者がいない。なぜなら、彼は重度の女性嫌いなのだ。どんなに性格の良さそうな女性にも強い口調で接しているのだ。周りもそのこととその理由を知っているため彼に『自分の娘を!』と言う人は少ない。だが、彼の顔の良さに惚れ込んでしまった貴族の娘は我先にと猛アプローチをする…しかし、未だに彼の心を射止めた人はいない――


そんな彼が報告書を書いている途中、“白の森”の方からいきなり『ドーン』という音がして見てみると、その“白の森”に銀色の光の柱が立っていた。あまりにも突然のことだったので驚いていると、いきなり執務室のドアが開き、彼の右腕でもある騎士団副団長のバルデ=ウォーカーが現れた。


「団長!今“白の森”から急に銀色のは――」


「ああ、私も今見た。バルデ、十数人、騎士を集めろ。今からあの“白の森”に行って何が起こったのか確認しにいくぞ」


「分かりました、団長」


そうしてすぐにバルデは部屋から出ていき騎士団の練習場に走っていった――



“白の森”に着いてからオリバーとバルデを含む騎士があたりを捜索していたが、“白の森”に向かっている間に銀色の光の柱は消えてしまったので目的の場所にたどり着くことに時間がかかってしまった。だが、やはり騎士団の団長なのであろうか、オリバーは誰よりも早く小さな、人の足跡を見つけた。


「こんなところに人の足跡だと、どういうことだ」


オリバーは一人で足跡をたどっていき、森の奥へ進んでいった――


しかし目的の場所に到着してオリバーは驚愕した。


この光景は何だ!あそこにおられるのは、もしや“白の聖獣”なのではないか。しかも、あの方の近くにいる少女は一体何者だ。それにあの髪色、あれは――


「おいっ!そこの君大丈夫か!」


私がその少女に声をかけるとこちらに振り返った。そして、


「あのー、私ただこの子と遊んでいるだけなので心配しなくても大丈夫ですよー」


とあまりにものんきな返事が返ってきた。


「あっ遊んでいるだと!(どいうことだ、確かにあの方はあの“白の聖獣”に違いないが――」


この状況について熟考していると後ろから声がかかった。


「団長ー!こちらにいらっしゃたのですね……って、あの方はもしかして!」


副団長のバルデだった。さすが私の右腕、私の後をつけていたのか。他の者達も来たな。だが、どうやってあの少女をこちらに来させようか―そう思っていると、バルデが私の思っていることが分かったのか


「そこのお嬢さん!そのお方から離れてください!」


と、私よりも優しそうな外見のバルデが少女に話しかけた。


これで大丈夫だろうと思ったが何かが気に入らなかったのか、少女は少し顔をしかめた。すると、“白の聖獣”が少女を離し、こちらに来るよう少女の背中を押した。しかし、少女は急に“白の聖獣”が自分を離したことに驚いていた。仕方がないので私がバルデのように少女に話しかけた。


「こちらにいらしてください、お嬢さん。私達はこの国の王国騎士団の者です。お嬢さんに危害は加えないので安心してください」


この少女が怖がらないようにいつもより優しく話しかけたが、自分からあまりにも甘い声が出たのでかなり驚いた。この女性嫌いの私が…しかし、


「本当ですか?」


と少女が意外にも私達を信用してくれそうな返事をしてくれたので、すぐに


「ええ」


と、意識していないのに先程と同じくらい甘い声が出た。そんな私が珍しいのかバルデを含むそこにいた騎士全員が『この人は誰だ』と言うぐらい目を見開いていた。私自身も何故こんな声が出たのか分からない…全員が驚いているとすぐに少女は私達のそばに着いていた。


「はじめましてお嬢さん、改めて私は王国騎士団団長のオリバー=クロスです。これからあなたにたくさんのことをお聞きしたいのですが私達と一緒に騎士団本部までご同行お願いできますか」


なにも違和感なく同じような声で少女に自分たちと一緒に来るようお願いした。


「あのぉー、私、お嬢さんって呼ばれるほど若くないんですけど」


驚いた。遠くからだったのでわからなかったがこの少女の声はとても心地良い。しかも、誰から見てもこの少女はとても若いのに自分はそれほど若くないと言っている。バルデに対してあの表情だった理由が分かった。


「いえ、十分若いですよ。見たところ7歳か8歳ぐらいですよね」


たぶん子供扱いされたくなかったんだろう。そう思っていると少女はひどく驚いたような顔をした。なぜだろう?


「こんなところに一人でいたら危ないですよ、()()()()


もう一度言ってあげると


「どーいうことぉぉーーー!」


少女は叫んだ――


(面白いなこの少女は)


オリバーは久しぶりに女性に興味を持った。







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