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転生令嬢の愛され生活  作者: ぱんだ
第二章 学園生活
28/43

25.学園生徒会 スカラー

まさかのクラス全員が私の秘密(全属性)を知っていたというサプライズがあって自己紹介時間は終了した。

そこからカウマン先生のこれからの学園生活の説明が始まった。

 

 一つ目は授業について。

先生曰く午前中は座学や実技など生徒全員の共通の授業があり、午後は選択授業がある。この選択授業は学年関係なくその授業を選んでいる生徒全員が受ける。私が受ける魔術コースはこの学園の中で一番生徒数が多いらしい。

 

 次に学園行事について。

この学園は前期と後期に分かれていて、一年に二回長期休暇がある。この二回の休みに生徒たちは自分達の家へと帰省するのだ。前期には学園祭、そして魔術大会(希望者のみ)。後期には剣術大会(希望者のみ)と卒業パーティーがあるのだそう。魔術と剣術の大会は外部からも人が見に来るので将来王国騎士団や王国魔術師団に入団したい生徒にとっては良いアピールの場所なのである。私は将来の夢などは特に決まっていないので深く考えてはいないが予定としては魔術大会に出場する予定。

 

 そして『トペルナ』と『スカラー』について。

まず『トペルナ』というのは一つの学年の中から総合成績がトップの生徒に送られる賞状みたいなもので、制服のリボン(男子の場合はネクタイ)に銀色の刺繍が施されるのである。なので、トペルナの生徒が誰なのかひと目で分かり、全生徒の憧れの対象でもある。次に『スカラー』というのはこの学園の生徒会のことで、中等部と高等部の生徒で構成されている組織。殆の生徒会幹部はトペルナの人達で、現会長は高等第四のブラッキー侯爵家長男のユージン=ブラッキーと、副会長の一人は中等第四のルーク殿下である。これもまた人気の組織で幹部にはなれなくとも役員にはなろうと皆が幹部たちに媚を売るのだそう。生徒会の幹部は会長が推薦し、役員は幹部が推薦するからである。因みに拒否権はよっぽどの理由がない限り使えないらしい。


 最後は先生の助手について。

この王立学園には千人を超える生徒がいるので、講師一人ひとり全員が完璧に業務をこなせるのが難しいらしい。そこで講師自ら生徒を一人〜三人程度選び自分の仕事を手伝ってもらうという方法が出来た。選ばれた生徒は勿論自分達の時間が削られるわけで、手伝った代わりにその講師の授業の単位を免除してもらえるらしい。その上、『助手』という形でその講師の研究を手伝えるし、この仕事は生徒会からの推薦を拒否出来る方法の一つでもあるのだ。なので、優秀だが生徒会に入りたくない人は講師に自分を助手にしてくれるよう懇願するのである。


 大体カウマン先生が言っていたのはこれくらいだろう。まあ、私が興味あるのは魔術大会だけなので他はどうでも良かった。


はずだったのに…………


「エマ嬢!ぜひスカラーの役員になりませんか?私からの推薦です」


ルーク殿下が私を生徒会、スカラーの役員に推薦してきた。

今はお昼。食堂でヒューとペネ、そしてアリアラと日替わりランチを楽しんでいると、突然ルーク殿下が現れ、食堂内は驚愕に包まれた。普段は違う場所で食事をとっているのだろう。そして、ルーク殿下はなんでも無い風にこちらへ歩み寄ってきて、先程のセリフを放った。私は直ぐに


「拒否します」


と言ったが


「確か中等第一の今日の授業は学園の規則や行事など諸々のオリエンテーションでしたよね。なら、エマ嬢は生徒会幹部からの推薦は拒否出来ないことは知っていますよね」

「うぅ…(どうしよう、逃げようか!)」


逃げの一択を選んだ私はすぐさま自分に身体強化魔法をかけて食堂を出た。が、ルーク殿下も同じようにして私を追いかけて来た。何処に逃げようか迷った私はカウマン先生の話を思い出して、先生たちの部屋兼研究室が沢山ある棟へと向かった。そして、私の信頼する先生、且つ何でも聞いてくれそうなエルフィー先生の部屋に一目散に入った。(一応ノックをしてね)


「どうぞ―「エルフィー先生!」」

「どうされましたエマちゃん!?」

「先生、どうか私を先生の助手にしてくれませんか?」

「そんなに急いで。大丈夫ですか?」

「早く返事を!」

「まあ、勿論良いですけど。というか、私からお願いするつもりだったんですが…」

「エマ嬢!見つけた!……ホール講師?」

「ああ、殿下でしたか。ふ〜む、なるほどなるほど。大体状況は把握できました。つまり、殿下はエマちゃんを生徒会に推薦したが、エマちゃんは拒否しようとして私に助手を願い出たという感じですね。まあ、結局私がエマちゃんを獲得しましたが。お疲れさまです、殿下 (ニコッ)」

「(チッ)」


いや、エルフィー先生理解力半端ないですね。それにルーク殿下から何か不穏な音が…まあ、気にしないほうがいいでしょう。


「というわけで、ルーク殿下、他の人をどうぞお探し下さい(ニコッ)」

「はあ、分かりました。ですが、来年は絶対生徒会に入ってもらいますからね」

「はいは〜い、絶対に入りませんよ〜」


ルーク殿下は名残惜しそうに部屋から出ていった。


ふー、これで一安心一安心っと。


「いや〜、まさかエマちゃんが私を選んでくれるなんて、嬉しい限りですよ」

「ひっ」


ドアの前に立っているといつの間にかエルフィー先生は私の後ろに立っていて、私の耳元で甘〜い声でそうつぶやいた。振り返ると先生は蕩けそうな甘い顔をして私を見つめていた。ヤバいと思った私は直ぐに部屋から出ていこうとしたが、先生が先にドアの鍵を締めてしまい、実質私はドアと先生に挟まれてしまった。


「え、エルフィー先生?」

「エマちゃんが私の助手になってくれたおかげで、これから二人きりの時間が増えますね」

「助手って私だけなんですか?(先生なら沢山の希望者がいると思うけど)」

「はい、私に頼んできた人達は全員断りました。だって、エマちゃんとの時間を邪魔されたくありませんからね」


そういうとエルフィー先生は私の髪を一房すくい上げそこにキスをした。不覚にもドキッとしてしまった。だけど、この状況がヤバいことを思い出して、どうやって逃げ出そうか考えていると


「本っ当に、もう一度エマちゃんと魔術を一緒に研究出来るなんて楽しみですよ」

「へぇ?」

「うん?どうかしましたか?」

「いえいえ///」


びっくりしたー!そうだよね、エルフィー先生が十歳以上も離れた子供にそんなこと思ってないよね。自分のばかばか!勝手に勘違いしていた自分が恥ずかしいよ。エルフィー先生はただ私と一緒に魔術を研究したかっただけなんだよね。ふ〜、焦った焦った。


「そうですね!私もエルフィー先生と魔術を研究出来ることが楽しみです!」

「ふふっ、(今は気づかなくて良いですよ)」

「?何か言いましたか?」

「いえ、何も」


これで私のスカラー入会は無事回避出来たのであった。


====================================


―エマの学園入学の二週間前


「エルフィー、お前王立学園の特別魔術講師にならないか?」


ホール公爵の執務室で、エマの義父であるホール公爵と息子のエルフィーがエマの従者兼護衛の件について話していたところ、突然公爵がエルフィーに講師になることを勧めてきた。それに対しエルフィーはさも当然かのように


「?勿論そのつもりですが」


この返答にはいくら公爵と言っても驚かずにはいられなかった。


「もしかして、もうそのことをアルバート様に話したのか!?」

「ええ、だって私の可愛いエマちゃんが一人で狼の群れの中に入るんですよ。心配せずにはいられないですよ」

「まあ、確かにそうだが…」

「安心して下さい、父上。私達の可愛いエマちゃんは私が完璧に守ってみせます」

「(お前が一番危ないとは言えないな)ああ、よろしく頼む」


公爵は初めて見る息子の人を思う優しい笑顔に心打たれ、息子とエマのためなら何でもしようと決意したのであった。



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