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転生令嬢の愛され生活  作者: ぱんだ
第一章 エマ=ホール
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21.入学手続き

王宮主催のパーティーで大公様やオリバーさん、エルフィー先生などにダンスを誘われたが、令嬢たちの視線が痛すぎて、フィンお父様と一緒に体調が悪いと言って会場をあとにした。公爵家に帰るとフィンお父様が王立学園の入学について詳しく話してくれた。本当なら私は七歳なので初等科編入だが、意外にも学習能力が高いのと魔力量のことから十一歳からの中等部に入学という形で入るらしい。そこで、王立学園がどういう場所なのかを確認するために、私専属の従者をつけて見学するらしい。そしてその従者というのが


「初めまして、エマお嬢様。スワロー伯爵家三男のヒューゴ=スワローと申します。ヒューとお呼びください」


私よりも七歳年上の十四歳で、長い真紅色の髪を後ろでくくって、朱色の瞳、そして片眼鏡(モノクル)をつけた美青年。(何で私の周りは無駄にイケメンが多いのかな。皆して地味な私をいじめたいのかな)がっくりと肩を落としていると、ヒューが顔を急に近づけて


「大丈夫ですか?お嬢?」


だ・か・ら、顔が近いんだよー!

私は顔をタコのように真っ赤にさせてフィンお父様の後ろに隠れた。するとお父様は『可愛いな』なんて言って、私を抱き上げてヒューに近づけさせて『エマ、ちゃんとヒューに挨拶をしなさい』と言うので


「初めまして、ヒュー。ホール公爵家の娘、エマ=ホールと申します。この度は私専属の従者となってくれてありがとうございます。これからよろしくお願いします」

「お嬢、従者相手に敬語は使わなくていいですよ。ぜひ気軽に話しかけてください」

「分かりまし、じゃなかった、分かったよ」

「はい(ニコッ)」


ヒューって喋らなかったら無表情でちょっと近寄りがたい雰囲気があるけど、喋ってたら凄く優しいんだな。因みにヒューは現在十四歳なので、私と一緒に中等部第四学年に編入することになっている。(私は第一学年だけど)表向きは幼馴染、でも本当は従者兼護衛として。学園には従者を連れてきてはだめだが、同じ生徒として連れてくるのは殆どの上位貴族がしていることらしい。私が驚いたこととしてはヒューが武術に関しても優れていること。見た目的に勉学が得意そうなのは分かるが、まさか護衛としての才もあるなんて。フィンお父様曰くホール公爵家の従者たちは殆どが屈強な戦士らしい。勿論セバスも。


――見学当日


ヒューと一緒にまず学園長室へ向かった。私の予想通りその部屋には大公様、アルバート=ウィリアム様がいた。それも満面の笑みで。今日の見学予定として午前中は中等部高等部棟の案内、午後は中等部第一学年の授業の見学らしい。ランチは学園自慢の食堂で日替わりランチを楽しむ予定。ここまでは純粋に『楽しみだな』と思うのだが、大公様が『私も一緒に付いていく』と言った瞬間『絶対楽しめない』ことが分かった。


まず初めに校舎見学。王立学園では中等部と高等部の校舎が合体しているので中等生と高等生の交流は深く、様々な行事を一緒にしているのだそう。最初に見に行ったのは中等部の第二学年。一つの学年で四つのクラスに別れていて、下から順にアルファクラス、ベータクラス、ガンマクラス、デルタクラス。デルタの方には侯爵家以上の上位貴族がほとんどで、アルファは平民が。この学園では平民を差別したりはしないが、魔力量は貴族のほうが多いらしく必然的にガンマから上が貴族が、ベータから下に平民が集中するのだという。


こっそりと見に行った第二学年の授業はちょうど歴史の授業でこのグラド王国がどのように出来たのかというのと、他の国の話など。どれも公爵家で習ったものだったので少し安心した。(いきなり四つも上の学年に入るからついていけるか不安だったんだよね。フィンお父様やエルフィー先生は心配ないって言ってたけど、二人は身内に対して甘いから)これから受けるであろう学園の授業にホッとしていると、学園長兼大公様が


「この学園では成績が特に優れている者に対して飛び級制度が設けられているんだ。だから、エマがもし試験などで素晴らしい成績を収めた場合、その成績に見合った学年に移れるのだ。まあ、ある時期を除いて飛び級した者は学園創立から殆どいないがな」


それって絶対に飛び級出来ないってことだよね。因みに飛び級したことがある人って誰なんだろう?


「大公様、じゃなくて学園長様、その飛び級した人って誰なんですか?」

「一番多かった時期には現国王のヘンリー兄上やエマの父上でもあるフィンリー公爵、その息子のエルフィーもそうだったな。あとオリバーや宰相のグレイソンなど現在の国政の重鎮達の殆どが飛び級しているな」


何となく予想はしていたが、私が関わってきた人達は全員がチート級だったのだ。(エルフィー先生のことただの『変態魔術バカ』だと思ってたけど『天才変態魔術バカ』に変えないと)


ヒューと大公様の三人でランチをとっていると、徐々に生徒たちが集まってきて私達のテーブルを避けるように座っていった。その上、皆がちらちらと私達を見ながら話しているのでとても居心地が悪かった。(せっかく学園一番人気の日替わりランチを楽しもうと思ったのに気になって仕方がないよ)


ある平民男子

「(おい、あの子とても可愛くないか?)」 

「(ああ、あんな子、この学園にいたっけ?いたら直ぐに気付くんだけど)」

「(たぶん、新しくこの学園に入る子じゃないか)」


ある貴族男子

「(なあ、あの子って見るからに何処かの令嬢だよな?)」

「(君知らないのか!?あの令嬢はホール公爵家の養子のエマ=ホール様だぞ)」

「(えっ!?あの子があの有名な『ヴァイオレットの姫君』なのか!?)」

「(そうだ。しかし何故この学園にいらっしゃるのか…まだ七歳だったはずだから、もしこの学園に編入するなら初等科のはずだが)」

「(もしかすると、ホール公爵令嬢が飛び級して中等部に編入するのかも)」

「(いやまさか、あの伝説の飛び級だぞ。あの十数年前の異常な数の飛び級以来誰も飛び級なんて出来ていないんだぞ)」

「(でも考えてみてよ、あのホール公爵が認めた令嬢だよ)」

「(ありえるな)」


=================================


「いや、やはりこの学園の日替わりランチは美味しいな」

「そうですね、これなら午後の授業も頑張れそうですね」

「ははっ、そうだな。ところでエマは今七歳だったよな」

「はい」

「エマの他にも七歳では無いんだが、十歳で中等部に入学する男爵家の令嬢がいるんだ。理由としてはその令嬢に王族以外には現れないはずの光属性があったからなんだが、まあ、ここにも例外がいるんだが、その上全属性の」

「ぐふっ、そ、それはしょうがないじゃないですか。それで、その子の情報を伝えた理由はなんですか?」

「いや、その令嬢の考え方というか性格が少々難があってな。一応面接をしたのだが、自分が一番偉いと思っているのか、急に私に対して『あなたのことが好きです』などと言ってきたのだ。怖いだろ。それに、その子にエマのことを話した途端何故かエマに対して良い感情を抱いていないように顔をしかめたのだ。エマ、『ローデス男爵令嬢』に対して何かしたか?」

「いえ、というかその『ローデス嬢』?という方も今知ったばかりです」

「そうか、とにかくその令嬢に気をつけてくれ」

「分かりました」


後々そのローデス嬢が学園生活において厄介な存在になるのはこの時の私はまだ知らなかった。



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