孤児院の前の畑で大収穫!
ユリウス様達と別れた後は、王城を出てお昼ごはんを食べてから孤児院へ向かう。今日はアルちゃんもいるから、みんなに紹介もしないとね。
屋台でお昼ごはんをささっと食べてから、孤児院の近くの買った土地へ向かう。壁はあるけれど、建物も木も何もない。
「ここが買った土地だよね」
『そうだな。見事に何もないな』
「そうだねぇ。雑草もあんまりないけれど、畑大丈夫かな?」
『大丈夫であろう。カノンの栄養剤があるからな』
「きゅきゅっ!」
「そうだね。栄養剤を混ぜて土を元気にしてあげよう!」
「きゅきゅーっ!」
ヴァイスに頼んで土を耕して貰う。最近ヴァイスにこんな魔法ばかり使わせているけれど、良いのだろうかとちょっと申し訳ない気持ちになるね。
でも、ヴァイスも孤児院の子達が好きだからか、凄く楽しそうに魔法を使って土を耕している。
『カノン。栄養剤をくれるか』
「はい、お願いします」
『うむ。任せておけ』
ヴァイスが魔法で栄養剤を混ぜて土地を耕してくれると、すぐにふわふわの土の畑になった。アルちゃんがふわふわと飛んで、畑の真ん中で地面の上に下りた。
「アルちゃん、どうしたの?」
「きゅっきゅっ!」
何かやるみたいだから、少し様子を見てみよう。
「きゅーーーーっ!」
土に埋まったアルちゃんが何かをやっているみたいで、畑のあちこちで土が踊っている。ヴァイスも凄いけれど、アルちゃんも凄いね。
「アルちゃん。凄いねっ!」
「きゅぅ~」
一仕事終えた顔をしたアルちゃんは、土の中から出て来てクリーン魔法を掛けてポットに戻った。アルちゃんはポットを浮かべると、お湯をパシャパシャーと撒いて回った。
「ヴァイス。この畑、凄い事になりそうなんだけど?」
『そうであろうな。アルがあそこまでやる気を出すとはな』
「えと、とりあえずお湯の準備しようかな」
『そうだな。労ってやらねばな』
お湯と栄養剤の準備をしていたら、アルちゃんが戻ってきた。すぐにアルちゃんにお湯と栄養剤を足してあげた。
「アルちゃん、ありがとうね」
「きゅぅ~」
『うむ。良く頑張ったな』
「きゅ!」
アルちゃんとヴァイスのお陰で、孤児院と同じくらい広い土地が一気に畑になった。しかも、アルちゃんが頑張ってくれた事もあって、凄く成長しそうな気がする。
種を植えるのは子供達とやろうかな。道を挟んですぐに孤児院があるから、ちょっと見に行ってみよう。孤児院の中に入ると、ラルスやマルコ達がトランポリンの近くで遊んでいた。
「「あっ、カノンおねぇちゃんっ!」」
「こんにちは。畑はどう?」
「沢山実ったんだよー!」
「ぼく、こんな大きいのとったんだよっ!」
「えー、凄いねっ!」
「わたしなんてこーのくらいっ!」
「ふふっ。みんなとっても頑張ってくれたんだね。ありがとうね」
そう言ってみんなの頭を撫でてあげると、嬉しそうな顔になった。本当にこの孤児院の子達は良い子達ばっかりだよね。
「カノンおねぇちゃん。その持ってるのなぁに?」
「この子はアルちゃんって言うんだよ。よろしくね」
「きゅきゅー」
「わっ、しゃべったー!」
「よろしくね!」
「よろしくーっ!」
とりあえず、アイテムボックスを設置しに行こう。ラルス達に調理場に案内して貰っていると、途中で院長先生に会った。
「カノンさん。いつもありがとうございます」
「いえいえ。みんなが元気で嬉しいです。今日はキッチンにアイテムボックスを置こうと思って持ってきたんです」
「えっ!?」
院長先生は高すぎるからと遠慮していたけれど、私が作った物だから大丈夫と置いておいた。それに、厳しい冬を過ごすのに食べ物がないと大変だものね。
「カノンさん。本当にいつもありがとうございます。でも、本当にここまでして頂いて良いのですか?」
「はい、もちろんです。子供達には元気に大きくなって欲しいし、ここを巣立つ時の力を蓄えて貰いたいですから」
「そうですね。どうしても孤児院という事で年齢制限もありますからね」
孤児院は16歳までしかいられなんだそう。15歳で成人して1年間はここで過ごせるけれど、それ以降はここに居られないのだって。
大体は冒険者になる子が多いらしい。街で働ける子はやっぱり少ないみたいだ。個人のお店はほとんどが家族経営になるみたいで、なかなか働き口が難しいみたい。
「それと、ここの道を挟んだ向かいの土地を畑にするので、収穫した物はこちらに入れて冬支度をしましょう!」
「えっ、カノンさん!?」
「畑の種を作ったこともあって、土地を買っちゃいました! ということで冬の食材は任せて下さい!」
「あ、ありがとうございます!」
「いえいえ。収穫とか子供達に頼っちゃうので、気にしないでください。後、冬支度で必要な物ありますか?」
「いえ、これだけして頂いたら十分です。それに、今年は子供達が頑張ってくれたこともあって、みんな暖かく過ごせそうです」
「お役に立てて良かったです!」
院長先生とお話をした後は、子供達を連れて新しい畑に移動する。それぞれに1個ずつ種を渡して、少し離して植えて貰おう。
「カノンおねぇちゃん。今日は何の種なのー?」
「ふふっ、今日は色々な食材の種だよ。私が錬金術で作ったから、実るのが楽しみなんだよね~」
「れんきんじゅつってすごいねっ!」
「そうだよね~」
子供達に植えて貰ったら、錬金じょうろの出番です! 今日は収穫までしちゃうぞーっ!
「あっ、どこに何の種を植えたか忘れたかも? まあ、いっか!」
『忘れるなよっ!』
「えへへ」
どこに何の種を植えたかを忘れたので、とりあえず錬金じょうろで育ててみよう。お水を撒くと凄い勢いで育っていく。子供達もびっくりしてはしゃいでいる。
今回は玉ねぎの畑だったみたいだ。玉ねぎはかぼちゃ畑みたいになっていて、かぼちゃみたいに実っている。
「よし、玉ねぎの収穫してね~!」
「カノンおねぇちゃん。玉ねぎってこうやってなるんだっけ?」
「えっ、違うよ。これは私が錬金術で作ったから本当は実り方違うよ~」
「そうなんだね。カノンおねぇちゃん凄いねっ!」
「ふふっ、ありがとう」
次は何の畑だろうなぁ。錬金じょうろでお水を撒いて育てる工程を省略すると、みるみる育っていく。今度はお茶の木みたいな低い木だ。そこに段々と実が段々と大きくなっていくと、豚肉になった。
「「「「「「「えぇぇぇぇっ!?」」」」」」」
「あっ、豚肉の木だったね~」
「カノンおねぇちゃん!?」
「なんで、豚肉が木になってるのっ!?」
「カノンおねぇちゃん。豚肉ってこうやってできるんだね~」
「えっと、違うんだよ?」
大慌てで否定をしておく。小さい子達がお肉がこうなってると勘違いしそうで、ちょっと申し訳ない事をしたかなと反省する。でも、お肉も沢山食べて大きくなって欲しいんだよね。
「今回は牛肉、豚肉、鶏肉の畑の種も作ったんだよね~」
「カノンおねぇちゃん、本当に凄いね」
「なんか変な感じだね」
「そうだね」
次から次へと錬金じょうろで種を育てて、全部収穫してしまおう。もう1回錬金じょうろを使ったらどうなんだろう?
収穫が終わった玉ねぎ畑に錬金じょうろでお水を撒いてみると、もう一回玉ねぎが実った。
「わっ、もう1回実った!」
『カーノーンー!?』
「あはは。今日は大収穫して、私のアイテムボックスに仕舞って置いたら良いかなと思ってね」
『なるほどな。まあ、他のやつに見られないようにしておけよ』
「はーいっ!」
「きゅきゅ~」
アルちゃんもみんなと一緒に収穫を楽しんでいるみたいだ。みんなとも仲良くなれて良かったね。
収穫したら、錬金じょうろでまた増やしてみんなに収穫して貰おう。収穫したら、とりあえず私に渡して貰うようにしておいた。ある程度孤児院のアイテムボックスに仕舞っておいて、残りは私のアイテムボックスに仕舞って冬になるギリギリに仕舞えば冬の間大丈夫かな。
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