雨の日はのんびり過ごそう1
今日は雨で、朝から結構降っているので、屋台もお店もお休みだ。この世界にはまだ傘がないので、どうしても外に出なきゃいけない時は、フード付きのマントを羽織る。
基本的には雨が降ると外を歩く人は、ほとんどいない。なので、お店もお休みにしてしまうんだよね。今日はお家でのんびり過ごそう。
『今日は朝から雨が凄いな』
「本当だよね~。まあ、のんびり過ごそうか」
『そうだな』
まずは孤児院に置くためのアイテムボックスを作ろうかな。設置型にしておこうかな。
『カノンは何をするのだ?』
「孤児院に置くためのアイテムボックスを作ろうと思ってるんだよね」
『自重しろよ?』
「はーい。本当は時間停止にしてあげたいんだけどね。でも、時間がゆっくりになるだけでも助かるかなと思うから我慢する」
『うむ。それに時間停止にしたら盗まれるぞ』
「そっか、その心配もあるんだね」
「黒の魔石で設置したら重くして動かせなくしたら良いかな?」
『それでも良いかもしれないな』
まずは木材を錬金釜に入れて箱を作ろう。少し大きめの箱を作ったら、魔石を貼り付けよう。アイテムボックスはきっと省略出来るから、外側に黒の魔石(中)だけ貼り付けよう。
黒の魔石(中)を貼り付けたら錬金釜に入れるとぽふん! とアイテムボックスに変わった。箱を見てみると、まだ黒の魔石(中)が付いたままなので、蓋を閉めて魔力を流す。
チーン!
錬金釜の蓋を開けてみると、アイテムボックス(重)と書いてある。これなら盗まれたりしないで置いておけるかな。
「あっ!」
『どうした!?』
「昨日、畑の種を植えたでしょう。あれをお野菜とかにして孤児院に植えたらどうかな?」
『ふむ。それは良いかもしれんな』
「よし、野菜の種を作っちゃおう!」
もう畑の種を作った事があるので玉ねぎ、じゃがいも、トマト、人参、かぼちゃの種を作ろう。錬金釜に野菜を入れると、ぽふん! と種に変わっていく。省略スキルさんが相変わらず素敵です。
「あれ? もしかして、お肉の畑の種も出来ちゃう?」
『はぁ!?』
「そもそも、瓶に入っているお酒が実るんだから、お肉だって実るんじゃない!?」
『ま、まあ……そうかもしれんな』
「よし、やってみよーっ! 美味しい牛肉と豚肉と鶏肉かな」
『カノン。孤児院の土地にそんなに植えられるか?』
「あっ、土地が足りないかも」
孤児院の近くに空いている土地があったら買おうかな。そうしたら、色々な畑を作ってあげられる。収穫した物はアイテムボックスに仕舞っておけば良い。食べきれない物は買い取って貰えば良いだけだしね。
錬金釜に牛肉を入れると、ぽふん! と牛肉畑の種が出来た。
「……出来るみたい」
『肉なのになんで畑になるんだよ』
「なんでだろうねぇ。でも出来るんだから気にしちゃダメ!」
『相変わらずカノンはおかしいな』
「絶対わざとでしょっ!」
『本当の事であろう』
「おかしくなーいっ!」
相変わらず私をおかしな人扱いするヴァイスは放っておいて、豚肉と鶏肉の畑の種も作った。うん、私でもおかしいと思う。実っている所を考えるとちょっと引くわ。
アイスティーとパウンドケーキを出して、ヴァイスと一緒にお茶をする。アルちゃんには栄養剤とお湯を足してあげる。
「きゅぅ~」
『うむ。旨いな』
「うん。寒くなってきたらかき氷が出せなくなるから、温かい物を売るのに何が良いかなぁ」
『ふむ。かき氷は暑い時期だけだから、仕方ないか』
「うん、そうなんだよね。だから温かい物を売りたいよね」
雪が降りだしたら、屋台は温かくなるまで中止にする予定だ。いくらなんでも雪が降るほど寒い日に、ずっと外にいたら風邪をひいてしまうからね。
やっぱり温かい飲み物だろうか。そういえば、冬用にひえひえマドラーの反対でぽかぽかマドラーも作ろうかな。
錬金釜の蓋を閉めて魔力を流すと、マドラーが10本出来た。これに赤の魔石(小)を貼り付けて魔力を流すと、ぽかぽかマドラーが出来た。ポカポカマドラーはほんのりオレンジ色のガラスのマドラーになった。
「あっ、生姜シロップを作ってお湯で割ろうかな」
『ふむ。旨いのか?』
「うん。私は好きだよ。飲むと身体がぽかぽかしてくるんだよ」
『寒い時に良さそうだな』
「でしょでしょ!」
アイテムボックスから生姜を取り出して、お水とお砂糖と一緒にボウルに入れると、錬金棒でくるくるっと混ぜる。それを錬金釜に入れて、さらにお砂糖を足して魔力を流す。出来上がったら蓋を開けてみると、生姜シロップと生姜糖が出来上がっていた。
『カノン。こっちはなんだ?』
「こっちは生姜糖って言って、シロップを取った後の生姜を使って作れるお菓子だよ」
『お菓子なのか! よし、味見だっ!』
ヴァイスの口に生姜糖を1つ入れてあげると、もぐもぐとお口を動かしている。
『ちょっとピリッとするが旨いな。甘すぎなくてこれは良いな』
生姜シロップをお湯に溶いてヴァイスに味見させてあげる。私も少し飲もうかな。ちょっとピリッとした甘い生姜湯は、飲むと身体の中からぽかぽかしてくる。
『ふむ。こっちも少しぴりっとするが甘くて旨い。それにぽかぽかして来たぞ』
「うん。これを飲むと少しの間ぽかぽかするし、生姜糖も食べるとぽかぽかするんだよ」
『これは良いと思うぞ!』
「良かった~」
とりあえず、温かい飲み物の屋台にしてみようかな。他にも出せそうな物があったら考えよう。ホットワインとかにしても良いんだけど、子供が売るのはどうかと思うよね。
しかし、本当は食べる物にしたいんだよね。冷たいと外で食べられないし、温かいデザート。どんな物だ良いだろうか。
「あっ。白玉!」
『しらたま?』
「ふふっ。お米から出来るだろうし、白玉粉を作ってみよう!」
『だから、なんなんだそれは?』
「お米で作ったもちもちのお団子の素だよ」
『よく分からんが、旨いんだな?』
「うん。生姜シロップを掛けて食べても良いかと思ってね!」
『なるほどな』
ボウルにお米とお水を入れて錬金棒でくるくる混ぜる。少しずつ水が白くなっていきお米が粉になっていっている。
それから錬金釜に入れて蓋を閉めて魔力を流す。
チーン!
蓋を開けてみると、日本で良く見た白玉粉になっている。これにお水を入れて練って耳たぶくらいの柔らかさにする。これを本当はコロコロ丸めて茹でるのだけど、錬金釜で作っちゃおう!
錬金釜に入れて蓋を閉めて魔力を流すと、すぐにチーン! と音がなり白玉が出来上がった。こんなに簡単に出来るとは思わなかった。
お皿に白玉を入れて、生姜シロップを掛けてぽかぽかマドラーで温かくしてからヴァイスに出してあげる。私用のも作って味見しよう。
「ん~。もちもちの白玉と温かい生姜シロップが美味しい!」
『本当にもちもちだな。しかも生姜シロップと一緒に食べると旨いぞ』
「これならぽかぽかするし、デザートにも良さそうだね!」
『うむ。これは良いと思うぞ』
白玉を無駄にしないで作るにはどうしようかな。白玉を作る魔道具が出来ないだろうか?
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